種を植えたら室内で苗が育つのを見守り、5月下旬に庭に植え替えます。
今週のお題「好きな街」
避寒地、もしくは老後を過ごすならどこか
冬が終わったばかりの現在、もうあと何年こんなところに住み続けるつもりなんだ自分、もうヤダヤダ、という気分が盛り上がってる時期です。
「老後をどこか温暖な土地に引っ越して過ごすならどこにする?」
と夢見るのは楽しい。
老後じゃなくても、冬をフロリダで過ごして暖かくなってから帰えってくる人たちがケベック州にはたくさんいます。
義両親も生前は毎年カリフォルニア州に住む義姉の家に冬の間滞在していました。
そんな人たちのことをスノーバード(渡鳥みたいだから)と呼びます。
ペンシルヴァニア州に住んでいる義妹とズームで話していると、春は早くくるし冬もマイルドだし、通年裏庭で鶏を飼ってるし、すごく素敵な家なんですよ!
アメリカでも経済的に活気のある土地は物価が高くてびっくりしますが、義妹が住んでいる街は物価も比較的落ち着いていて住宅も手頃な値段。
義妹が住んでいる場所からはパブとか小さな商店に買い物に行くのも徒歩圏内で、車社会のアメリカでも歩ける方。
「いいなあ〜〜、私もそこに住みたい」と思いますが、アメリカに住むと州営の健康保険制度がないから病気するとホームレスになる可能性あるよね、銃を持ってる人がどこにいるかわからないしね、、、ということで、本気で住みたい街、とまではいきません。
カナダ国内でもブリティッシュコロンビア(BC)の南の方は温暖だから良いよねえ、なんて思いますが、冬は凍らないけど雨ばっかりだとか、緯度でいえばきちんと北部に位置するわけだから、気温は暖かいけど冬の夜の長さは同じか、場所によったらもっと長いとか、とどめは、気候が良いから老後を過ごしたい人が集まってくるから、住宅価格も高いよ、とか。
結局モントリオールが一番だよね、と思います。
住めば都で手前味噌なんですけど。
モントリオールの魅力は色々ありますが、遊びにきたアメリカ人やアジア人の観光客に受けるのは「おおお〜ヨーロッパみたい」な雰囲気。
とはいえモントリオールでヨーロッパに通じる古い建築スタイルを今でも保っている地域はほんの一部分で、その地域を出るとやはり近代建築の方が多いですし、雰囲気の良い地域(オールドモントリオールとかプラトーやその付近)は家賃が高いですし、現在では賃貸で住めるところもかなり減ってるんではないでしょうか。
市民の大多数が住んでいる現実のモントリオール(プラトーに住んでる人ももちろん現実に存在しますけど)の良さ、雰囲気以外に何が良いのかといえば、
- 治安が比較的良いこと。
- 物価が他の州に比べると結構安いこと。
- 小規模な都市だから、スキーやハイキングやキャンプをしに田舎に行きやすいこと。
- 小規模とはいえ都市だから、世界中から人々がやってきて多様性が豊かなこと。
- 昔からあるフランス系と英語系の住民の歴史があるため、多様性の受け皿自体が一枚岩なアングロ文化ではないということ。
こんな感じでしょうか。
1)治安
カナダでは拳銃の所持は違法です。
犯罪が全くないわけではありませんが、普段の暮らしで身近に感じることではありません。
ただ、治安が良いのとスリ、置き引き、泥棒があることは両立するというか、盗むチャンスがあったら盗む、という人は多分日本にもいると思うのですが、モントリオールにもいます。
駐車してある車の中に金目のものを置いたままにしてはいけない、という意識は日本の人にはあんまり感じられませんが、こちらでは基本です。
カフェなどで鞄を椅子に置いて勉強を頑張ってたら、気づいたら財布が無くなってたという話はよく聞きます。
ヨーロッパの観光地で集団スリに狙われてしまう話などをよく聞きますが、ああいうレベルのプロ集団がうろうろしている、、というほどではないと思いますが。
大前提としては、貴重品は常に身につけておくべきですが、私がよく行くカフェではマックブックをテーブルに置きっぱなしにしてトイレに行く人も割といるので、場所次第?
金周りのよい(と思われている)留学生が多い地域(英語系の大学があるあたり)は置き引きが多いようです。
仏語系大学があるあたりはどうなのか、私が単にアングロ系社会にどっぷりなので耳に入ってこないだけかもしれません。
自転車泥棒も多いです。
転売しやすいものは狙われやすいし、元々中古で買う人が結構多いところへ個人で出品する転売サイトが一般的になっているので、最新型のものや多くの人々が欲しがってるものを所有している物質リッチな方は要注意。
あれ、治安が良いっていう話でしたね。
本当に治安は良いんですよ。
2)物価
物価が安いということは、給料の相場も安いので、手放しで喜んで良いのかどうか。
州外から遊びにきた人と食料品を買いに行くと「うわ、安い!」とものすごく喜ばれます。
住宅価格はパンデミックでかなり急騰したようで、モントリオールの不動産も凄いことになってるらしいのですが、基本的に物価は他所の州より安く、学生にはとても良いところだと思います。
3)小さな町である
これを地元の人たちに言うとムッとされるか否定されるか。
モントリオールは昔はカナダで一番大きな都市だったのですけれど、ケベック分離独立の機運が盛り上がり、英語の利用を制限する言語関係の法律ができた頃、英語系住民や企業が大挙してオンタリオなど英語圏に流出したため、現在では第二位?第三位?くらいです。
とはいえサバービアの拡大傾向は今も続いていて、市町村の区画とは別に、「モントリオール経済圏」と言うのか、通勤先と住居を結ぶ半径は伸び続けていて、渋滞なしでも車で三十分くらいはかかるだろうところに住んでモントリオールに通勤している人もザラです。
モントリオール圏付近の田舎はそのためなんとなくサバービア感が拭いきれなくて、バーモント州やニューヨーク州の田舎に比べるとあんまり素敵ではありません。
手近な山にハイキングに行って山頂から麓を眺めると、サバービアが広がってるんですよ。
これはちょっとゲンナリです。
山頂からの素敵な景色をあんまり期待しない、もしくはサバービアが目に入らないように眺めるようにするならば、ハイキングしに行く場所はたくさんありますし、冬はクロスカントリースキーをする場所もあちこちにあります。
ダウンヒルはやらないのでよく知りませんが、スキーヒルはあちこちにありますよ。
ロッキー山脈やアディロンダックのような大きな山々はないので、比較的中級者向けの丘が多いような話も聞きます。
州や連邦政府が管理する自然保護公園で自然を楽しむことができますし、市町村が管理している森林公園もなかなか良いし、キャンプに行けば森の中で静かな時間を楽しめます(うるさい場所もありますが。)
4)世界中から人々がやってきている多様性豊かな町である
これは欧米のどこの大都市でも多かれ少なかれ似たようなものだと思いますが。
多様性の豊かな場所にいると自由な気持ちでいられて、楽です。
5)多様性の受け皿自体が一枚岩なアングロ文化ではない
英語圏に限らずマジョリティの中に異質なものとして入っていけば誰もが経験するものですが、英語圏しか知らなくて、自分がマジョリティ文化の中の蛙だと気がつかない人たちの相手をするのが疲れることもままあります。
ケベック州はフランス語がマジョリティですが、モントリオールはそのケベック内では異質で、英語話者の割合が比較的多いです。
基本的にモントリオールに住む英語話者の大半は英語を絶対的な言語ではなく、多様な言語の中の一つにしかすぎないということを身をもって認識しているので、英語圏で出会う英語人よりも若干開かれている部分があると感じます。
英仏両言語を使える人と英語だけ、フランス語だけ、というユニリンガル話者とでは、ケベック、中でもモントリオールでの生きやすさが若干違います。
両方わかってる方がやっぱり楽しい。
英語メディアで報道されることと仏語メディアの報道内容と、重なる部分ももちろんありますが、内容は結構違います。
自分と母国語が違う人たちとも積極的に交流することで、同じ街に住んでいながら世界がちょっと広がります。
もちろん良いことばかりではない
メトロはしょっちゅう止まるし遅れるし、停電やら水道停止やら、困ることもしょっちゅうあるし、できれば道路のあちこちにできてる穴を早急に埋めてほしいし、道路工事にまつわる汚職問題どうにかならないものか、などなど、文句は沢山あります。
でも完璧な土地などないし、この土地のこれらの問題に対処して生活するのに慣れているので、まあそれくらいなら大丈夫かな、なんて。
住めば都