食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

ファースト・ネイションズの現実が垣間見える映画、Le Dep

日本のチェーン店なんだよと言われて友達に連れて行かれたラーメン屋のヴェジラーメン

モントリオールのダウンタウンにあるMisoyaと言うチェーン店でラーメンをいただきました。

なんと、日本のチェーン店なんですって。

初めて聞きましたが、モントリオールにはConcordia Universityの校舎の向かい、Bishopにあります。

 

大学生で賑わうんだろうか、、と思ったら、結構値段がすごいですよ。

私のはヴィーガンのスープで拵えているというヴェジラーメンの銀で、12ドルくらいだったでしょうか。

 

他のはだいたい16ドルとかそんな感じでしょうかね。

これに唐揚げとか餃子とかつけてたら一人20ドルは軽く超えそう。

 

今時の学生はお金持ちなのか、それとも学生はここには滅多に来ないのか、どうなんでしょう。

 

誘ってくれた友人はトロントでも日本のチェーン店のラーメンを食べてきたとかで、そっちの方がスープの味に深みがあって美味しかったとか。

 

でもそっちの店のサイトを見たら、全体に値段がプラス4〜5ドルくらいで、ヴェジのラーメンでも17ドルとかそんな感じでした。

 

うわー。

 

ラーメンって五百円くらいのものだと思っていましたから、びっくり仰天ですよ。

日本でも流石にもう五百円じゃラーメンは食べられないでしょうか?

 

 

 

値段はさておき、このラーメン、白味噌のスープで、金と銀の違いを聞いたら「金はリッチなフレイバーでちょっと塩気が強め、銀はちょっとライトなフレイバーで塩分は控えめ」とのことでしたが、しっかりしょっぱかったです。

でもラーメンだし、そんなもんかな。

スープ飲んでるうちに塩気が舌に残るというか、疲れてきますよね。

 

麺は太麺、でもあんまり好みではなかった。

太麺も細麺も好きですが、なんだか麺がブツっとした感じで腰がなかった(茹ですぎた感じではなくて、元々腰のない麺?)

 

偉そうな批評してますが、ラーメンってジャンクフードだし、安くてまあまあそこそこ、ていう感じで良い気もします。

 

ただここまで値段ふっかけられたらもうちょっと美味しくしてよ、って気もしますが、物価高だし家賃も高い立地でやってんだからこれくらい取らなきゃやっていけないということでしょう。

 

 

 

映画、Le Dep観ました

 

Depというのは、dépanneur(デパナ)のこと。

ケベック州の言葉で、いわゆるコーナーショップとかコンビニとかそういうお店を示します。

本来はフランス語の単語ですが、フランスではこの単語はもはや使われていないし、言葉そのものの意味合いも変化してきたようで、コンビニのことを意味する言葉としては使われないそうです。

 

映画の内容とは関係ありませんが、「デップ」という言葉、短くて楽ですから、英語で話す人々の間でも「ちょっとコンビニエンスストアへ行ってくる」の代わりに「ちょっとデップへ、、」と言うふうに日常的に使われてます。

ケベック州以外では通じないと思いますけども。

 

 

オフィサルサイトに載っていたあらすじの私訳↓

Le Depはケベック州の片田舎にある先住民族の小さなコミュニティで、父親が経営するデップで働く若いイヌの女性リディアを描いた心理ドラマ。ある夜、彼女が店を閉める準備をしていると、覆面をした強盗が店に入り、彼女に銃を突きつけた。このトラウマ的体験は、リディアが強盗の素性に気づいたとき、さらに深い傷を曝け出すことになる。やがてリディアは、彼女の人生を永遠に変える決断を迫られることになる。

 

この「彼女の人生を永遠に変える決断」と言う書き方にはニュアンス的に違和感を感じますが、コンビニ強盗の話かと思って見始めたらかなり別のお話で、結末も予想とは別のものだったことは確かです。

 

 

youtu.be

こういう、ガソリンスタンドに併設されたデパナって北米あるあると言うか、どこの田舎にもある風景ですよね。

 

そして、経営時間の長いデップ、周囲に何もなかったり夜遅くで人目につかなかったりと言う条件が揃うので、強盗が起こりやすい商売でもあります。

 

モントリオール市内でも、結構小規模の強盗事件がちょこちょこと発生します。

学生の頃に授業の一端で見学に行った未成年裁判所での裁判はコンビニ強盗の一件でしたし、夫がずいぶん前に住んでいたアパートのすぐ近所のデップでも、夫がいつものようにビールを買いに入った折、ちょっと雰囲気の怪しげな人物が店内にいるなあと思いつつ、お金を払って店を出たら、その直後その人物による強盗が発生したんだと後日店主に言われたんだとか。

 

オンタリオ州でコンビニエンスストアの経営をしていた知人も、「先週ショットガンを持った強盗が来た」とかそう言う話をしていましたし、「こんなに低収入なのに命の危険が大きい職種はこれ以外ないと思う。移民はコンビニエンスストアの経営をする人が多いけど、他にもっと良いチャンスが見つかったら速攻でこの業種から撤退したい。」と。

 

 

お話は、父親が経営するデップで店番をしている若い女性が、父が雇っているスタッフが遅刻するしドタキャンするし当てにならない、だから自分が代わりにシフトに入ってるけどなんとかならないものか、みたいな会話から始まります。

 

ケベック北部のファーストネイションズのコミュニティでソーシャルワーカーをやってる知人によると、やはりこの「ノーショウ」はよくあることで、アルコール依存や薬物依存の問題などは深く広く、なかなかスムーズにはいかないんだとか。

 

ファーストネイションズの人が皆そうだということではなくて、そう言う問題がある、と言う話ですし、迷惑してると文句言っているこの登場人物もファーストネイションズの人ですけどね。

 

ヨーロッパからの移民がカナダ全土に侵略し先住民を追い出したり、カナダ建国後は同化政策を進めたり人種差別的な構造が続いた結果、多くのファーストネイションズのコミュニティは伝統的な民俗伝承の営みが断絶され、貧困、薬物依存、家庭内暴力などといった問題は深刻です。

 

この作品はそういった社会背景を前提に、薬物依存からコンビニ強盗をする若者が登場しますが、次第にその薬物依存は負の連鎖、トラウマの連鎖の一環だと言うことが明らかになっていきます。

 

 

Le Dep (2015、Sonia Boileau作品)

en.wikipedia.org

薬物依存や家庭内暴力の問題自体、どこのコミュニティであれどんな人物であれ、負の連鎖という点はファーストネイションズに限らないですけれど、彼らのこういった社会問題の根底にヨーロッパからの入植者たちによる人種差別的な構造的な文化の破壊という歴史があり、現在もこの問題の解決はなかなかすすんでいません。

 

日本でも先住民差別は存在しますが、現在でも差別的な発言をする政治家なんかもいるみたいで、なんでそこまで差別意識が根強いのかよくわかりません。

 

 

自分と違う国とか文化圏の出身というだけのことなのにね。


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