インターナショナル・ランチョン
職場で毎月一回、参加者の出身国の食べ物を作ってみんなに紹介しよう、というのをやってます。
一月から始まったこの試みは、ギリシア、メキシコ、中国、ユダヤ(国じゃなくて民族の伝統料理)そして先日はジャマイカの食べ物を、美味しく楽しく頂きましたよ。
私が日本出身なのでジャパンをリクエストされそうになるのですが、毎回うまく避けております。
だって寿司作れとか言われたくありませんもん。
こっちの人が知ってる寿司はかなり北米的食の好みに迎合してて、これを作って食のステレオタイプというか勘違いに迎合したくないという気持ちもありますし、では本格的な和食を作ったとて、多分口に合わない人の方が多そうですし。
昔から日本から来た留学生達がよくやる日本のカレーライスだとかちらし寿司だとか、欧米人ウケの良い子供向け日本食みたいなものはないわけじゃありませんけれども、別にそんなもの作りたくもないし。
それより私は色々な国のまだまだよく知らない食べ物を知りたい!
というわけで、毎月「今月は***の食べ物ですよ」と告知するたびに、例えば中国だったら「チャオメイン?ジェネラルタオチキン?」などとカナダのレストランのメニューの枠内に限定された予想が飛び交うのですが、今月のジャマイカも「ジャマイカン・パティ?」とか「デザートはガンジャ?ワハハ」とか、多様性とかよその文化圏への好奇心とステレオタイプ、思い込み、若干失礼な発想、というのは本当に紙一重なのかなと思う反応が。
カリブ海の島々の食べ物もモントリオールにはあちこちにお店があって、あれこれ食べることができますが、レストランで出せる一般ウケが良さそうなものや値段をつけやすいもの、北米化させたものがメニューの上に載っているわけなので、彼らがお家で食べてるもっともっと幅広く興味深く美味しいものを知るチャンス。
というわけでジャマイカ出身で料理大好きなクライアント氏が準備して持ち込んでくれたレシピは、なんとヴィーガンメニュー。
ジャマイカン・ライス&ピーズ
アキとカラルー
マンゴーサルサ
プランティーンを揚げたもの
ヤム、スウィートポテト、プランティーン(多分全部茹でたもの)
という組み合わせ。
おいしうございましたよ。
アキ(カリブ方面のフルーツ)といえば塩漬けにした魚と合わす食べ方ばかり紹介されているので諦めてましたが、野菜と合わせた一品で初体験できて、私は幸せです。
アキはモントリオールだと生のものを入手することはできないので缶詰を使うしかないらしいのですが、有毒な部分を取り除いて処理しないといけないらしいので、知らないで生を手に入れてしまうよりは缶詰で安全に挑戦できるのが却って良いでしょう。
ピーズかビーンズか
ジャマイカン・ライス&ピーズは美味しかったし材料も簡単に手に入るしやってみたいと思ったんですが、このライスと一緒に調理するピーズ、これ実はピーズじゃなくてキドニービーンズです。
なぜピーズと?
と気にはなりますが、まあいいや、美味しいから。
大体ピーとかビーンズとかいちいち面倒くさい区別しなくっても良いじゃないですか、ね?
チックピーは別名ガルバンゾビーンズですし、名称としての区別と植物の種類としての区別は必ずしも同じではないので、気にしない気にしない。
Ackee(アキ)はかなり柔らかくて繊細で、炒める時に崩れてしまいやすいようです。
そっと、そっと。
缶詰とはいえ結構高額(一缶10ドル)でした。
プランテーン
たまにお店で見かける真っ黒いバナナみたいなやつ、あれは熟してて甘くなってて美味しいんだそうです。
カリビアン料理を作るユーチューブも結構存在しますが、そういえば英国のヴィーガンユーチューバー、レイチェル・アマさんもカリビアン系でした。
このエピソードではライス&ピーズじゃなくてキヌワ&ピーズを紹介してます。
一般的なジャマイカのレシピだと白米なんですが、白米は要するに全て栄養価をもぎ取って炭水化物だけが残ってるような代物なのでどうしようかなと思ってましたが、米じゃなくてキヌワにしちゃったんですね、レイチェルさん。
おまけ
カリビアンの料理といえばゴートの頭のスープとかゴート・ロティとか肉料理が知られてますけれど、レゲエで知られるラスタファリアンの皆さんはヴェジタリアンなんですよね。
今回ジャマイカのレシピを探してて知ったんですが、ヴィーガンにかなり近い植物ベースの料理をital cookingと言い、”Ital is vital”なんて言うんだそうです。
だから、Ital soupというと、野菜スープってことなんですね。
こんなに食べるものがあるんですよ〜