食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

ドライ・ウォール、そして運動と破壊行為

これは常設展の展示物ですが、注目は背後の壁。ドライウォールとプラスターの技術駆使ですね。
壁と天井

台所の作業は一旦終えましたが、実はまだ扉を塞いで壁にした部分の廊下側の仕上げ(周囲の壁と同じ仕上げにしないともろ「ツギハギ」状態なので)と、あとバスルームの天井と壁の修復があります。

で、壁をきちんと作る技と道具などをMさんに教わったことだけでなく、YouTubeでも情報収集中です。

実際誰もが同じことを言ってる事柄と、人によって若干アプローチが異なることとあって、一つの説明だけでじゃあそれやる!というわけにもいかない感じで。

 

YouTubeは簡単そうに「こうすれば、こうなります」って見せますけど、実際にやってみるとそうはいかないこともあるし、なるべく現実的に確実な手段でいきたい、けれど、知ってたら助かるコツも結構あるし。

 

最近YouTubeのリンクを貼ってもサムネイルが出てこないんですけど、なぜだろう。

下の二つのリンクは住宅のリノベーションのあらゆる作業について細かく教えてくれる親切なおじさんのビデオで、プラスター(マッドともいう)の使い方のコツなど、今すぐ壁に向かい合いたくなることがてんこ盛りです。

youtu.be

youtu.be

一つ二つドライウォールのビデオを見たら、お勧めにじゃんじゃん色んなユーチューバーによるドライウォールのコツビデオが並ぶので、あれこれ見て「この人もこれ言ってる、あの人も同じこと言ってる」と確認してみたり。

 

それにしても、真っ直ぐの壁や天井にプラスターを塗るのも大変なのに、円形の窓に沿った壁、しかも上側は二重構造?になってる冒頭の写真の窓、この小さな部屋の正面と両脇の三面についてるんですけど、腕の良い職人さんが担当したんでしょうね、すごく綺麗でした(作品よりそっちに目がいく。)

 

再びMMFA

また観に行ってきました、Berthe Weill展、Musée des beaux-arts de Montreal/Montreal Museum of Fine Arts.

www.mbam.qc.ca

同じのを観たはずだけど、印象に残っていなかったり、インパクトの強い絵画をたくさん目にするから、全てをきちんと受け止められていないことは多いですので、もう一度見に行って、前回流した部分も見直そう、と。

 

Weillさんがプロデュースしたアーティストの中にはかなり有名な方もいて、来館者たちも「おお、これマティスだ」「おおお」という感じで有名どころの作品の前に来たら見つめるエネルギーがググッと上がったり。

 

そしてピカソの作品が並んでいる部屋に入ったら、とある壁面に白い枠が。

木の枠だけ貼ってあって、横にはコピー紙に仏英で何か連絡事項がプリントされてます。

 

大泥棒が盗んでった?

 

なんて思ってその連絡事項を読んだらば、ふむふむ、六月十九日の出来事のため、ここに展示されていた作品をお見せすることができません、とな?

 

六月十九日の出来事って何?

 

気になったのでその場でググってみましたら、なんと、六月十九日の午前中に環境アクティビストがやってきて、絵画にピンクのペンキを投げつけたと。

 

そういえばそういうバンダリズム・アクティビズムというんでしょうか、そういうやり方が最近たまにニュースになってます。

 

それがおらが町の美術館で巻き起こったとは。

 

MMFAのメッセージは敢えて誰が何をしたかに触れていません。

日付だけ。

 

日付と美術館の名前だけで検索したらいくつも出てきた 

ピンクのペイントをピカソの作品にぶっかけたのは、ある環境団体の支持者の青年で、彼と後二人同行してその行動のビデオや写真を撮影したと。

 

実行犯は逮捕され、後日法廷に出向く予定になっているけど仮釈放中で、同行した二人は特にお咎めなしみたい。

 

実行犯が属している団体は、彼の言葉としてこの行為を通して伝えたいメッセージを発信しています。

アートを攻撃しているわけではなく、むしろ保護しているのだ。

アートの真髄は生きとし生けるもののために命を表現することであり、死んだ惑星には存在し得ない。地球が滅んでしまっては誰も生き残れないのだから、政府が環境保護を優先するように働きかけているのだ。

globalnews.caどうなんでしょう、ショックを与えるという効果を狙うなら、そりゃあショッキングですけど、この行為によって連邦政府にいる人たちが「もっと環境保護を優先する政策に切り替えていこう」と影響されるとは思えないし、市井の人々が「そうだそうだ、もっと環境問題を優先する政党に票を入れよう」と思うとも考えにくい。

 

政府がもっと環境問題をきちんと捉え、制度を改めてほしい、というのはわかるのですけれども、それを訴えかける手段はきちんと選んでほしい。

目的のためには手段は選ばないのだ、っていうのはあまりにも乱暴。

 

環境保護のために全身全霊を打ち込んで、他の全てを犠牲にする、みたいなすごくラディカルな考えに染まったこの若者は、真剣そのもので真摯な人みたいです。

 

一方で芸術作品を真剣に後世に伝えていこうとしている美術関係者だって、見にいく人々だって、やはり真剣。

 

環境問題と芸術の両方を大事に真剣に受け止める人たちは大勢いて、この二つが交わるところで活動する人たちだって存在するのだから、片方をもう一つの目的のための道具に落としこむやり方っていうのは、認識を広めて理解者を増やしてみんなで力を合わせようという方向から逆行しています。

 

保護対策

作品はキャンバスの上に一枚のガラス板が嵌め込んであったそうで、キャンバス自体には害は及んでなかったようです。

 

この後、会場内にかかっているピカソの作品を眺めながら、一枚ずつちょっと斜めから見たりしてライトやこちら側の何かが反射しているのを確認しました。

 

ピカソ級の作品ですから、そりゃそうか。

 

照明の角度などもきちんと調整してあるし、じっくり探さないとガラスの存在はほとんど気になりません。

 

他のアーティストの作品もいちいち斜めから見て「これはガラスが入ってない」「これは入ってる」と確認しながら鑑賞したんですけど、万が一ガラスで覆われていない作品が被害にあったら、「洗えるペンキを使った」と言ってますけど、100年前の古いキャンバスと古い絵の具の表面をゴシゴシ洗うわけにはいかないでしょうし、保護団体がすることじゃないですよ本当に。

 

先日は欧州のどこかで観光客が展示作品の椅子に座るフリして写真を撮ろうとしたらお尻がすとんと椅子の上に落ちちゃって、椅子が壊れてしまった(そしてその男性と同行者は慌てて逃げちゃった)という報道がありましたが、美術館に行くと、たまに「あ、それは触っちゃダメなんだよ」「ガラスケースに寄りかかっちゃいけないよ」とハラハラする人もいます。

 

警備の人がささっと登場して「下がってください」「寄りかからないでください」って注意しますけど、本当にどこにそういうウッカリびっくりするようなことをする人が潜んでるかわからない。

 

それでも美術館は塀とかケースを設置しないで多くの作品のすぐ近くまで寄って行けるようにしててくれてるのはすごいです。

もちろん重警備の向こうにポツンと展示されてるモナ・リサみたいなのもありますけど、あれだって盗まれる前まではそんなふうじゃなかったはず。

 

この日は前日の残り物

残り物の夕飯はチンしたファラフェルとご飯に、フムスとサラダ(はホットペッパーのピクルスと胡桃を混ぜてカサ増やし)

ファラフェルは揚げたてが一番(あと20個、揚げずに冷凍してあります)


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