食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

ヴィーガン入門 101・心の準備編

f:id:casse-pied:20180930130407j:plain

図書館の片隅に「ヴィーガン」関連コーナーができてました。貸出カウンターの前で脚光浴びてるメイン・ディスプレイは先週からフランス語学習コーナーです(その前はLGBTQ特集でした)が、こちらはちょっと小さめ。でもこうやってディスプレイを作ってもらえるとちょっと嬉しいですね。

 

 

金曜日の仕事帰り、久しぶりに会う友人を訪ねて、彼らのオフィスをおとづれました。

 

そこには南米アルゼンチン出身の学生、Cさんが勉強の合間にお手伝いにきています。

Cさんは最近になって、乳製品が体内で処理できない体質だと診断され、薬を処方されたという話でした。

 

乳製品を食べられないのはかなり辛いようですが、仕方ありません。

 

ちなみにCさん、ファクトリー・ファーミングが動物、環境、そして消費者の体に与える害悪に問題意識を感じて、以前からベジタリアンに移行しつつあるそうで、これに加えて乳製品も食べないとなると、ヴィーガン化?

 

アルゼンチンの食文化ってかなり肉偏重、乳製品も豊富だと思うのですが、そんな食文化育ちの視点からまず「ヴィーガンって、何を食べるの?」「朝食は何?」「どうやって始めたの?」「何年ヴィーガンやってるの?今でもハッピーでいられる?」「困ることってある?」など不安そうなCさん。

 

ヴィーガンに興味のある方が似たような状況からこのブログに遭遇することもあり得ますので、ちょっとまとめて見ました。

 

ヴィーガン入門101
1)移行期間を長く設ける

私の場合、ヴィーガンという目標ができたからではなくて、単に

「新鮮な魚が手に入らない土地に住んでいる」=日本帰省時以外は自然に魚類を食べたいと思えないようになっていたこと

「エビ養殖の環境への悪影響、労働環境の劣悪さ」=エビは10年ほど前にやめました

「バッテリーケージ・エッグの問題」=フリーレンジの卵を選ぶようになり、カナダでは法的にフリーレンジという表示には意味がないと知ってからはオーガニック卵に移行したものの、高価さにおののいて、食べる頻度や量が減って行ったこと

 

などと、かなり長期に渡って動物性食品の消費が徐々に減っていました。

買い物ひとつ取っても悩ましいことこの上なかったので「だったらヴィーガンになればいいのかっ!」と気がついてからは、冷蔵庫や食料庫にある動物性食品を使い終わるたびに次のものは買わないようにすることで移行していきました。

  

2)完全ヴィーガン化を目指すかどうかは自分の好みや状況次第

「チーズだけはやめられないのよ〜、だから私はヴィーガンにはなれないわ」っていう方がいらっしゃいますが、先述のCさんみたいに、乳製品が消化できない体の問題でもない限り、やめられないなら無理しなくても良いと思います。

 

じゃあヴィーガンじゃないじゃん、という話ですが、名称はどうであれ、ヴィーガンになりたいと思う動機や目的次第ですけれども、無制限に欲しいだけ摂取するのと、控える、というのとではやっぱり大きな差があると思うのです。

そこから始めて様子を見てみれば良いのではないでしょうかね。

 

大好きなものをいきなり諦めてしまったら、やっぱり辛くて、我慢の連続になり、そんな食生活は楽しくなくなります。

 

ヴィーガンかヴィーガンでないか、二択ではなくて、ヴィーガンを動物性ゼロ、動物性を毎食食べるのが100というスペクトラムの中であなたはどこらへんに居て、どこに到達したいのか、という見方をすれば良いと思います。

 

徐々にゼロを目指すのも良いですし、やっぱりチーズはやめたくない、と思うならそこは気が変わるまでそういうことにしておけば良いし。

 

他にも、昼ご飯をヴィーガンにしてみる、夕方六時以降はヴィーガンにする、週に一日だけヴィーガン、などなど、いろんなやり方で取り組んでいる方がいらっしゃいます。

 

健康のため、体が受け付けないため、という理由の方には当てはまりませんが、環境問題などが動機なら、長期間のパートタイム・ヴィーガン人口が増える方が完璧ヴィーガンをやる人が一人増えるよりもうんと有効ですし、完璧を目指すあまり辛くなってやめてしまうのならパートタイムで長期の方が無理なく続けられて体にも環境にも良いかも。

 

 

3 )レシピブログや本などをたくさん読む

情報収集、楽しそうなことを見て、いろんなレシピやお店を試して見たりして、楽しむことが必要、、、、楽しくなかったら苦行ですからね。

 

Cさんのような「チーズが食べたいけれど食べられない」状況になった人にとっては、市販のヴィーガンチーズを試しても「これはちょっと違う」と抵抗感を感じるかもしれませんが、チーズ好きなヴィーガンの方が開発したcheeseyなレシピを試してみるのも良いかも。 

 

 出版されてる本で気に入ってるのはVeganomicon

casse-pied.hatenablog.com

 

日本の本では、カノウユミコさんの野菜料理の本がとても意外で野菜料理の幅が広がって重宝します。

casse-pied.hatenablog.com

他にはメウノータのクックブックとか 

f:id:casse-pied:20181001053235j:plain

 

ブログでは大御所にこんなのとか、、、、

Vegan Recipes by Angela Liddon | Oh She Glows

Minimalist Baker | Simple Food, Simply Delicious

Vegan Richa - Vegan Food Blog with Healthy and Flavorful Vegan Recipes

https://itdoesnttastelikechicken.com

 

4 )  一緒に行動することの多い周囲の人々に理解してもらう

同居している家族とか、一緒に外食することが多い仲間に理解してもらうことは大事です。

私はこの点においては幸運で、大した努力は要りませんでした。

周囲に理解してもらえない場合などは、ヴィーガンブログなどで「どうやって周囲に理解をしてもらうか」ということを書いている方がいらっしゃいますから、やっぱり同胞のブログを探して知恵を拝借するのは大事でしょうね。

 

相手を説得したいあまりに、動物を食べることがいかに残酷なのか説明するとか、ファクトリー・ファーミングの真相に迫ったビデオなどを見せるのは基本的には逆効果だと私自身は感じますが、相手と自分の関係や価値観、人柄など、いろんな要素が関わることですから、ここら辺は慎重に、気長に取り組むしかないですね。

 

5 )他人に負担をかけない

ヴィーガンに必要な食材とか皆と一緒に食卓を囲む時に自分だけ別素材のものが必要になる場合は自分で準備しています。

 

外食に行く時には行く店が決まっている場合はそこのメニューを下調べしたり、電話して問い合わせたりして、ヴィーガナイズ可能かどうか調べたり、無理なら「チーズを入れないだけでヴィーガナイズできるサラダ」などを頼んだりします。

 

友人や家族に食事に招待された時は、「自分はヴィーガンなので、動物性のものは食べられず、例えばこういうものが食べられない」と説明し、相手に面倒をかけるよりは自分で持参するのが一番長期的に有効な手段だと思います。

慣れないうちは、友人も自分も「あ、そういえばこれってヴィーガンじゃないじゃん」という食材を使ってしまうこともありますから、最初から厳しく考えないことも大事かなと。

「ヴィーガンのあなたのために、これを作りましたよ」と言って例えば市販のマヨネーズが入ったものを出されたら、私はありがたくいただきます。

 

もちろん、アレルギーなどの方ならハッキリと伝える必要はあります。

 

楽しみながらヴィーガン・ダイエットを取り入れる方が増えたら素晴らしいことだと思います。

ネズミ講やマフィアじゃないですからね、入ったら最後、、、とかそういうことでもありませんし、気楽に楽しみましょう。

 

今日も 長くなってしまいました。最後までお付き合いありがとうございました。


ヴィーガン ブログランキングへ