食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

日本では日本以外の国の状況や人々がどう描かれているのか

ベンチの上にラップトップを使っている学生像、その横にGeorge Floydと落書き

ダウンタウン、マギル大学正門の向かいにあるベンチにはGeorge Floydの文字が

NHKのアニメが巻き起こした怒り

ひょんなことから、BLM(ブラック・ライブス・マター)運動について真面目にしっかりとした解説をしようと試みた日本語のYouTubeビデオを観ました。(リンクは一番下に)

 

 

その中で触れられていたNHKの問題ビデオ、と言うのが気になったのでググってみて、そして初めてそんな問題ビデオの存在を知り、かなり驚き&呆れたきゃすぴえです。

 

日本にお住まいの方はみなさんとっくにご存知ですか?

6月あたりの話みたいなので、知らないのは私だけ?

 

とりあえず参考までにビデオのリンク入りのジャパンタイムズのリンクをつけておきます。

 

www.japantimes.co.jp

  

短いビデオなので全部見ましたが、びっくり仰天して開いた口が閉まらない状態です。

 

 

酷い。

趣味悪い。

制作側の良識を疑う。

 

 

批評してる人たちの多くが、このアニメは黒人社会と白人社会との貧富の格差の説明にとどまっていて、問題の根幹にあるアメリカ社会で制度化されている人種差別について一切触れられておらず、しかも解説するメインキャラクターがガラの悪い兄ちゃん口調で「黒人とはこんな感じ」と変なステレオタイプを作り上げている、その上BLMについてもそれが再燃したきっかけであったジョージ・フロイド氏殺害事件についても触れられておらず、見た人が黒人社会への誤解を深めることに繋がるだけ、と言う点を指摘しています。

 

このNHKの番組で日本に住む人々がBLM運動の背景やアメリカに住む黒人が生きている現実についてきちんと理解できたのかどうかは知りませんけれど、テレビ番組一つ見ただけでわかったつもりにならず、ぜひともいろいろな情報源から(できれば公正で質の良い情報源を選別して)この問題についての全体像を理解する人が増えて欲しいです。

 

 

日本における「ガイジン像」って?

このNHKの番組は毎回日本の外で巻き起こっているニュースについて日本に住む子供達にわかりやすく解説すると言う趣旨なんだとか。

このアニメはその番組の中のほんの一部なんだとか。

 

この回はBLMについてでしたが、別の回ではシリアの難民の問題とか、他の人種の人々についての解説があり、そこに出てきたアニメではやはりシリアの人たちがバカにされたような描かれ方がされていて、このアニメは一貫して人を馬鹿にしたようなフザケたノリなのがスタイルなんだとか。

だから、黒人差別と言う意図はないんだと、そう言うことを書かれている方もいました。

 

黒人だけを対象として差別意識を盛り込んだわけじゃないんですね。

どこの人達に対しても馬鹿にしたようなステレオタイプを盛り込んだ悪趣味なアニメなんですね?

 

 

なぜそんなスタイルを選択するんでしょうか。

 

NHKと言えば、国営放送、日本のお役所的な放送局。

だから番組中に例えばコカコーラ等を持ち込む場合はブランド名がバレないようにロゴや配色を隠したり、公正をとことん追求して見せる局ですよね。

 

そんな局が、他人種や他文化を小馬鹿にしたような描き方をしたアニメを挿入する意図は?

 

そこまではっきりとした認識があってこう言うアニメを入れているのかどうかもわかりませんけれど、意図して使っているならその意図は不可解で悪趣味、きちんとした思考を経ないでこう言ったアニメを使用されているのなら、お粗末この上ない。

 

 

ずいぶん前、漫画家のヤマザキマリさんが書いていらっしゃったんですが、「日本のテレビなどで外国人がインタビューされている場面を観ると十中八九その外国人の回答の吹き替えの日本語はタメ口になっている。まるで外国人は初対面の日本のテレビ局のインタビューに答えてるのに敬語を一切使わず、馴れ馴れしい口調でしか話さないかのような誤解を、日本人の視聴者に与えてしまっているのではないか」と。

 

これを読んだ時、あ、本当だ!と思いました。

 

「外人ってこんな感じでしょ」って言うノリの、日本の人たちによる、日本人以外の人たちに対する思い込みでよく聞くが、「ガイジンって、、、

 

  • フレンドリー(馴れ馴れしい)だよね
  • 敬語ってないんでしょ、丁寧語ってないんでしょ
  • ズバズバ思ったことを言うんでしょ
  • 単純思考だから嬉し泣きとか泣き笑いとか、そう言う込み入った感情はないんでしょ
  • 怒ると怖いんでしょ(暴力的でしょ)←バイオレンス映画の見過ぎ?
  • そう言う国民性なんでしょ

 

いや、あちらもこちらも人間ですからね、そんなことないですよ、と言うんですけれども、一旦定着してしまった思い込みはなかなか消せません。

 

 

カナダに来た日本の旅行者や、カナダで短期語学留学した日本の学生とか、日本に滞在してるカナダ人と仲良くなった人たちによく言われるのが「カナダ人て優しいよね、日本人に似てるよね」

 

要するに「優しくて礼儀正しい良い人たち」ってのは日本にしか存在しないと言う潜在意識があって、「この人、優しくて礼儀正しくて良い人じゃん、日本人みたいだね」ってことでしょうか?

 

カナダに限らず世界中には「日本人みたいな」人たち、沢山いますよ〜。

詐欺師みたいな人間もいますけど、日本にもそう言う人はいます。

 

敬語とは呼ばないけれど、丁寧な表現を使う場面は沢山あるし、人々はお互いに敬意を示して相手を尊重して社会生活がスムーズに楽しく進んでいくように心がけていますよ。

 

 

外国語を日本語に訳す時にタメ口に訳すのをやめて、丁寧語で訳して見ると、印象が変わるはず。

テレビの吹きかえの台本を訳している人々には丁寧語を使う権限が与えられてるのでしょうか。それだったら丁寧語に切り替えていただきたい。

 

 

テレビ局は安易なステレオタイプを乱用するのをやめて欲しい。

 

 

話をBLMに戻します

Black Lives Matterと言う運動自体は2013年に始まったものです。

 

今年再燃したのはジョージ・フロイド氏が警官によって殺害された事件のビデオがSNSで広がったのがきっかけ。

フロイド氏の事件の前後にも警察に不当に尋問・逮捕されて殺害されたり、差別主義者によって殺害された上犯人が有罪にならなかったり、黒人の命は大切ではないと警察や国家権力が匂わせているかのような酷い事件が何度も繰り返されてきました。

 

日本では世界史で「アメリカの黒人奴隷制度」「南北戦争後の奴隷解放」「黒人と白人を隔離する政策」「公民権運動とマーチン・ルーサー・キング牧師」など習ってて皆さんご存知だと思うのですが、現代でもシステミック・レイシズムと言って、目に見えないところで制度的に黒人市民が差別され貧困に追いやられている現実があります。

 

 

アメリカ史の専門家に質問するなどしてBLMについて日本語で解説して理解を広めようと言う試みのビデオを見つけたので、こちらに貼っておきます。

 

八十分くらいのビデオで、黒人差別の歴史のことを復習するには良い資料かなと思うのですが、音質が悪くて正直聴き続けるのがちょっと辛いですが。

youtu.be

 

 

 

 


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