食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

災害と停電、非力な市民にもできること、次への備え

庭にアライグマ出没。見えますか?
災害と、渦中で非力な市民

もう一度だけこの話題にお付き合いください。

 

先週水曜のアイスストームは、写真やビデオで「うわ!見てこれ、すごいね、怖いね〜」と、メディアにとっても報道しやすく見てる人たちにもわかりやすい災害でした。

 

住んでいる我々にとっては、その後も続く停電のため、普段の生活から放り出されて先が見えないまま踏ん張っていかなきゃいけないという状況でしたが、停電で大変らしい、というのは目に見えにくく報道価値が下がる様子。

 

日本の家族にやっと連絡が取れて、こういう事情なんだよと手短に書いて、わかりやすいかなと写真を2枚ほど添付してみたら「寒そう!怖いね!でも無事で良かった!」という返事がありました。

 

気候変動でおかしな天気が繰り返される昨今、アイスストームの翌日には気温も上がり、電線や木の枝の氷が緩み、地上に落下し始め、二日後には溶けて濡れていた路上もすっかり乾き、写真から受ける印象とは一転して天気の良い春めいた様子に。

 

 

倒木の下敷きになったわけでも飢えてるわけでもないので無事といえば無事。

生活が狂ってる状態が延々と続くだけなんですが、それでも停電三日目ともなると、家の中は寒いし不安だし、この状態がいつまで続くのか、と気持ちがネガティブになりがち。

結構きつかったー。

 

 

一方、同じ市内で昨日までは同じ環境にいた人たちも、自分ちの電気が復旧すればやっぱり喉元過ぎた感じで、カラッと忘れて先へ進んでいっちゃう感じ。

 

ネットで確認するのに使っていた地元新聞のサイトも、金曜の時点ですでにトップニュースはガラッと変わり、停電が続いている地域に関する報道は下の方へ。

「まだ私たちここでヒーヒー言ってるよ〜、忘れないで〜」

という気持ちも。

 

 

現在は我が家もうちの通りのご近所さんたちも電気が復旧して生活が戻りましたけれど、ハイドロケベックの地図を見ると、月曜現在もまだ復旧していない地域があちこちにあります。

 

復旧していない地域は修復しずらい技術上の問題があるとかで、時間がかかるらしい。

復旧作業の優先順位は「その区域で停電の影響を受けている顧客数が多い所」からだったらしいので、現在取り残されている地域で影響を受けている戸数は比較的少ない(下の地図参照)んです。

 

でも周り中が復旧してやれやれ良かったね〜、という会話をしている横で、まだまだ停電生活が続いている人たちはそれこそ置いていかれている心境になるでしょう。

 

終わりが見えないと不安です。

早く残りの区域も復旧して欲しいし、大多数が復旧したからと彼らを取り残してはいけない。

Hydro Quebec のサイトで見られる Power outage map。当初は真っ赤っかでした。


今朝のラジオのニュースで聞いたのですが、「停電した日数分のリベートを受け取れるリンク」というのを送りつけるフィッシング(詐欺)行為が横行しているのだとか。

 

何百万人もの人たちが停電被害に遭いましたから、そのうちの何割かでも「停電していた間の基本料金を返せ!」と感じていてそういう詐欺に引っかかる人がいる可能性はありますね。

それを狙った悪い奴がいるのですね。

 

 

防災キットを

日本に住んでいる人々が地震に備えて非常用避難袋みたいなものを用意しているように、うちも万が一の時のためのキットを揃えておこうと思いました。

 

寒かったとか不便だったとかいうことだけではなくて、こういう状況に陥った時にいかに自分が非力か、何も備えがなかったか、という部分もかなりこたえましたから。

 

家中のあらゆるものが電力なのがいけないのだ、という考え方もありますが、今更ガスに切り替えるのは現実的ではない(うちの通りにはガス管が通っていない)し、環境問題を考えてもガスやオイルに転向する気にはなれない。

 

気候変動に伴い、フリージング・レインの頻度は上がってきていますし、数時間の停電は割とありますので、それを切り抜ける程度のバッテリーや、もしも停電が長引いた場合のための発電機を装備するくらいはしておこうかと思っています。

 

今回気がついて反省したのは、我が家のラジオが全部壁にコンセントを差し込んで電力を得る形式のものだったこと。

乾電池や手動で発電できるタイプのものを一つ買っておこう。

 

あとは、常温で保存できる保存食も用意しておかねば。

 

実は去年あたりから、カナダの家庭あるあるの巨大な冷凍庫をうちも一台地下室に置いておこうかなー、と思っていたんです。

買い物が苦手なのでなかなかその計画が進まなかったため、停電の時点で巨大冷凍庫は所有していませんでしたが、停電3日ともなると、溜め込んだ冷凍食品が全て無事かどうか、という不安も出てきます。

 

うちは肉製品がないので基本的にあんまり心配はしなかったんですが、それでも冷蔵庫いっぱい、冷凍庫いっぱいの食品が無駄になるのは避けたいこと。

 

 

どんなに防災非常袋を用意しても、社会の一部分に暮らす個人にできることには限りがありますけれど、できるだけのことはしておかねば。

 

 

1998年1月のアイスストームと違い、今回は4月で良かった、と州知事は言いましたが、どうなんでしょうね。

もうちょっと暖かい季節だったら室内が冷えて辛いということにはならなかったでしょう。

でもそしたら冷蔵庫の中身を箱に入れて庭に出しておく(外気の方が冷蔵庫よりも低いから)という技は使えませんから、食べ物は全部無駄になったかも。

 

1月のアイスストームの当時は二重の窓ガラス(別々の窓が二重に設置してある)の間に冷蔵しておきたいものを入れておくという技を皆さん使ってましたが、現在は窓は一つでガラスの部分が二重になっているものが主流だから、この技は使えません。

 

 

庭に出した箱は蓋がきっちり閉まるタイプでしたけど、最近のアライグマは賢くてかなり器用らしいと聞きます。

 

 

肉が入ってたら荒らされていたかも?

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