食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

バックカントリー、キャンプサイトなどなど

遠目にはわかりませんが最高のキャンプサイトだった島
バックカントリー・キャンプ・チャレンジ

数年前にアルゴンキンに行った折には、すごいなーここ、バックカントリーみた〜い、と思ったものですが、それでもQueticoと比べると結構手取り足取りな公園だったんだと今回実感しました。

 

大きな違いは;

1)アルゴンクインは都市部に比較的近い(トロントからだと四時間かかるかどうかくらい)ので訪問者が多く、同じ湖畔に複数のキャンプサイトが準備されていること。

 

それゆえにうるさいグループなどが近場にキャンプしていると、大自然の中でゆっくり、、と思っていると夜中に酔っ払いの喚き声や歌声(がなり声?)が聞こえてきたりすることもある(運が悪いと、、、でしょうかね。)

 

一方バックカントリーカヌーに来る人は比較的少なく、Queticoは文明圏からも遠く(Thunder Bayから二時間、トロントやモントリオールからは十七〜八時間、レジャイナからでも十一時間)訪問者数自体が少ないため何日も誰とも遭遇しないということも。

 

2)アルゴンキンはキャンプサイトやポータージュがあらかじめ指定されていて、各サイトにはトイレ設備*があり、ポータージュやキャンプサイトには色付きのマークがしてあるため、探して迷って時間を無駄にして夕方波が大きくなって焦る、ということがなく予定を立てやすい。

 

*トイレと言っても地面に深い穴が空いていて、そこに座るのにちょうど良いサイズの木箱が設置され、座るところに穴があり、用を足した後に蓋をできるようになっているもの。これがキャンプサイトのテントを貼るのに良さそうな広い場所からちょっと離れた茂みの向こう側あたりにあります。ものすごく親切と感じるか原始的で落ち着かないわと感じるかはあなた次第。

 

一方バックカントリーでは、サイト表示はなく、どこでも自分たちが良いと判断した場所でキャンプすれば良いだけなので自由ではあるとはいえ、どこに良いサイトがあるのかは見つけてみるまでわからないので湖畔をあっちこっちカヌーで漕いで行っては上陸して様子を見て「ここはダメだ」「ここなら良さそう」といちいち判断して回る必要があるので時間がかかる。

 

とはいえQueticoも州立公園なので、定期的にメンテナンスが入っているようで、森林火災や嵐の後など、倒木を切り分けてあったりはします。

 

それでもキャンプサイトの整備などは極力放任主義みたいで、かつてここはキャンプサイトとして使われていただろうと思われるけれど、最近利用者がいなかったんだろうなあ、草ボーボーになってるし〜、というサイト跡地もいくつか。

 

サイトになっている、というのはどういうことかというと、キャンプするのに良い条件の土地に来た人たちが倒木を動かして座れるベンチ状にしてあったり大きな石を集めてファイヤーピット(焚き火をするところ)を作ってあったり、テントを張れるような平らな場所があるところ.

そこを見つけて良さそうだと判断したグループが利用して行くため、ファイヤーピットや平らな地面が雑草に覆われておらず、次に誰か来たときに使いやすいということだと思われます。

 

トイレはないので、大便は地面を6インチ以上(14〜15センチくらい)掘って、そこにして、後は土を被せておきます。

そうしないと排泄物や紙が湖に流れてしまうと水が汚染されてしまいます。

湖の水はカヌーイストや釣り人の飲み水であるだけでなく、魚をはじめ水の中の生き物や植物が生き続ける環境でもあるので、排泄物の処理をするのは大切なマナーです。

 

今回カヌーを借りたアウトフィッター(カヌートリップに必要なものを準備するのを援助してくれるサービスのことをアウトフィッターと言います)のお兄さんは、排便の際紙はその都度燃やしてくれ、と言っていたんですが、松や杉の木の多い公園内、地面には燃えやすい松や杉の枯れ葉や枝がビッシリ落ちている上、土を掘っても根っこがそこここにあるので、土を掘った中で何かを燃やすというのは森林火災のもとになると判断して我々は燃やさずに土に埋めました。

 

森林火災が燃え広がる経路の一つとして、根っこのネットワークはかなり大きな要因で、実際私たちが訪問した大きな湖の中にあった離小島の一つにも火災で燃えてしまった島があり、対岸の火事の場所からかなり離れていて(しかも間には湖の水)それでも引火するっていうのはやっぱり根っこ?それとも風で?と推測しながらも森林火災の怖さを思ったのでした。

 

森と一口に言っても立ち枯れした木があちこちにある部分や苔むしてたり松葉が落ちてふわふわな地面だったり、岩だらけだったり木の根っこが張り巡っていて寝床には不向きだったり、木が無ければないで日陰がなさすぎたり、木が多すぎればテントを張る空間がたらなかったり、障害物がなくても斜面になっていて寝るには不向きだったり。

 

湖の上から陸地をさっと眺めると、水面と陸地の間に大きな岩が出っ張っていてさもキャンプしやすそうな場所があるんですが、実際に近づいてみると岩のすぐ向こうはぎっしり木々が茂っていてテントを張れないとか、よく見てみると茂みの向こう側にひらけた部分があってテントも張れそうだとか、良さそうな空間だけどよく見るとすぐ傍に湿地帯があって虫が多そうだとか、色々と注意するポイントがあります。

 

あと、立ち枯れした木のそばにテントを張らないように、とも注意されました。

松や杉の根っこって思いの外浅いので、倒れる危険は常にあるようです。

根っこごと倒れてる木もたまにあります。根っこが地面近くを張り巡っている様子がわかります。

 

通過する予定だった区間が事前情報と違って流れが急で危険なため大きく迂回して予定外の湖を通ってきたため夕方になり、その上その湖には我々に適したキャンプサイトが見つからず、とはいえ別の湖に行くには時間が遅くなってしまい、急遽あまり良くないサイトの中から妥協できるところに上陸してキャンプしたことも。

 

午後になると風がでてくるので波が荒くなり、大きな湖を波に逆行もしくは横波になりながら進むのは危険だしものすごく体力を使います。

 

テント一つだけだったら妥協しやすいサイトも結構ありますが、大人数でテントの数が多い場合は朝早く出発して早いうちにキャンプするサイトを決めるべきだということも実感しました。

二日目に選んだキャンプサイト。西側に面していたので夜遅くまで西陽が差し込んでいた。

 

二人用テント二つと一人用テント一つを設営するのである程度広くないといけない。

 

ここは水面に張り出した半島で風当たりが強く虫が少ないサイト。

 

この日見つけたサイトは広々しており、我々のテントはウォーターフロントプロパティでプライベートビーチ付き。テントの向こうは岩でなだらかな坂が水面まで続く。

写真左手↑にはブルーベリーの茂みがちょこっとあるんですが、テントを張ってから気がついた私。

 

ぎょぎょ、熊が食べにきたりしたら嫌ですよ。

 

慌てて食べごろな実を取って食べましたけど、結構たくさん成ってるんです。

一人じゃ食べきれないからみんな手伝って、と言ったら「熊が怖いんでしょ〜、ワハハ」と笑われましたけど。

 

こういう場合はブルーベリーを楽しんで行ってもらうべく美味しそうなのを残しておく方が良いのか、はたまた「ち、ここは食べごろの実がないな、あっちへ行こうぜ」って思ってもらう方が良いのか、迷いました。

 

 

冒頭の写真は5分くらいで歩いて一周できる小さな島で、みんなとても気に入っていたので、最終日もそこを通過する予定なのでそこで最後の一泊したいね〜と言っていたのでした。

 

でもね、地図を見ながら移動するのも、所番地が表示してない湖の上。

結構トリッキーで、「あそこの半島あるでしょ、あれがこれだと思うのよ」とコンパスと地図を見ながら「ここは地図上のこの湾を出たところだと思う」とか「あの島はあっちの湖の、あそこの半島を超えたところだったはず」とか言って探すのですが、結局確信の持てないまま夕方になり、またまた無理やりキャンプ地を妥協することになっちゃうよりかは今のうちに良いサイトを見つけて、あそこで泊まるのは諦めよう、ということに。

 

翌日、サイトを撤去してカヌーに乗り込んで漕いで行ったら一時間ほどでその島を発見し「やっぱりね、すぐそこまで来ていたとは思ってたのよね」と。

でも夕方遅くなってきてた時点で、あそこからさらに一時間進むのは危険だったから、まあ妥協したサイトも結構良かったし、良かった良かった、と。

 

無理して亡くなる方もいるそうで、出発前のアウトフィッターのお兄さんは「今年はこんな死亡事故があった」と四つくらいエピソードを披露してくれましたけど、我々はお兄さんの五つ目のエピソードにはなりたくないもんね、と。

 

安全第一なので、例えば最終日に悪天候だったり予定よりも進行が遅くて予定地よりも遠くにいたりして、でもカヌーを返却しなきゃいけないから、なんて言って無理することは絶対やめてくださいね、と念を押されました。

返却時刻を過ぎたからって追加料金取るとかそんなことはしないし、悪天候で一晩動けない事態の場合、一日延長になっても追加料金など取らないから、と。

良心的というか、それだけ無理して事故にあうパターンがありうるっていうことでしょう。

 

事故や怪我は避けたいですから


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