クリスマスの定番
ヴィーガンな我が家(夫は私に付き合ってるだけですが)は毎年七面鳥とかハムとか北米の世間一般なクリスマスディナーのメインの代わりにはヴィーガンなオーブン料理を作ります。
ずーっとレンティルローフが続いてましたが、作る自分が飽きてきたので、去年からウェリントンに切り替わりました。
おいしくてオーブンで調理できて(楽なのです)なんとなくドーンとご馳走な感じが出るならなんでも良いんですけれど、ウェリントンは中身を色々工夫しやすいし、手間をググっとかけるか手を抜くかの応用が効くことを発見しました。
レンティルローフの方がよっぽど面倒臭い。
いや、レンティルローフも別にそんなに面倒ではないんですけども。
面倒くさがりが手抜きを覚えたら本当に手抜きの沼にどっぷりハマってしまった感じです。
日本でおせちをきちんと作っている方々とは雲泥の差で楽しています。
今年のウェリントンは友人がいつも作っているというマッシュルームウェリントンのレシピを聞いて挑戦してみました。
が、レシピを送ってくれた友人はあんまり細かいことを気にしない人で、「マッシュルームとネギとパースニップを入れる。毎年私は具を作りすぎるのだけど、どれくらい準備するべきなのか、毎年結局作り過ぎてしまう。」などという記述がついていて、材料の分量も手順も、一切記述なし。
彼女曰く、このレシピは彼女が昔住んでいたシアトルにあるヴェジタリアンレストランのレシピだそう(レシピって言えるのかはかなり謎ですが)です。
が、それを真似したものが、そのレストランのことには一切触れずにNYTに公開されたんだそうで、ちょっとそれは酷いんじゃないのか、とのこと。
ということは、マッシュルームや玉ねぎの分量はNYTの料理欄を見れば見当がつくかも?
という次第でNYT Cookingでヴェジのウェリントン、と検索して出てきたのが下のリンクです。
これが実際に彼女がシアトルのレストランのコピーだといっているレシピなのかどうかは確信ありませんが、これしかヴェジのウェリントンが出てこないので、これなのかな?
記事によると、ポータベロマッシュルーム(でっかいマッシュルーム)4枚(8〜10オンス相当)と、細かく刻むのに2パウンド(900グラムくらい)使うそうですね。
そりゃ大量だ。
野菜や香味野菜、ハーブ類が入りまして、ウォルナッツ4オンス入ります。
アメリカのレシピってパウンドだけじゃなくてオンスも出てくるし、面倒くさい。
4オンスは大体120グラムほど、、かな、液体と個体で若干違ってたはずなので、これまた面倒くさい。
友人のレシピというかメモには、パースニップやフェンネルを使ったとありますが、買い出しに行った折に鮮度や値段の良さそうなのがなかったので私はポワロと玉ねぎとマッシュルーム何種類かで。
ウォルナッツの在庫もないので、まだたっぷり残っているヘーゼルナッツを使いました。
NYTのレシピではナッツは刻んでますが、マッシュルームとネギ類だけでは歯応えが足らない気がしたのでヘーゼルナッツは半分〜4分の1くらいに切って大きめにしておきました。
タンパク源が若干不足する気がしたので、TVPも1カップほど混ぜ込み、ほろほろと崩れそうなのでチックピー粉を三分の一カップ程度入れてまとまりよくしてみました。
NYTのレシピに使用されてるパイクラストは多分バターが入ってるのと、パイクラストの表面に卵液を塗ったりするのでヴェジタリアンですが、バターを入れないクラストにして卵液を塗らなければ簡単にヴィーガンになります。
レシピの著作権?
友人はヴェジタリアン・ウェリントンを初めて食べたのがシアトルのレストランだったので、NYTのレシピはその真似っこだ、と言っていますが、肉の塊をパイ生地で包んで焼いたウェリントンの、その肉をヴェジなものに入れ替えて作るヴェジタリアン(ヴィーガン)ウェリントンは数年前からネット上で見かけるようになっていたというか、私のレイダーにも引っ掛かる程度には広まっていました。
今年はアメリカのサンクスギビングの少し前あたりから、インスタグラムやYouTubeやTikTokのタイムラインでヴィーガンのレシピ系インフルエンサーの人々がやたらとヴェジ系のウェリントンの動画をあげていました。
大体みんな中身は似たような感じで、マッシュルームを入れるのは珍しくないというか、マッシュルームと香味野菜とナッツの組み合わせのレシピはあそこにもここにも。
もう誰がオリジナルで誰が真似してるのかなんてわかりません。
同じ人の同じ動画が別の日に出てきたりもするので、私が仮に最初に見た人のものが最初に登場したものとは限らないし、ビデオ出してる人が自分で考案したレシピかどうかなんてことも誰にもわからないし。
これが仮にお味噌汁だったとしたら、仮に味噌汁にオリーブを入れてみました、斬新でしょ?なんて言ってこれが私のオリジナル味噌汁のレシピです、と著作権を主張したってそんなの相手にしてもらえないような気がしますし、レシピの著作権という考え自体がやはり正当性が怪しいような気がしないでもない。
インターネットでレシピがあれこれ閲覧できるようになった当初、私はレシピ雑誌やレシピ本なんていうジャンルはすぐに消えていくだろうと思ったのですが、意外にもネットで有名になった人が本を出すとか、人気のレシピサイトの内容が雑誌になったり本になって販売されるとかで、本や雑誌は消えていません。
お金を出さなくても手に入る情報が印刷物という有形物なったらお金を出しても良いと感じる人が一定数存在するわけです。
ネット上で広告やスポンサーを得る、書物になって著作権料をもらう、その収入で身を立ててる人がいるわけで、その内容を「コンテンツ」とか昨今は言うようですけれど、ぶっちゃけた話、YouTubeなどで自分が買ったものを延々と紹介してるだけのチャンネルだってそれでスポンサーがついたりしています。
店の商品と、料理のレシピと、映像作家や俳優や脚本家がつくあげる映画やドラマがネット上でクリックすれば鑑賞できるものとして並んでいて、素人とプロの区別が昔のようには白黒つかなくて(それが良いとか悪いとかではありません)、どれもそのコンテンツは著作権のあるもの、っていうのも不思議ですね。
クリスマスのお菓子
シュトーレンとかパネトーネとか、ヨーロッパの伝統的なクリスマスシーズンのお菓子がありますが、北米ではやっぱりフルーツケーキ!
ヨーロッパの、といっても大陸側の、美味しいと人々が楽しみにして食べているお菓子と対照的に、北米のこのフルーツケーキはやっぱりみんなが困ってたり嫌ってたりするアイテムです。
でもね、ラムなど酒に漬けたドライフルーツ(昔はクリスマスの頃に新鮮なフルーツを手にいれることができる地域は限られていましたから)を入れるお菓子、という基本はシュトーレンもパネトーネもフルーツケーキも共通してます。
不味くて困るんですよ、って言ってるのは私一人ではないという証拠に、こちらの記事を一読あれ↓
またきゃすぴえが言ってるよ、毎年言ってるんじゃない?っていう話題ですが、カソリック教会の神父をしていた夫の叔父が引退したので、我が家のクリスマスにこのケーキがやってくることはなくなりました。
叔父が毎年贈ってくれていたのは、スーパーで並んでるような工場で大量生産されたものじゃなくて、オンタリオの叔父の教区の(もしくは近所の)修道会の修道士さんたちが作ったものだったので、味の点では最悪なものではなかった(はず)んですけれどもね。
ハイキングに持っていくっていう考えは浮かびませんでしたけど。