ちょっと前に、サワドー・マザーの話を書きましたが、今日はそれを使ってサワドー・ブレッドを作りましょう。
有名なプロフェッショナルのベイカーさん方がサワドーのレシピを公開していますから、そういうプロみたいなのをじっくり挑戦するのも楽しいのですが、私はどちらかというと、楽してふんふんふん、と作りたい方なので、今愛用しているレシピを見つけて以来、ほとんど本など開かずに同じのを焼いてます。
同じのを焼きますけれど、入れる粉を変えたりドライフルーツやナッツを入れてみたり、そういう小手先の遊びはしますけれど。
基本が同じなので、手触りや目視で「あれ、今日はちょっと、、、」という感覚が掴めるのも利点かなと。
これに飽きたらまたTartine Bakeryの本でも広げてみようかなと思いますけれど。
あと、穴があんまりガンガン開いてるパンだと夫から苦情が来るのでね。
あれを目指してるのに、達成すると不評っていうのはやるせないですけど、食べる人の好みだからしょうがない。
前置きが長くなりましたが、
私がいつも頼りにしているレシピは、Chocolate & Zucchiniというブログで有名なClotildeさんのお友達のレシピ。
こちらに詳細が載っています。
レシピを公開されてるブログですが、これで生計たててらっしゃる方のレシピですので、この場では書くのは控えさせていただきます。
焼く予定の日の前夜、冷蔵庫で飼っているマザーさんを元に200グラムほどのスターターを仕込みます。
このスターターは、水を張った桶に落としたらふわっと浮いて来る程度の成熟度が一番理想だそうですが、前日の深夜に仕込んで朝8時くらいだと、ちょっと成熟度が過ぎた感じになります。
でも、朝からこれを仕込んで始めると、うちの台所の室温だと、生地が焼ける状態になるまでに時間がかかるので、深夜過ぎ開始なんてことになってしまいかねないので、前夜仕込みで行ってます。
全ての工程は、作業をする台所の室温次第で、かかる時間はまちまちです。冬と夏でも変化します。うちの台所は夏でも冬でも気温が低いので、一日中家にいる休みの日でなければできません。
たまにオーブン料理や焼き菓子などを続けて作ったりして発酵時間が早く進むこともありますので、そういう時には作業も早くなりますが、いずれにしても、「あと1時間で次の過程に進む」ではなくて「これくらいのサイズに膨らんだら次に進める」と思っておかないといけないので、時間に余裕がない日にはやらないほうがいいかと。。。
スターター:水:粉を、1:2:3の比率でざざっと混ぜたところ。
全粒粉を使うと水の量はちょっと多めに必要です。この日は、全粒粉を50%混ぜました。水を予定よりもちょっと多めに入れてしまいまして、やわめの生地になりましたが。混ぜてすぐの状態はこんな感じ。
粉っぽさが残ってない程度に混ぜるだけですよ。
捏ねないんです。
使う粉の種類(小麦粉か、とかライ麦、そば粉、などなど)によって吸水率が違うので、ちょっとづつ配合を変えて感覚を掴むにも、このレシピはやりやすいと思います。
小麦粉と水を混ぜてすぐの状態は、粉がまだ水分をきちんと吸収しきれていないので、30分から1時間ほど、粉が吸水する時間を与えてやります。これをautolyseと言います。
小一時間してから、塩を1パーセント(10グラム)混ぜます。
混ぜると言っても、すでに吸水している生地なので菊練りと同じような順序で生地を畳んでいくのみ。(ヘラで周りからすくい上げて中央に返してやる、という動きをぐるっと一周やります。)
この後、また小一時間放置します。
という感じで、1時間に一度程度全体にくるりと畳んでいくように混ぜるというのをやってやるのですが、朝はゆるい餃子の皮みたいだった生地が午後にはふんわりパン生地らしくなってきます。
たたむ回数は2〜3回程度でいいと思いますが、これは生地の感じをみてその時々で判断しています。
ふわっとしてきましたね。
ボウルの背後に控えますは、ビーズワックス・ラップで包んだパンです。水曜に焼いたサンドイッチブレッドが半分くらい残ってる状態。
ビーズワックス・ラップのパンの保存、かなり気に入っております。
この生地は、水分量的に言えばそれほど高くなく、アーティザーナル・ブレッドを追求したい方には不満が残るかもしれませんけれど、何しろ扱いやすいのですよ。
だから、焼いても穴ぼこにはなりませんけど、ピーナツバターもマヨネーズも穴からこぼれないのでうちの夫には好評です。
ちなみに、私がいつも使っている小麦粉はケベック州産のオーガニック。
ブリーチしていない小麦粉ですので、全粒粉であろうとなかろうと、ちょっと灰色っぽい焼き上がりになるのです。
これに慣れてると、たまにブリーチした小麦粉を扱うと、その白さに目がチカチカしてしまいます。
白いうどんとか白いそうめんなんてものは、ブリーチしていない小麦粉では作れないわけですからね、そうか、なるほど、、、と思う昨今です。
ダッチオーブンに生地を入れてオーブンに入れて焼きます。
このやり方には、ダッチオーブンごと予熱を入れて、熱々のダッチオーブンに生地をほりこむやり方と、ダッチオーブンは常温で、生地を入れてから予熱したオーブンに入れるやり方とありますが、私は扱いやすいしヤケドの危険も少ない後者が気に入ってます。
後者の場合は、中にオイルを塗って、小麦粉をペースト状にして伸ばしておいて、くっつくのを予防します。
焼き時間もダッチオーブンごと予熱を入れた場合よりも長いです。
焼き上がり〜。
クープは、カミソリが切れなくなってきてるので、やっぱりきっぱり綺麗には入りませんでした。けどまあ、家で食べるだけですからね、ここら辺は私はあんまりこだわりません。
パン捏ねマシンもいらないし、使うのは大小二つのボウルとへら、ダッチオーブンくらいです。汚れものも少ないので楽ですよ。