今日の記事は日本にお住まいの方には面白くもないかもしれませんが、以前 期限が切れたI-94Wをパスポートの中に発見して焦ったときに、経験者のブログ記事などが参考になった覚えがあるので、ちょっと長いですが書いておきます。
ただ、アメリカ政府の方針や手続き内容は時とともに変化することもありますので、詳細は必ず政府のサイトなどでご自分で確認なさってください。
陸路でカナダからアメリカに入国する
日本国籍所有者は、国境で一旦車を降りて入国の手続きをしなければいけません。
日本の高速の料金所じゃないですよ。
これはカナダへの入国時の国境写真。
料金所のおじさん入国審査官が待ち受ける小窓の前に車を止めて、パスポートを渡し、質問に答え、パスポートを受け取り、車を発車させて国境通過は終わります。(カナダ市民、アメリカ市民、カナダ永住者の場合。それ以外もカナダ滞在許可がきちんとしていれば多分同じはず。)
入国審査の内容は、空港で入国する場合と同じです。
犯罪歴とか入国を拒否された経験があるとか、そういう場合を除けば、基本的には正直に質問に答えていればすぐ済みます。
陸路でアメリカに入国する場合は手数料をUS6ドル支払う必要があります。
空の旅では現在は使用されなくなったI-94Wの紙をホッチキスで留めてくれるので、その紙切れ代なのか。
何しろ、6ドル支払い制度が始まって以来25年くらいですけど、ずっと料金は6ドルのまま。
I-94Wは、ビザなしで観光目的で90日間入国させていただける許可証です。
日本は観光目的でのアメリカ入国に際してビザを免除される国々のうちの一つです。
これらの国々のパスポートで入国する人々は皆国境で車を降りて手続きに並びますので、連休前日などは混み合うんですよね。
数年前からビザ免除プログラム加盟国の国民は、空の便でアメリカに入国する場合はESTA の申請及び許可を取ってからでなければ入国できなくなりました。
申請はインターネットで。
https://esta.cbp.dhs.gov/esta/
陸路の場合はESTAは不要ですけれど、2年間有効なESTA、実はこの有効期間中に陸路でアメリカ入国を試みた場合は、入国審査の時間も手間もググッと短縮されるんですよ。
ESTAが切れちゃってる場合は、自分で緑色のカードに色々書き込んで、お役人がそれをみながら質問するのに答えるわけですが、ESTAがあると、まず自分で書き込む手間はなく、ESTAの情報からI-94W形式に印字したものを使って、質問の数もぐんと減ります。
2年間有効のESTAは、申請するときに「訪問の目的と訪問中の連絡先」を記入する必要がありますが、2年間の間にはそれとは関係ない目的で別の訪問先に行くことだってありますが、ESTAの申請ページには、次の入国で別目的で別滞在先なら新たに申請せよ、とあります。
でも陸路での入国にはESTAは不要なわけなので、新たに申請などするはずもなく、そのまんまで楽させてもらっております。
また、2年の間には「あれ、前にESTA申請したのって、いつだったっけ」と忘れてしまうこともありますよね。(ESTAが期限切れになる通知メールを受け取ることもできますが、それでも忘れることがあるのは私だけでしょうか。)
陸路での入国の際、審査官に「ESTA持ってますか?」と聞かれた場合は、正直に忘れたけどあるかもしれないと言えば、ちゃんとパスポート情報を入力して「**まで有効ですよ」なんて言って処理してくれるので、問題はありません。
I-94Wを持ったままアメリカを去ってカナダに戻る場合
冒頭の写真のカナダ国境通過の時点で、カナダの入国管理官に「これ返却します?まだ持っておきますか?」と聞かれます。(聞かれないこともあります。)
90日間はこれを所持していれば国境で車を降りることなく何度でもアメリカに入国できるはずなので、近日中にまたアメリカに来る可能性がある場合はまだ返却しない方が楽です。
要らないから返却してくださいと言えば、その場でカナダ側のお役人がアメリカ政府の書類を取り外してくれて、返却してくれます。
聞き忘れてる役人に「それを返却してくれます?」って言ったらやってくれるのか、親切でやってることなので忘れてる人にそれを言ったら「それはカナダ側の義務ではない」とか言われちゃうのか、そこらへんは不明です。私はカナダの入国管理官で嫌な人に当たった経験はないのですが、フランス国籍の友人は、毎回嫌な人に当たると言うので、こういうのは運かもしれません。
私はたまに「また訪米するかもしれないから、まだ持っておきます」と答えることがありますが、予想通りに90日間の間にまた訪問することは、あったりなかったり。
90日以内に利用しなかった場合は、アメリカのCBPのサイトを見ると、滞在許可期間内にアメリカを出国して別の国にいた証拠とともに返送するように、と書かれています。
返送先はアメリカ大使館でも領事館でもありません。
返送先のアドレスなどの詳細は下のリンクでどうぞ。
例えば、カナダに戻っていた場合はカナダでの仕事先の給料の明細とか、カナダで利用したことがはっきりわかるクレジットカードの請求書やカナダに住んでいて利用・支払いをしたとはっきり証明できるような電話やハイドロの請求書など。
バスや電車で出国した場合は、そのときの旅程がわかるチケット(グレイハウンドバスのNY-Montreal間の日付付きのチケットとか)などがあれば簡単です。
本当にこれにいちいち人間が目を通して処理してるのか、という疑問を毎回感じますが、郵送しろってサイトに書いてありますからね、そうしておけば問題はないはずと。
面倒ですけど、これで問題になったことはありません。
I-94Wはカナダに戻るときにカナダのお役人に返却してもらうべきかどうか
こう言った面倒を考えると、90日以内にまた遊びに来るかもしれないけど、国境で車から降りて待たされて6ドル払って入国処理する方がまだマシだわ、という気持ちになります。
だってね、
I-94Wがまだパスポートにくっついたままだ!
と気がつくのって、目的地がアメリカであれ単なる乗り継ぎであれ、とにかくアメリカの入国審査に再び並ばなきゃいけない予定がたってから、、っていうことが多いのですよ。
入国審査で引っかかったり、無駄な時間を取られたりして、乗り継ぎ便に乗り遅れたり、入国拒否されたりしたくないですからね。
入国拒否は一回されちゃうと、あとあとずっと面倒臭いみたいですし。(未経験ですが、経験者の話を聞くと、是非とも避けたいと思います。)
なので、私は基本的には、I-94Wはカナダに戻るときに返却派です。
でもね、私がアメリカに行くのは、3連休など世間もお休みな時期ばかりなので、税関が混むことが多いんです。
待たされるときは長いですからね。
そうすると、ああ、この面倒を避けられるのならば、、、っていう気持ちも出てきてしまうんですよね。(滞在期間中のI-94Wがくっついたパスポートを見せれば、車を降りることなく冒頭の写真のような高速の料金所のノリの入国で済みます。)
で、今回入国審査を待っている間に見つけたのが、とても魅力的な小さなチラシ。
そこにはこんな文字が、、、
Apply and Prepay for Your I-94 Online
あああ、インターネット様って素晴らしい、と思う瞬間です。
その文字の下には
Go to https:/I94.cbp.dhs.gov と。
入国予定の七日前から申請及び支払いができるそうですよ。
これは、使わない手はないですね。
ESTAと同じように、申請しても許可されるという確約はないでしょうけれど。
申請して支払いしておいても、入国の際には車をでて入国審査のカウンターに行かなければいけないみたいですけれど(じゃあ意味ないじゃんとも言えますが)多分処理のスピードが上がってて待ち時間が短縮されるのではないかと。
ぐっちゃぐちゃの1ドル紙幣の使い道が一つなくなるのは残念ですけど、次回はオンラインで申請して挑みたいと思いますよ。
カナダの紙幣はモノポリー・マネーみたいだと笑われますけれど、私に言わせればアメリカの紙幣の方がよっぽどモノポリー・マネーですよ、サイズも質も。1ドル紙幣なんてぐっちゃぐちゃで汚らしくて、これで支払われる店員さんは嫌じゃないのかなと感じます。全部が似たような色合い&デザインの米ドルだからこそクレジットカードが普及したに違いない、なんて思いますよ。