バナナ・リパブリック
洋服のブランド名じゃないですよ、発展途上国がその国土の自然資源や農作物などの輸出でしか外貨を獲得できなくて、しかもその経済活動の収益を独占するのはごく一部の上層部富裕層、労働者や農民の搾取はひどいもの、、、と言う、そう言う状態の国々のことです。
バナナと言う言葉が使われているように、バナナの産地として知られるトロピカルな小さな国々がそう言う状態なことが多いです。
バナナは現在では安価で年中いつでも手に入れられる果物として、先進国のどこの町でも、多くの家庭の台所のフルーツ籠に載せてあるアイテムだと思います。
我が家にはバナナは常備してないのですが、バナナが嫌いだと言うとほとんどの人が目を丸くして「なぜ?」と言うほど、万人に愛されているフルーツでもあります。
バナナがこんなにも普及している国々、日本、北米、ヨーロッパ、南半球ならオーストラリア、南米諸国、、、場所によっては輸送技術がこんなに発達する前にはバナナなんか腐る前に送り届けることができなかったような国もあります。
実際に、バナナが登場した初期には珍しくて高級品だった、と言う話は日本だけに限らないわけです。
水分たっぷり含んでますからね、重さもある程度しっかりあるこのフルーツが、トロピカルな国々から自分が住んでいる国まで運ばれてきて、輸送会社、卸会社、スーパーマーケット、そのどれもが収益を得られて、その上なおかつこんなに安価に販売されうるこのフルーツ、誰かが搾取されていると考えるのが自然です。
で、搾取され続けているのです、原産国の農民や労働者の皆さんが。
カナダに輸入されてくるバナナは多分カリブ海諸国原産のものかメキシコあたりからだと思いますが、さて日本は、と言うと、台湾バナナと言うことばが思い浮かぶように、台湾から輸送されてきたのが最初だったようです。
でも現在は、8割以上がフィリピンからの輸入だそうです。
日本バナナ輸入組合広報室と言う所のサイトがこちら↓
こちらのサイトには、国別のバナナ産出量ランキングが載っていますが、意外なことにインドが第一位で、次はなんと中国ですって。
中国って大きな国だから、バナナの栽培に適した土地もあるって言うことなんでしょうね。すごいですね。
輸入組合のサイトでは、産地での労働者の搾取だとか、労働組合への嫌がらせや暴力などと言った政治的な話は一切触れられていませんが、コーヒー、チョコレート、砂糖、石油、その他バナナ・リパブリックでの生産活動には搾取がつきもの、搾取され続けている人々が労働条件の向上を求めて抗議活動をすることだって大いにあり得ます。
そこらへんについて詳しく書いてあるのがこちらのサイトです↓
ミンダナオ島にあるスミフルと言う元々は住友系のフルーツ輸出会社だったらしい会社が運営する8つのバナナ出荷工場のうち7つで労働者がストライキを続けているそうなのですが、それに対する企業側の嫌がらせや暴力などについて詳しく書いてあります。
労働組合が改善を求めている諸問題には次のようなものがあるとか。
- 雇用契約書の不在 (労働者の権利が確保されません)
- 産休・緊急時における有給休暇の不在
- 出荷工場で超過勤務の強要
- 退職手当の不支給
- 長時間、立ち仕事の強制
- 化学薬品対策の不足
- 組合員への嫌がらせ
こう言う構図はバナナ・リパブリックにありがちです。
そして、そう言う構図の詳細を知らずに安く入手できるトロピカルなフルーツや嗜好品を毎日食べて飲んで楽しく暮らす先進国の人々、、の構図もありがちです。
オーガニックとかヴィーガンとかプラスティック・フリーなどと言った自然環境および自分たちの健康の保全のための動きと同様に、世界中の労働者を不当に搾取しないで、フェアに労働への対価を支払った上で各地の産物をありがたくいただきましょう、と言う動きがあります。
それがフェアトレードの動きなのですが、コーヒーやチョコレートなどの嗜好品のパッケージにはフェアトレードのロゴがついてる商品も結構増えてきている昨今。
バナナにはそう言ったロゴがついたもの、見たことがないのですけれど、それは要するにフェアトレードなバナナが存在しないと言うことなのか、するとしても私の生活圏にはまだ入ってきていないと言うことなのか。
何れにしても、日本のお店に並んでいるそのバナナ、それがフィリピンの労働者の血を流した搾取の塊である可能性は、かなり高いです。
フェアトレードであることがオシャレでヘルシー!で人気のアイテムになれば普及しますかね