コロナでパフォーマンスできなくなった音楽家さんたち
夕飯の支度をしようと思っていたら通りから素敵なバイオリンの音が。
地元の音楽家たちが、通常営業できない代わりに「コミュニティに音楽を持ち込む」プロジェクトで政府から助成金を受けているとかで、うちのご近所にもやってきました。
美しい音楽、しかもいきなりご近所から、とても驚きましたし、癒されました。
音楽や舞台演劇関係の人たちもパンデミックで多くの仕事を失いましたね。
こう言う活動に援助が出て、結果として私たち市民が心地よいひとときを過ごせるとは、ありがたいことこの上無し。
芸術は日々の暮らしに直接関係ないように思われがちですが、実は心の健康や思想の活性化にとって大変重要です。
彼らの活動についての新聞記事はこちら。(フランス語)
秋の訪れと猛暑
モントリオール界隈では朝夕の通勤時に自転車を漕いでも汗が出ない気温になりました。
明日の朝の出勤時の予想気温は15度程度。
靴下や靴(夏場は素足にサンダル)長ズボン(夏場は膝上くらいの短パン)、薄手の長袖を羽織る感じでないと寒そうです。
秋がきた〜。
寂しい〜。
夏は短いんだから、暑い暑いと文句を言うんじゃなかった、、(言わなくても秋は来ます)
一方で日本は凄い猛暑ですね。
熱中病で亡くなった方の数をみて驚きました。
気温も40度とか。
日本は湿度も高いから、こんな気温だと汗が蒸発しないのでかなり苦しそうです。
洪水の後片付けの作業をなさっている方々の映像をネットで見たのですが、こんな猛暑の中での作業は辛いですね。
いくら水を飲んでも追いつかないでしょう。
休憩する時間を設けて、体を休めながら作業できると良いですが。
熱中症で亡くなった方々の多くはご自宅で亡くなったとか。
その多くはエアコンを利用していなかったとか。
利用していなかった、ということなのか、電力消費をなるべく控えるようにしていて、無理がたたって、、だったのか。
福島の原発事故以来、日本では電力の浪費を控える動きが定着し、帰国するたびに空調の設定温度に驚いたものです。
「クールビズ」という言葉を聞いた時は、そりゃあ日本の夏、暑苦しいスーツやらナイロンのストッキングやら、不快でしょ、と思ったものですが、冷房の設定温度を下げずに体感温度を2度下げるためだったんですね。
電力消費を抑えようという動きは素晴らしいですが、猛暑の間はちょっと休止して、病気になったりしないように気をつけていただきたい。
冷房や暖房の温度設定は家の構造や間取り、機械の設置位置、サーモスタット(室温を感知するセンサー)の性能などの条件次第で結構難しいと思います。
だから室温のターゲット温度と冷暖房機の設定温度は同じとは限りません。
28度、どんなに薄着していても湿度が高い日本だったら私はぐったりしそうです。
自宅で仕事をしていた7月あたり、モントリオールでも最高気温が32度だの35度だのという日々がありましたから、一階で木陰の私のオフィスでも28度くらいのことは何度もありました。
28度はクールじゃないですよ、暑いですよ。
体感温度ってどんななの、と思いましたら、上のリンクによると
人間は、体内で発生させた熱を外部環境と熱交換を行って、体温の調整を行っています。この熱交換に影響を与える要素は、温熱環境要素と呼ばれ、「代謝量」「着衣量」「気温」「熱放射」「風(気流)」「湿度」の6 要素が挙げられています。
(出典:環境省ホームページ http://www.env.go.jp/air/report/h16-13/02.pdf)
だそうです。
冷房のない家では、暑いときには水のシャワーを浴びたりバスタブに水を張って沐浴したり、濡らして絞ったタオルを首筋やおでこにあてがって扇風機に当たる(と水分が蒸発するときに熱も一緒に奪っていくのでクーリング効果があります)などするのが効果的ですが、これは体温を下げるために有効だということですね。
北国のケベック州の住宅は、冬の条件を考慮した構造。
夏が暑いというのを忘れて設計してる?建物が多いため、日本ほどではないけれども冷房無しの室内温度はかなり不快な温度になり得ます。
新築の家もありますが、多くは何十年もしくは100年、200年前も前に建てられた家を補修したり改築して住んでいる住宅なので、温暖化なんて考慮されてないというのもありますね。
窓を全開にしても風が通らないような構造はざらにあります。
昔からの住宅街は街路樹があって庭にも大きな木があることが多く、木陰になる部屋は比較的涼しい(我が家がこのパターン)ですが、新しめの住宅街は大きな住宅の周りに大した樹木がなく、照りつける太陽が屋根をガンガン熱し、最上階に住んでいたら蒸し風呂みたいになります。
そんなわけで冷房を完備している住宅は思いの外多いですし、夏の時期はずっと冷房を入れっぱなしの家庭も多いようです。
我が職場のクライアント諸氏も、9割はウェルフェア受給者ですが、その多くが冷房完備の住宅に住んでいます。
熱中病で死亡する可能性があるんだから、冷房はもはや安全対策です。
快適だと感じる温度の個人差
冬の寒さに対応しなきゃいけないせいか、やはりカナダに長く住んでいる人たちが快適だと感じる室温は日本の多くの人々が好む室温よりも低めだと言えます。
以前ピラテスのレッスンで私以外の全員が「暑い暑い、空調が壊れてるんじゃない?」と文句を言い出したのは23度でしたし(運動しているから暑く感じやすいとは言え、23度で?と思いましたよ。)夏の冷房も冬場の暖房も21度に設定してあることが多いと思います。
初めて夫をつれ雪がちらつく飛騨高山を訪問した折、旅館の部屋に入ったら石油ファンヒーターで部屋がガンガン温められていて、蒸し暑く感じた我々。
申し訳ないけれどこれは耐えられない、と窓を全開にしてヒーターを消したのですが、設定温度が26度になっているのを見て「これは何かの冗談?」と夫は本気でびっくりしていたものでした。
長く住んでいるうちに、私も日本の友人や家族よりは涼し目の室温が心地よくなりましたが、冷房ガンガンで20度切るようなところでもタンクトップだったりサマードレスで羽織りもの一切無しで丁度良いと言う友人たちとは確実に体の造りが違うと感じます。
寒すぎても暑すぎても我慢せずに、早めに休息してお体を大事にお過ごしください。
我慢は美徳じゃありません。
何やらを滅却すれば火もまた涼しい境地に至れなくても、冷房でも氷でも使って涼しく過ごしてください。