サワドー・ブレッド
サワドー・マザー(スターター)を常にハッピーにしておくためには、できれば毎日瓶の中に入っているものを半分以上捨てて、そこに新たな粉と水を空気を混ぜ込むことが大事です。
毎日やってられない場合は、冷蔵庫に入れておいて週に一回これを行います。
食べ物を「捨てる」って勿体無いですよね。
最初の頃は捨てずにそのまま粉足しても良いんじゃないの?
なんてやってみたこともありますが、生き物ですからね、食事の量が大事なのです。
お相撲さんと幼稚園児が同じ食事の量で良いわけはないのと同じ。
どう言うことかというと、瓶に100グラム入っているとすると、その100グラム全部が生きているわけなので、それに相応する餌が必要。
捨てずにそのまま100グラムに必要な餌を与えると言うことは、同量の水と粉が必要ですから、粉100グラムと水100グラムです。
てことは次に餌をやる時には300グラムに増えているわけですから、捨てずにそのまま同量の粉と水を与えてやると、300グラムの粉と300グラムの水を加えて、結局900グラムのサワドー・マザーを抱えることに。
と言うことで、900グラムのサワドー・マザーを抱える前に気が付いて、捨てることを受け入れましたが。
でも捨てるのはやっぱり抵抗ありますよね。
なので私はサワドー・ブレッドを焼くのとは別に、普通のサンドイッチ用のパンを焼くときに、捨てるはずの部分を入れてしまいます。
サンドイッチ用のパンとサワドー・ブレッドを両方焼くと1週間で食べきれないこともありますので、そんな時は例えばベシャメルソースに入れてみたり、サワドー・パンケーキにしてみたり。
でも他にも使い道がもっとあったらもっと嬉しい。
YouTubeで検索すると、去年のロックダウンでサワドーブームがあったおかげか、サワドー・捨てる部分を入れた***のレシピビデオが目白押しです。
クッキーとか、
バナナブレッドとか、
ブラウニーとか、
と言うことで今日は、サワドー・クラッカー作ってみました。
この方のレシピは超簡単。
サワドーの捨てる部分を200グラム、オリーブオイルを40グラム入れ、全粒粉を120グラム、塩少々、表面にはTrader Joe'sで売られているゴマ塩みたいなのを振りかけて、オーブンで焼くだけ。
このTrader Joe'sのごま塩がおいしいんだそうで、それを自宅で再現するビデオというのもリンクされていたので参考にして、ガーリックパウダーとオニオンパウダー、塩、白胡麻と黒胡麻を混ぜたものを上から振りかけて焼いてみました。
ついでに随分前に作った昆布とゴマの振りかけもちょっと振りかけてみました。
昆布と胡麻のふりかけ、めっちゃ旨い。
YouTuberの方も仰ってますが、ふりかけはいっそのこと生地に練り込んでしまう方が良いかも。
焼く前に振りかけただけだと、生地に抑えつけるようにしても、焼いた後でゴマがパラパラと落ちてきちゃうんです。
甘いものより塩味系な私、このクラッカー気に入りましたよ。
サワドーって何?という方はこちらをどうぞ。
欧米に限らず、昔から中近東、アフリカにも似たようなアプローチでパンを作る手法があります。
アメリカだとサンフランシスコのサワドーブレッドが有名です。
でも仮にサンフランシスコでサワドーブレッドを作っているベイカーに種をもらってモントリオールに持って帰ってきても、サンフランシスコサワドーを焼き続けることはできません。
なぜなら、うちに持って帰ってきたら、うちの空気と空気中に浮遊するバクテリアやイーストを取り込んで行くから。
なんでもサワドーブレッドには、その種を繋げ続けているベイカーの手についているのと同じバクテリアやイーストが生きているんですって。
こういうことを聞いて「気持ち悪い!」と思う人には向いてないかも。
でもイーストとか発酵食品っていうのはそういうもんですよね。
サワドー・マザー、以前は計量して作ってましたが、最近は目分量、混ぜながら調整しています。
古代から伝わる手法だから、キッチリ神経質にならなくてもよかろうと。
匂いを確認して、ぶくぶく膨れるのを見届けて、冷蔵庫へ入れるのはその後です。
殺菌除菌のご時世ですが、菌のおかげでおいしいものが食べられるのも忘れてはなりませぬ。