食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

ガス調理を完全に諦めた話

 

写真は https://www.popsci.com/environment/gas-stoves-harmful/ より
 
ガス・ストーブが良かったけど

モントリオールで暮らした数々のアパートで、台所の調理器具がガスだったのは2軒のみ。

 

どちらも築150年くらいのヴィクトリア時代様式の古い建物を数人でシェアして暮らしていて、建物自体は結構ガタがきていましたが、天井が高くて調理台がガスなのが気に入っていた住処。

もっとモダンな建物はどこも電熱器って言うんでしょうか、電気が通るコイルが4口ついてるストーブ(北米では調理器具をストーブと呼びます。)

慣れるまでは火力の調整がうまくできなくてイライラしました。

弱火から強火に、強火から弱火に、と火力を急に変えることができないのです。

 

ガスのストーブだった二軒は、日本のガス調理器と同様に火力を自由自在に変えてパッパと調理できて嬉しかったのですけれども、ちょっと違っていたのは、「パイロットライト」が常についていたということ。

小さな炎が常についていて、調理するときにカチッカチッとつまみを捻ってパイロットが引火して大きな炎をつけて、それで調理するのです。

 

だからガス・ストーブの上にタオルとか置いちゃ危険です、という話なのですが、日本のガス調理器具ってパイロットライトはついてないですよね?

私が知らないだけでしょうか?

 

という次第で、ガス・ストーブへの淡い憧れを抱きつつも、電気に慣れちゃったので最近はもうどうでも良いわー、という感じで生きているきゃすぴえでございます。

 

 

 

環境問題につながる天然ガス問題

ロシアによるウクライナ侵攻を機に、ロシアが天然ガスをヨーロッパ各国に輸出していたというのを知りましたが、日本の天然ガスは確かインドネシアから多くを輸入していますよね。

 

カナダの天然ガスはどうなのか、ググってみました。

 

ノバスコシア沿岸の天然ガス採掘プロジェクトは2018年に終了したそうなのですが、まだまだ海底にはガスがあると言われているらしいのと、国内ではアルバータ、サスカチュワンとBCの地中にあるようです。

国内のガスの需要をこれで賄っているのかなと思ったら、オンタリオとケベックで使われるガスの65%は輸入されているのだとか。

BCとアルバータの地中にある天然ガス

上の地図はこちらのリンクから。

天然ガス産業のサイトですので、ここの情報はここまでにして、連邦政府のリンクを見てみました。

www.capp.ca

 

連邦政府のサイトによると、カナダは世界第5位の天然ガス生産国で、世界の総生産量の5%くらいを生産していて、国内需要を賄った余剰はアメリカに輸出しているそうです。

が、少量をアメリカから輸入してもいるそう。

open.canada.ca

 

天然ガス生産国のリストはこちら

en.wikipedia.org

アメリカ、ロシア、カタール、ときて、この記事ではカナダは4番目ですね。

それにしても、カナダの天然ガスの輸出先はアメリカらしいですけど、アメリカの生産量は世界一?なんでカナダから輸入するのか?

 

天然ガスは調理だけではなく発電とかフェリーなど交通機関の運転、家庭やオフィスの暖房など、用途は多岐にわたっています。

地中深くに埋蔵されている天然ガスをフラッキングで掘り出すことによる環境へのダメージや、地球温暖化につながる問題など、石油製品と同様、天然ガスの利用からサステイナブルなエネルギー源への切り替えが叫ばれ始め、天然ガスの消費量は減少傾向にあります。

 

家庭内での危険

現在住んでいる家の調理台は電気ストーブ。

北米によくある調理台と一体型のオーブンの調子が最近イマイチです。

買い替え時かもしれない、どうせ買い替えるならガスへの憧れが、、、という気持ちはやっぱりちょっぴりあるんですよね。

 

ちょっと調べたら、天然ガスの調理台を使うことによる健康への害というものが昨今話題になっているらしいと知りました。

環境への害だけでなく、住人の健康への害です。

 

ガスストーブはスイッチを切っていても常に少量のメタンを漏らし、窒素酸化物やその他の危険なガスが空気を汚染し、肺、特に子供の肺にダメージを与える可能性があることが最近のスタンフォード大学の研究で明らかになっているそうです。

 

ガスコンロを使用している家庭の空気を測定する同じような研究でも同じ結果が出ているそうです。

調理後の室内の空気のサンプルを分析した調査で、空気中に衝撃的なほど多量の亜酸化窒素が発見され- しかもその毒素は数時間後にも検出されたそう。

そのレベルはカナダ保健省の1時間暴露のガイドラインを超えており、煙はそれ以上長く漂っていたそうで、調査に関わった研究者の多くはその危険性に衝撃を受け、自宅にガス・ストーブを使っていた研究者が次々に電気ストーブに切り替えるほどだとか。

 

天然ガスを燃やすと亜酸化窒素、二酸化炭素、ホルムアルデヒドなどの有害物質が発生し、それらを吸い込むと、全く気づかない少量であっても健康に大きな影響を与えるのだとか。

 

下のリンクの記事によると、ガスストーブのある家庭では、ない家庭に比べ、二酸化窒素が約50〜400%、一酸化炭素が約30倍、PM2.5が約2倍多く、ガスコンロのある家庭の子どもは、喘息に関連する症状を経験する確率が42%高く、生涯喘息と診断される確率が24%高いとか。

 

そんなこと知らずにガスが一番美味しく料理しやすいわー、と電気調理器よりもガスを好む人は北米にも結構たくさん存在していますが、この危険が知られ始めることで、ガスを止める人も増えているのかもしれません。

 

また、ガスストーブのある家庭でも子供は健康だし何も問題を感じないで暮らしている人たちもたくさん存在すると思います。

カナダでストーブを買い替えるのは最近の相場だと中くらいの機種を選んでも1000ドルくらいは軽く行くと思うので、こういう記事を一つ二つ読んだくらいで故障もしていない気に入っている調理器具を捨てる気持ちにならない人はもちろん多く存在すると思いますが、もともと電気のストーブを使っていて、買い替えをきっかけにガスの世界に転向してみるか???と思っていた程度の私の場合は、いや、もうガスの夢は諦めたよ完全に、、、という気持ちです。

悲しいけれど。

 

現在ガスストーブを使っていて、電気に切り替えたいけれど直ぐには無理、という場合は、調理するときには必ず換気扇をフルに回すように心がけること、温暖な時期は窓を開けて換気を気をつけること、など工夫をする必要があります。

 

 

それにしてもこれって北米の「パイロットライト」が常についている状態の構造のガスストーブの調査だから日本のガス調理器具は話が違うのでしょうか?

気になる方は研究レポートをいくつかチェックしてみると良いかもしれません。

www.popsci.com

 

 

ガスの次に熱量の調整が良いらしいのはI Hですけれど、I Hに対応しない鍋は使えなくなるとか、恐ろしい噂を聞きます。

 

どうしましょう。


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