食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

粕汁だけは具沢山と、病院での食事を選択できる権利

今年は全体的に暖冬な方ではないかな、、モントリオール。

 

秋口には、「今年の冬は過酷な寒さが予想される」ってあちこちで聞いたので、かなり覚悟していたんですけれども。

 

蓋を開けてみると、

「え?こんな温度で良いの?またまた〜、それですぐにグッと気温が急降下するんでしょ?」と思うような温暖な日々があり、グリーンクリスマスを迎え、でもその合間にちょっとだけやっぱり冷えるなあ、やっぱりね、という気温もあり。

でもやっぱり全体的に言えばマイナス三十度でメトロまで歩くだけで肌が凍りそう、なんていう日々今のところはありません。

 

良いんですよ、そんな日は来なくても。

でも、そういうのが冬の定番だったことを考えると、やっぱりこれは異常だわ、この先怖いわ、と思ってしまいます。

 

というわけで、暖冬ですが冬の定番、粕汁作りました。

毎年書いてますけど、粕汁だーいすきなんです。

酒粕だけ口に入れたら「うわっ」と首筋がゾッとするんですけどね。笑

粕汁にしたら大好きとは、これいかに。

 

酒粕から作られた甘酒も、ゾッとするので嫌いです。

単なる偶然ですけれど、白いドリンク類は大概嫌いです。

牛乳、豆乳、アーモンドやオートミルクやら、濁酒も、甘酒も。

 

でも粕汁なら大好きです。

勝手なもんです。

 

粕汁にはいつも

人参

ゴボウ

大根

こんにゃく

椎茸

油揚げ

を入れます。

鍋に余裕があったり自分に余裕があったりして、在庫があればここに里芋も入れます。

 

和の野菜がいつも家にあるわけではないので、何かが欠けると、代わりに白菜を入れてみたり春菊を入れてみたり、じゃがいもを入れたこともあります。

 

なのでお椀に注ぐと、具がいっぱいで汁気がたらない感じすらします。

 

味噌汁には具はせいぜい二つか三つしか入れないのに、粕汁だけは別。

作ってるとよく夫が「今日は鍋?」と聞いてきます。

 

昨晩の夕食に作って、食べ散らかした後の鍋の中に残った粕汁の写真をどうぞ。 

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見た目があんまり美しくないですが

 

味噌汁って具沢山のお家は具沢山ですよね。

うちは比較的具は少なめでした。

豆腐とわかめ、

豆腐と大根、

大根とわかめ、

じゃがいもとわかめ、

玉ねぎのスライスとわかめ、

ナスとわかめ、

わかめの登場回数が多かったですね。

個人的にナスが味噌汁に入るのはもったいない(ナス好き、味噌汁好き)と感じるので自分では絶対絶対ナスを味噌汁に入れるなんてしません。

 

そして味噌は、お箸でかき回すと雲のようにふわっと広がるけれど、あんまり入れすぎないのが美味しいんじゃ、、、と大人が言ってるのを聞いて育ちまして、なので今でもあんまりたっぷり入れません。

 

小学生の頃住んでいた地域の学校給食の味噌汁が味噌臭くて苦手だった覚えがあります。

 

母が使っていた味噌と給食の味噌もかなり違ってましたし。

 

味噌の味は地域差がかなりありますけれど、酒粕だってやっぱり地域によって、酒蔵によって、若干の味の違いはあるんでしょうね。

粕汁は大好きですが、酒粕そのものを口に入れるのはおぞましいので、ここら辺の微妙な違いがわかりかねます。

でもどんな酒蔵の酒粕でも、粕汁にすると旨いのは、やっぱり野菜の旨味とか出汁の味とかと融合されるせいでしょうね。

粕汁万歳。笑

 

 

 

入院中に患者が食べる食事を選ぶ権利

日本の病院に入院したことは一度だけありますが、もうかなり昔のことで、食事のことはほとんど覚えていません。

 

最初の食事に納豆が出てきたことを覚えています。

同室に長いこと入院していたおばあさんに誘われて、パジャマで病院を抜け出してすぐ近くのラーメン屋さんにお忍びでラーメンを食べに行ったりもしました。

ラーメン屋さんのおじさんが、「おっ、**さんいらっしゃい」とお婆さんと顔見知りだったのが衝撃だった覚えが。笑

 

病院の食事は美味しくない、というのは定評ですよね。

それがどこの病院でもだいたい同じ。

 

それは病人用に塩分を控えまくっているからだったり、大量に大勢の食事を支度するから細かいことなど気にしていられなくて雑な味になるからだったり、色々ですけれど、自宅で食べ慣れている味付けと違うし、しょうがないこと。

 

モントリオールでは二度ほど入院したことがあります。

初めて入院した時は盲腸で緊急入院だったのです。

盲腸だから、別にお腹が悪いわけでも胃が弱ってるわけでもないですが、出てきた食事がカッチンカッチンな岩のような「ミートローフ」で、健康な胃腸も破壊されるんではないのか、と驚いた覚えがあります。

 

いや、それより、食事が出てくる数時間前にナースがやってきて「コーヒー?紅茶?肉?魚?じゃがいも?ライス?」と選択肢が書いてある紙を突きつけてきまして。

なんの話かと思ってると「夕食のチョイス、どっちにするか決めてください」と。

そんなこと聞かれるとは思っていなかったのでかなり驚きました。

 

食事と一緒についてくるメニューの紙、これだけ見てると豪華な食事みたいなんですよ。笑

どんなに不味い食事とは言え、患者に選択肢を与えてくれるのか、ということがちょっと驚いた体験でした。

 

 

二度目の入院はそれから10年くらいした後で、食品アレルギーについてきっちり聞かれ、ヴェジタリアンかどうか、宗教的な制限はあるかどうか、など細かく確認されたのを覚えています。

 

当時はヴィーガンじゃなかったんですが、牡蠣が食べられない体でしたのでその旨を伝えたところ「シーフードアレルギー」というハンコが押されまして、魚という選択肢がある時でも肉が出てきて「ああ、魚がよかったのに」と思った覚えがあります。

 

乳製品がダメという人、肉はダメ、魚はダメ、と、宗教やアレルギーなどで一定の食品がダメな人はたくさんいるので、ヴィーガンもきっとありだと思います。

 

去年の年末の記事ですが、ニューヨーク州の知事が、病院でプラントベースの食事を選択する権利を保障することを法定化しました。

ニューヨーク州が最初というわけではなくて、カリフォルニア州などでもすでにプラントベースの食事を選択することが可能になってしばらく経つようです。

 

というか、そんなの当たり前かと思っていたのでこの記事を読んでちょっと驚いたんですけれどね。

 

mercyforanimals.org

 

 

個々の要求に対応する姿勢って北米および西洋社会はかなり確立してますよね


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酒粕ヴィーガン・ピッツァでスーパーボウル・パーティー

今年のスーパーボウル、ご覧になりましたか?

うちは49ersを応援していたので、なんとも残念な結果になりました。

あのクオーターバックの選手、(名前を覚えられなかった、、)4thクオーターでは、プレッシャーに弱かったですねえ。

 

とはいえ長年パッとしなかった49ersが勝ち進み、若い頃バークレーに住んでいた夫は年末あたりから、49ersの試合を見終わるたびに、この日をとっても楽しみにしていました。

 

うちにはテレビがなかったのに、テレビを買ってくる始末。

まあ、テレビを買ったってケーブルは入れてないし、見るのは本当にこういう大きな試合がある時くらいだからいいんですけれど。笑

 

 

とはいえ私は月曜は仕事だし、フットボールの試合は東海岸では二試合目の放送が終わるのは夜10時すぎるので(もっと長引く可能性だってあり)テレビは夫の書斎という名のブラックホールに設置しておいてもらいました。

 

 

スーパーボウルの試合だけは特別ですので、リビングルームにテレビを移動して、椅子を並べ替えて友達を呼んでパーティーをすることになりました。

私まだ病み上がりですけど。笑

 

 

スーパーボウルの前となると、北米のフード系のサイトの多くは「スーパーボウル・パーティーに最適なフィンガフードのレシピ10選」のような特集を組んだりして、その様子はクリスマスやサンクスギビングの前のホリデー・フードの準備特集と似たような盛り上がりです。

 

 

私は病み上がりですから、いやいや、そうじゃなくてもそんな、テレビを見ながら食べるようなスナックのために手間暇かけたくないですけど。

 

ヴィーガンじゃない人たちの間で一般的にありがちなテレビ観戦スナックといえば、

チキンウィングス

ポップコーンやらナッツ類

チップス&サルサとかディップ類

ピッツァ

なーんてところでしょうか。

 

面倒くさいから勝手にデリバリーピッツァでもとってくれ、、と思うのは山々ですが、出前フードをとるとゴミの量が劇的に増えることを考え、ピッツァを作りました。

 

夫とゲスト用にヴェジタリアン・ピッツア(チーズをのっける普通のもの)私と目先の違うものも試したいという人用にヴィーガン・ピッツァ(チーズをのっけない。)

 

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最後の一枚は疲れてボーッとして焼きすぎました。笑

14インチのピッツァを4枚焼くつもりで生地を仕込みましたが、カリカリのクラストが好みなのでそうなるように伸ばしていたら、直径16インチ近くになりました。

まあ大きくなった分には問題はないです。

 

二枚は本物チーズ入りのヴェジタリアン。

二枚は春菊ペストと酒粕チーズ風味を載せたヴィーガン。

 

4枚目を焼く頃には、ヴェジタリアン用のトマトソースがちょっと残ってたり具が余ってたりしたので、適当にあれこれてんこ盛りに。

ヴィーガン・バージョンの1枚目でヴィーガン・チーズもどきが少なかったので残りをどかっとのっけ、ついでに余っていた市販のヴィーガンチーズもちぎって載せてみましたが、これは載せなくても良かった。

 

 

メモがわりに材料などを書き留めておきます。

 

ピッツァ生地

  • ブレッド・フラワー 7カップ(USサイズのカップ)
  • 水 3カップ
  • オリーブオイル 60ml
  • 砂糖 小さじ二杯
  • 塩 コーシャーソルトの粗いのを小さじ一杯半

 

ヴィーガン・酒粕チーズ

  • 酒粕100グラム
  • オリーブオイル

(お湯で緩くしてからオイルと混ぜるべしと学びました)

 

春菊ペスト

春菊を11カップのフードプロセッサーにフワッといっぱいになるだけ詰めたのを二回プロセスしました。オリーブオイルと塩も目分量で入れて。

これを二枚のピッツァに使って、半分くらい余りました。

 

テンペ

酢を入れたお湯でちょっと湯がいてから薄切りにし、オリーブオイル、醤油、酒、で下味をちょっとつけておいたものをトッピングに使いました。

 

 

注意書き

春菊ペストはたっぷり塗って焼いたら、沸騰してちょっと生地からはみ出てしまったようで、下に敷いておいたピツァストーンにこぼれて焦げ付いてしまいました。ちょっと少なめに塗るべし。

 

うちのオーブンでは四百五十度で15分、最後にブロイラーにして2分から3分追加加熱、で焼きました(なので4枚目の頃にはもう1時間もこの作業をしていたわけで、疲れましたさすがに。)

 

酒粕チーズは酒粕の風味がありつつもおいしくまろやかに、春菊ペストは春菊の苦味がちょうど良い感じで、大変おいしうございました。

テンペは下ごしらえをして、テンペが苦手な人も抵抗なく食べられるかな、と思ったんですが、もっと薄切りにしてフライパンでカリカリにしたのをのっける方がテンペ慣れしてない人にも受けたかも。

私は好きなんですが、テンペも好き嫌いが別れます。

 

 

 

とりあえずデリバリーゴミは出さずにすみました。


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パンの保存の悩み・我が家の場合

あーっと言う間に二月です。

 

一月はバタバタしていて、実は一度もパンを焼きませんでした。

冬場の台所は涼しくて、サワドーブレッド焼くのに最適(放っといても大丈夫)なのに、こんなことは初めてかもしれません。

 

 

パンはいつも週末に焼いてるんですが、一月は週末はいつ来ていつ去っていったのか、本当に週末はあったのか、、あったはず、、、。笑

 

 

冷凍庫にはいつも私が焼いたパンがスライスして保存されているのですが、その在庫が切れていた間に、夫はしっかりと市販のパンを買ってきていました。

私には焼けない、ポルトガルのパンを買ってきてました。

ポルトガルのパンですけど地元で焼いてるものです。

 

 

風邪が治ってようやくパンを焼きました。

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2020年の初焼は二月一日

 

マモ (id:chiantosaurus114)さんのブログで、焼いたパンを保存する袋で、プラスティック製じゃないものを探しているけれど、なかなかこれと言うものが見つからない、と言う記事を読みました。

 

www.pan-panpan.net

 

そうそう、そういえば私もパンの保存袋難民なのです。

 

私はパンはだいたい週末に焼いて、冷めてからスライスして冷凍庫に入れて保存します。

 

サワドーのパンはバクテリアのおかげで長期保存に向いていて、室温で保存しておいても一週間くらい平気だ、と言う話をあちこちで読んだことがあるのですが、それを真に受けてカビさせたことがありますので、そんな説は信じません。

 

小麦粉が表面にたっぷりかかっているサワドーのパン、カビてても気が付きにくいですし。

 

と言うことで、冷凍庫保存。 

 

この時、パンを入れるのには、元々は何か別のものが入っていた分厚めで大きめのジップロックバッグなどを洗って再利用していました。

 

自分では使い捨てプラスティックを避けていても、何かと食品が入った状態で家に入ってくることのある分厚めの食品パッケージ系のバッグ、パンが入るサイズのものはパン用にしていたわけです。

 

でもそのうち、プラスティック包装を避けたり極限まで減らしたりした商品を選ぶようになり、家に入ってくるプラスティックバッグもだんだんと減ってきました。

 

これ自体は喜ぶべきこと。

でもそうすると、パンの冷凍バッグが、、、、。

 

 

ずいぶん前に蜜蝋ラップを手作りしたこともあります。

参考にしたブログや蜜蝋ラップについて書かれていた記事などを読んで、これはパンの保存用に使えそう、と期待が高かったんです。

 

casse-pied.hatenablog.com

自分が書いた記事ですが、2年もすると忘れてます。

この頃は週に二度パンを焼いていたんですね、今は週末だけです。

 

 

これで結構いけるじゃないか、と思ったんですが、実は夫が嫌がりまして。

 

冷凍庫から出した状態の蜜蝋ラップはゴワゴワとかたく、パンを取り出して包み直す時に大雑把な夫はうまく包みなおせないようで、イライラーっとするようです。

そんなに嫌がらなくても、ちょっと丁寧に包んであげようかな、って思えないものか、と思いますが、面倒くさいと感じるものはしょうがない。

 

 

うちで焼いたパン、食べるのは主に夫なので食べる人が冷凍庫から出し入れする時に扱いにくいと感じるのはやっぱり良くありません。

 

しばらく蜜蝋ラップでの保存を続けてみましたが、面倒くさいと感じて蜜蝋ラップに包んだパンに手を出さないでプラスティック袋に入れた方ばかり食べるようになった夫。

 

焼いた後のパンの処理(スライスして、、)をしないでおくと、速攻でプラスティック袋を探してきてそれに入れて冷凍庫に入れてしまう夫。

 

そこまで嫌か!笑

 

 

で、まあ蜜蝋ラップ入りのも食べなきゃ、と開けてみたら、表面が乾燥し始めていたんです。

これはあかん。

 

と言うことで、家にあった分厚い使い回しのプラスティック袋での保存に舞い戻りました。

 

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夫が買ってきてた市販のパンの空袋があったので今日は新品の使い回し袋利用

 

プラスティックの袋って、洗って何度も使い続けることを想定して作られていませんので、洗いにくいし乾かしにくいし、使ってるうちに角に穴が空いてきますし、本当になんとかならんものか、と思っていたのです。

 

マモさんが試された製品も、冷凍庫内での乾燥は防げないようで、残念。

 

 

カウンタートップにおいておくブレッド・ボックスなども興味はあるんですが、プラスティックの袋に入れてしまうとカビに繋がるパンの保存、箱に入れておくことで、カビは発生しにくいらしいけれども、パンの表面が硬くなっていくことは避けられませんよね。

 

焼いた後三日以内くらいに食べ切れるのなら、ブレッド・ボックスでの保存が一番良さそうですけどね。

 

 

三日に一度パンを焼く、て言うのは私の生活のリズムではちょっと厳しい、、それに、そんなにしょっちゅうパンを食べたいと思わないので、これはやっぱりむり。

 

冷凍庫にもっと広々と余裕があったら、パンを丸々入れておけるプラスティック製の大きめタッパ容器に蜜蝋ラップで軽く包んで入れる、、などが良いだろうなあ、と夢想するのですが、そんな容器を入れるほど冷凍庫に余裕がありません。

 

が、次に試すなら、うちの場合はタッパかな。

 

 

冷凍庫に入っている食料品を整理して、ちょっと考えてみます。 


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ジュンクフードはジャンクフード、加工食品は加工食品

一月も終わりですね。

Veganuary、今年も盛り上がりを見せたのでしょうか。

ヴィーガン関連のニュースは主にネットで見かけた記事を読んで収集するのですが、ヴィーガン関連のお話とプラスティック汚染関連のお話がどんどん流れてくるその源はUK方面であることがかなり多いです。

 

ヴィーガン挑戦中の読者向けに、楽しく美味しそうな記事満載のThe Guardianとか。

www.theguardian.com

 

ここ一二ヶ月、ヴィーガン記事を目にする頻度が急上昇。

本当が嘘か知りませんが、UKでのヴィーガン率が急上昇したと言うのもどこかで目にしました。

ただそう言う報告はどんな統計を基にしているのか不明ですけれど。

 

 

 

そんなことは置いといて、世間でヴィーガンと言う生き方への認知度と受け入れ度と参加者が増えているらしいことは、多分確かですよね。

 

と言うことは、そろそろ反動記事も増えるかな、、と思ったらやっぱり出てきました。笑

 

まあ前からありますけれど、「ヴィーガンダイエットは体にいいって言うのは大嘘だ」とかね。

 

だいたいこう言う記事は、ヴィーガンの利点を否定するのではなくて、ヴィーガンダイエットを単純化して宣伝が行きすぎて誤解を招いて発生したであろう勘違いを指摘して、メディアの質によっては「だからヴィーガンは危険!」に落ち着いたり「ヴィーガンだからってヘルシーとは言い切れないから要注意!」に落ち着いたり。

 

今回の記事はBBCですので、ある程度落ち着いた感じで、注意を喚起する感じです。

 

www.bbc.com

 

 

ジャンクフードはジャンクフード

動物性食品が入ってないからって体に良いわけじゃないですよ、って当たり前。

 

 

植物性の揚げ油で揚げたポテトフライを食べ続けててもそれは「プラントベース」の「ヴィーガン」ダイエットですから、ヴィーガン=健康的、と言う単純な考え方が成立しないと言うのは明らか。

 

個人的にはインポッシブル及びビヨンドミートの「肉そっくり」プラントベースのバーガーは、健康にも環境にも良いとは思っていません。

 

健康に良いかどうか、と言う言い方は定義が曖昧ですけれど、肉であれ加工食品であれ、それをたまにちょっと食べたからと言って寿命が縮まるとか心臓が止まるとか、そう言う極端な結末に直結するとは個人的には思わないのですが、習慣的に食べるとやっぱり良く無いでしょ、と思います。

 

牛肉が環境に悪い、と言うのは、畜産業の世界的な大量生産システムの与える土壌や水資源汚染と、牛の出すメタンガスによるグリーンハウスガス排出量の問題、それに、畜産製造プラントを建築するべく森林伐採が横行してレインフォレストが失われてしまうと言う問題、これらの理由があげられます。

 

牛の飼育を止めることでこう言った環境破壊行為が抑えられるのは素晴らしいですが、偽肉を加工するために必要な素材だって空から降ってくるわけではないですから、現在消費されている牛肉の量と同じだけのインポッシブル・バーガーを生産することになったら、別の経路でやはり似たような環境負荷が生じると思うのです。

 

 

 

記事の話に戻りましょう。

 

 

記事中ではプラントベースの栄養素が動物性のものよりも劣る、というようなことも書かれていました。

 

私は栄養学を学んだわけではないので、栄養士と名乗る方にそう指摘されると「え?そうなの?」と思いがちですが、「栄養士」や「医師」が書いた記事でヴィーガンダイエットで十分摂取できる、と書かれたものも、ヴィーガンではだめだ、と書かれたものも両方いくつも読んできましたので、この際この記事を読んで再び慌てる気持ちにはなりません。

ダイエットピルの販売促進に名前を連ねる「医師」だって「医師」ですし、ね。

 

記事中には、ヴィーガン・ダイエットによって不足する栄養素のせいで何年も先に骨が脆くなってもそれがヴィーガン・ダイエットのせいだとは気がつかないかもしれない、頭がボーッとしてはっきり思考ができないなあと感じていてもそれがビタミンB12不足のせいだとは気がつかないかもしれない、などと恐ろしくなるような書き方がされてました。

 

肉や魚を食べていようとヴィーガンだろうと、加工食品ばかり食べていたり不規則な食事をしていたり、運動不足だったり日照時間の短い地域でその対策を怠っていたり、いろいろな理由から骨や筋肉が弱ったりすることは大いにあり得ます。

 

ビタミンB12だって、必要量はほんの少しですから、肉をばくばく食べないと足りないわけではありません。

私は錠剤を飲んでますけれど、ヴィーガンやヴェジタリアンが使いがちなプラントベースのミルクやヴェジ・ミート系の食品にはだいたいB12が添加されています。(カナダではそうですけれど、国や地域で違う可能性もありますので必ず成分表を確認してください。)

動物性食品を食べていようがいまいが、50歳を過ぎる頃から体がB12を吸収する能力が衰え始めるので、ヴェジであろうとなかろうと食事以外からB12を摂取するようにした方が良いという話もあります。

 

そんな細かいことは気にしなくていい、と判断する人もいるでしょうし、じゃあそうしておこうか、と思う人もいるでしょうし、そこらへんの判断はヴィーガンダイエットだから、とか肉も食べるから、とか、あんまり関係ないように思います。

 

いずれにせよ、現在健康に問題があったり病気などの深刻な理由でヴィーガン・ダイエットへの移行を考えている方は、ネット上の記事などを根拠に自己判断せず、信頼のおける栄養士さんに相談するべきだと思います。

 

 

食糧生産構造の罪 

ヴィーガン・ダイエットに切り替えたから、食糧生産のために行われる森林伐採や人権問題などと言った悪行にカタンしていないわけだから、気持ちがスッキリだわ、、と思って生きていけたら簡単で素晴らしいでしょうけれど、そういう単純なものでないのが悲しい現実です。

 

アーモンドミルクの生産に使われるアーモンド栽培や、ヴィーガンでなくても近年かなりヒップなカフェ系で幅広く人気なアヴォカド栽培、プラントベースのクリームを作ったりするのに頻繁に利用されるカシュウナッツの加工の際に行われる労働者への扱いなど、プラント・ベースでも問題のある食品はいくらでもあります。

 

casse-pied.hatenablog.com

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加工食品と外食の塩分

先日ニューヨークで食べたヴィーガンの一品の中にも、塩分がきついなー、とちょっとビックリしたものもありました。

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美味しかったけど味が濃かった丼

外食で塩分が多いことって結構ありますよね。

加工食品と外食はやっぱりどんなものであれ、中に何がどのくらい入っているのか把握しきれない食べ物。

記事に指摘されている加工食品に加えてヴィーガンの外食メニューも塩分が濃いな、と感じることって結構あります。

ヴィーガンじゃない外食でもそう感じた覚えはありますが、ヴィーガンの場合、作ってる方がヴィーガンじゃない方の場合、味が薄いと感じて塩を一振り余計に入れてるのではないか、と感じることがあります。

 

普通に毎日の暮らしを営んでいる庶民にとって、加工食品も外食も一切頼らないで全て手作りで、というのは現実的ではありませんけれど、やっぱり頻度を抑えめにしたり量を控えめにしたり、意識して口に入れる量をコントロールするべきですよね。

 

 

 

UKあたりでは二月はチーズの売れ行きが上がるのかしら


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映画、パラサイト観てきました

世間での評判も上々ですが、友人数人からも、これ良いよー、と推薦されて、ではでは、、、と出掛けてきました。

 

 

評判が良いだけに、上映スケジュールに載っている時間より15分後、トレイラーや広告の上映が終わる頃に入場したら、なんと九割がた席が埋まってました。

 

先日観に行ったDark Watersは割引きになる火曜の夕方でも客席半分くらいしか埋まっていなかったことを考えると、この作品、やっぱり評判が良いんですね。

 

 

この監督の作品を観たのも初めて、映画の予備知識も無しで、タイトルと、韓国の現代社会の経済格差の問題をテーマにしたコメディーだ、という触れ込みだけで見始めました。

 

やー、面白かった。

 

邦題は「パラサイト  半地下の家族」

ですが英語圏でのタイトルは PARASITE のみ。

 

社会の底辺にいる人たちが生存のために逞しく工夫している様子を想像させますが、パラサイトと言うだけに、「逞しく」と言うよりは「図々しく」ネガティブな見え方に焦点が当てられているんだろうな、と思わせるタイトル。

以前かなり話題になった英国のTVシリーズ、Shamelessシェイムレス(恥知らずな)を思い起こすようなタイトルです。

 

途中までは単なるコメディ映画として面白かったです。

それこそShamelessシェイムレスの韓国版というノリで。

でもそこで終わらなかった。

そこで終わってたらここまで評判にはならないでしょうし。

 

途中で思いもかけない展開があり、ただ笑ってるだけの話じゃなくなり、冒頭で単純に、白か黒かという感じに提示された貧富の差が、もうちょっとねじれてくるのです。

 

観に行って良かった、お勧めです。

 

 

 

この続きはネタバレになるかどうかは不明ですが、これからご覧になる予定の方はこのポスターの先に書いてあることは読まない方が良いかもしれませんのでご注意ください。

 

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物語が進むにつれ、それまで一部の登場人物たちに隠されていた部分が徐々に現れてきて、最終的には全部が明らかになるカオスが巻き起こりますが、ここで私はちょっとプロットの展開と登場人物の心理や行動の描写の展開とのギャップに引っかかってしまいました。

匂いや階段といったメタファーが存分にちりばめられていますし、言いたいことはわかるけど、やっぱりあそこは無理があるなー。

 

あと個人的にはモールス信号のディテールには無理があるように感じます。

 

 

その辺りの細かいことは気になりましたが、この映画が見せている(韓国だけに限らない)現代社会の、固定化した貧富の差のありさまとか、いかに下層で虐げられている人々がそこから抜け出すために協力できないでいるのか、戦う相手を間違えているのか、など、興味深く思います。

 

正直なところ、字幕ものは字幕を読んでる間に画面の細部を見逃している気持ちがするのと、馴染みのない文化圏の作品の場合は特に人物の名前が途中で混乱してしまいます。

なのでこの作品ももう一度観直したいと思っています。

 

 

映画の中で登場人物が食べるものにも気持ちが行きますが、今回はキム一家がどこかの社食みたいなところで食べてる食べ物と、家の持ち主のパク一家が戻ってくると言うので大急ぎで作ったインスタント麺(でも肉の塊入り)がとても気になりました。

 

 

 

いくらなんでもあんな肉の塊を入れたインスタント麺を韓国のみなさんがいつも食べてるとは思いませんけれど。


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