食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

日本では、クリスマスに***を食べるって本当?

クリスマスが終わりましたね。

日本ではこれから大晦日にかけて、お正月を迎える準備で皆さん大忙しのことと思います。

北米のキリスト教の人々は、個人差はあれ、だいたいがクリスマスツリーや表の電飾やらなんやらは1月6日まで飾りっぱなしです。なぜなら、クリスマスの12日間(12月26日から1月6日まで)は、クリスマスを祝う時期だから。

だから市のゴミ回収トラックが道端に捨てられているクリスマスツリーを回収するのもそれ以降になります。

さて、クリスマス前の時期、キリスト教人口の多い国に住む日本人は多分「日本ではクリスマスはお祝いするの?」等、聞かれることが多いと思います。

最近よく聞かれるようになったのは、

「日本では、クリスマスに、ケン*ッキー・フライ*チキンを食べるっていうのは、本当?」

という質問です。

これって、スパムを食べるって本当?の質問と同様に、なんというか、聞く方も聞かれる方も恥じらいというか聞いちゃいけないことを聞いてるかもしれない、あんまり堂々と話せないことを聞かれちゃった、という雰囲気で、妙におかしいのです。

これを聞かれるたびに、私は、自分が覚えている限り現実的な日本のクリスマス事情をわかりやすく説明しようと頑張るのですが、人によっては理解に苦しむようです。

「なぜ、よりにもよって、K*C?」

日本では今でも、ケンタッキーの鶏の揚げたの、という名前で通っていますが、北米では(多分欧州でもそうなんでは?と思いますが)「揚げた」という部分が健康志向の人々にウケないため、頭文字をとって、K・*・C と呼ばれています。

そして、普通に健康に気を配る人々が口を揃えて「あんなところでは食べないわー」と言う、ジャンクフードのチェーン店の代表的な存在と見られていると断言できると思います。

もちろん揚げ物が一般的に根強い人気なアメリカの南部とか、野菜まで揚げたものが普通だというとある州などでは、あんまりそう言った位置付けではないかもしれません。K*Cで食事してきた、美味しかった、と普通にいう人たちはもちろんいます。そうでなければあのチェーン店は全部潰れてしまうでしょうからね。

でも一般的に言って、「あそこの食べ物を好んで食べるのは、貧困層もしくは教育を受けていない無知な人々」という認識が普及しています。

だからこそ「あの、ヘルシーな食事で知られている、日本人が、あの、ジャンクで有名なK*Cの、ギットギトの脂っこい揚げ物を、なぜよりによってクリスマスに食べる?」

という、受け止められ方になるわけです。

ケン*ッキー・フライド・*キン 

日本ではあんまりそういう感じはありませんよね。

なぜなんでしょう。

日本では添加物が横行しているせいで、人々の味覚が慣らされてしまっていて、みんなあんまりいちいち吟味しないで盲信してしまっているからだろうか、という気もしてしまいます。

または、ひょっとしたら、日本の支店で売られているメニューは、素材も調理法も北米のそれよりは質がましなので、そんなに粗悪品でもない、、なんていうことがありうるのかもしれない、、という気もします。

実際のところは自分で日本の支店に出向いて食べてみないことにはわかりませんが、そうする気はありませんので、謎は謎のまま。

それに、日本では、食事の好みとか行くレストランがそんなにも直接的に人々の社会階層とか教育レベルを反映していないというか、そういう見方が一般的ではないという気もします。 

最近では日本の社会でも貧富の差が広がりつつあるとか、厚生省だかどこかが、食べ物の傾向と社会階層の関連について発表したとか、アメリカ化現象が起きているような話も聞きますが、まだまだアメリカの比ではないですし、人々の認識のレベルではまだまだ、「あの店に出入りしてるのは貧困層がメイン」というようなのはないでしょう。

あのチェーン店が日本では今でも人々の間で人気な理由は、そういう次第で、謎を多く含むままではあります。

 

では、なぜクリスマスにあれを食べるのか?という問題についてはどうでしょう。

これは、日本では伝統的に七面鳥を食べる習慣などなかった(七面鳥ってそもそも日本に生息しているのか?)ことと関連があるのでしょう。

大きな七面鳥を丸焼きにして、それを日本人の一家が食べきるには、何週間かかるでしょうか。それに日本の台所には大きなオーブンがデフォルトで設置されているわけではありませんから、肉屋がクリスマス前に丸のままの七面鳥を陳列しても、売れないでしょう。

鶏肉だったらサイズ的にはかなりこじんまりしますから、クリスマスには是非とも丸焼きの鳥を食べたいと思う人たちは、鶏肉で代用しているのでしょうか。

しかしクリスマスが祝日ではない日本の人々はきっと思ったことでしょう。

「小さな鶏一羽にしたって、家に帰ってから詰め物の準備をして付け合わせの野菜と一緒にオーブンに放り込んでも、鶏肉は火が通るまで結構時間がかかるから夕食の支度ができるまでには2時間くらいかかっちゃうわ。それは困るわ。」と。

そこで、忙しい主婦や働く主婦の需要を狙って、日本のK*Cが、「クリスマスにはうちの商品を買って帰って、家族みんなで(簡単に)美味しくクリスマスを過ごしてみてはいかが」とマーケティング戦略を繰り広げたのではないでしょうか。

主婦でなくても、一人暮らしの人や友達同士で集まって何か食べるというときに、出来合いのものを買って帰ってそれをつまみに、、というのは簡単でいいですからね。

まあ、もともと伝統的な祝日ではないところに、商業的な部分だけ持ち込まれたクリスマス。いや、キリスト教のミッショナリーなどは真剣に布教の一環として正しいクリスマスを広めたかったでしょうけれど、人々に幅広く受け入れられた日本のクリスマスは、キリスト教の伝統とは懸け離れたもの。

ここに付け込んでうまいこと「日本のクリスマスといえば、この店のフライドチキン」と思わせることに成功したあのチェーン店は、マーケティングの成功例と言えるのでしょうね。

 

ついでに言うと、なぜ日本ではクリスマスイブの方がクリスマス当日よりも大事な日扱いされているのか、という謎もありますね。なぜなんでしょう?


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