イングランドやウェールズ、はたまた去年初めて訪問したアイルランド、私の中での「美しい田舎」のランキング一位です(三ヶ国同点一位)
それに引き換え、モントリオール周辺の田舎は全く美しくなくてダメだな!
ケベックでもモントリオールから日帰りできないようなもうちょっと離れた田舎は美しく、素晴らしいところがたくさんあるのですが、何しろモントリオール近辺がダメ!(偉そう)
大都市(日本の基準ではなく)の近辺はどうしてもそうなるよね、と思われるかもしれませんが、ヨーロッパや英国(Brexit前にすでに別枠)はたまたアメリカの東北地方(ニューイングランドとも)なんか、都市をでたな、と思ったらもう直ぐきっぱりと田舎の風景です。
モントリオール周辺みたいにダラダラグジグジ都市生活への未練を残した風景が続かない。
都市生活への未練みたいに見えるそれは、ショッピングモールのことなんですけれど。
それに大きな醜い看板。
北米は土地が豊富。
車が発明されたかそのあとかくらいに都市開発が始まったところばかりだから、街も建物もだだっ広くて、醜いものが多い。(主観です)
ウェールズやイングランド、アイルランド(リパブリックです、北は未訪問なので知りません)に見られる田舎の景色の美しさって何だろう。
ということで、個人の全くの独断による美しい田舎の条件を考えてみました。
- 緑が豊か(砂漠気候の土地を訪問したことがないため、緑が豊かではない土地に美しさがあったとしてもそれを知らないゆえの独断です。)
- 水も綺麗(海でも川でも湖でも可。運河も汚れてなければ可)
- 建物に使われている建材のプラスティック率、アルミ率が低い
- 集落のなかの建物のデザインが全体にバランスが取れている
- でかでかとビルボードが道路脇の風景を汚していない
- 丘や自然の起伏が集落と合まって美しい(平らでだだっ広いところに住んでいるせいで起伏のある地形への憧れが強まっただけかも)
- ゴミが捨てられていたり落書きがされていたりしない(当然!)
1)緑が豊かなのが美しいと感じるのは私に限ったことではありませんが、一年の半分が灰色や白に覆われてしまう土地にいるので、緑を見ると癒されます。
英国の田舎のヘッジ・ロウという、いわゆる生垣に挟まれた田舎道を歩いて、いろいろな植物の緑色をみて大変感動しました。
ぱっと見はユニフォームでなんてことない生垣に見えますが、よく見るといろんな植物が混ざっています。
ちなみにこの道、大人が三人くらい肩を並べて歩いて余裕の道幅です、と言えば生垣の高さが想像できますでしょうか。
2)水については、ちょっと前にぷかしゅ(id:pucayu)さんのブログで海のない国では暮らせないかも、というお話を読んで気が付いたのですが、私も、海がない土地に住んでいるため、たまに猛烈に海を見たくなります。
海がダメなら湖、川、運河でもいい、水だ、水を見せてくれ!と。笑
これらの水質はもちろん良いに越したことはない、、いや、汚い水を見たときのガッカリ度はかなりなもの。
3と4)建物の建材、天然素材や伝統的素材が一番落ち着きます。
昔からの建物はその点は完成度も高い(たとえボロボロで雨漏りする家でも見かけはステキだったりするし)ので安心感あります(住むと手入れが大変で全く安心できませんが。)
でも昔の家ばかりな村の建物の中に、デザインが斬新で凝ってる家があっても、その家が周りと調和するように考慮されていて馴染んでいれば別に新しいからだめ、とは思いません。
ただ安い建材でごまかした建物はやっぱり素人目にもわかりますからね、そういうのは嫌です。
自宅のリノヴェーションをした経験上、予算の制限のせいで美しさばかり優先できないという現状も理解しておりますが、やっぱり安いものは安く見えるし、年数が経つとボロが出やすい傾向にもありますよね。
5)看板、嫌いです。
日本で新幹線に乗ってると、窓から見た風景の3割くらいは看板な気がして、田園風景なんか看板でかなり邪魔されてて、そういう看板で広告打ってる企業や商店には絶対お金を落としてやるもんか、とすら思います。
北米は高速道路から見える要所要所にビルボードがあったりして、これも醜いですが、北米の場合はビルボードが目線を上げたところにありますね。
6)ケベック州南部は結構平べったいのです。モントリオールは島の真ん中の山(丘ですが)があるので坂もありますが、全体的にはやっぱり平べったい。
その上集落がまとまっているヨーロッパの田舎と比べると、モントリオール周辺の田舎、大きめな町と町との間にもバラバラと住宅地が点在し、その間にショッピングモールが広がる、という、メリハリのない状態です。
ショッピングモールも、どこのモールに行っても同じチェーン店が入ってるんですよね。
こういうチェーン店は仮にケベックをでてお隣のオンタリオに行ってもやっぱり見かけるし、アメリカに行っても、ロンドンでもリスボンでもパリでも東京でも見かけるので、はっきり言って胸焼け気味です。
そうそう、美しいウェールズの山間の村、有名なスノウドニア国立公園内の山の登山口へ向かう途中で、まさかのス*ーバックスが出店してるのを見て大変ガッカリしましたよ。
完全なるEyesoreです。
7)ゴミや落書き、これは説明を要しませんよね。
田舎=自然ではない
田舎は都会から離れていて、自然に近いところに存在しますけれど、田舎=手付かずの大自然ではない。
むしろヨーロッパなど昔から人々が住んで開発し続けている土地にある田舎は、人の手がしっかり入っていて、きっちり管理されている文明圏だと感じます。
でも、きっちりと「この自然はこういう風に保ちましょう」というコントロールが利いているのが、早くから人間が住み始めたヨーロッパや英国の田舎かなと感じます。
北米の場合は手付かずに近い自然が比較的多く残っていますけれど、管理の仕方が「**国立天然自然公園」というエリアの確保をすることであって、基本的にそういう公園内には村や人家はありませんが、その周辺にはだらだら広がるサバービアが存在していて、美しくない。(モントリオール近辺の話)
なぜこんなことを考えたかと言いますと、ウェールズで歩いた山や丘の頂上からの眺めが、見渡す限り美しい田舎だった(モントリオール近辺の山からだと、サバービアやショッピングモールが目に入ります。)から。
美しい景観はそこに住んでいる住人が長い時間を経て保ってきたもの。
醜いショッピングモールや開発事業に手を出さないでずっと来ているのは凄いことだと思います。
旅って無い物ねだりに火を付けると言いますか、非現実への憧れを盛り立てますね。