カナダ連邦政府、使い捨てプラスティック製品の一部を2021年末までに全面禁止
政府が禁止する予定であると発表した使い捨てプラスティックアイテムは
- チェックアウトバッグ (所謂レジ袋)
- ストロー
- 攪拌棒 (ファーストフードやチェーンのカフェなど、砂糖やミルクを入れてかき混ぜるためのプラスティック棒を提供していますが、あれのこと)
- 6パックリング(缶ビールなど、缶を6つ並べて繋いだ状態にするためのプラスティックリング)
- カトラリー (テイクアウトについてくるフォークやナイフ、スプーンなど)
- 一部のテイクアウト容器
この動きは、2030年までにプラスチック廃棄物をゼロにするための最初の一歩ということらしいです。
こんなんであと10年でゼロにすることができるのか、というのは置いといて。
2年ほど前にはモントリオール市でレジ袋禁止が実行されましたが、当時のレジ袋の袋の厚さを指定した禁止条例だったため、大手スーパーが分厚いレジ袋をそれまでの倍の金額でレジで配布するようになり、今では「レジ袋禁止」ではなくて「レジ袋が分厚くなって高くなった」だけなような意味不明なことになっています。
そういう抜け穴があったら意味はないので、連邦政府のこの決定、どうなのか、期待したいようなできないような気持ちです。
簡単にやめられない・レストランなどの業者
上のリンクではカフェ経営者がインタビューされていますが、パンデミックでテイクアウトでの販売のみになっている昨今、テイクアウト容器にかかるコストが高すぎて大変な様子です。
この場面でチラッと写っている容器も袋もバイオデグレーダブルのものなので、この方は「行政が禁止するから仕方なく」プラスティックを避けているわけではなさそうですが、理由はどうあれ、コストが高ければ経営者としては苦しいのは当然。
パンデミックが始まるほんの少し前に業者用の使い捨て容器やバッグなどが置いてある店に行った折、やはり発泡スチロールの容器とバイオデグレーダブルの容器の単価の差をまざまざと見て、そりゃあ家族経営などの小さなお店は綺麗事言ってられないわ、と思ったのでした。
これが連邦政府による禁止アイテムとなるならば、小規模のお店をサポートする対策が必要ですよね。
経済活動の邪魔するな・石油産出とプラスティック製品加工
上のリンクのビデオの後半では石油産業が経済の主軸であるアルバータ州政府のエネルギー大臣が連邦政府への苛立ちを表明しています。
石油産業にとっては環境保護関連の政策は産業発展の邪魔になるわけですね。
プラスティック製品は石油製品ですから、それらの需要が削られるのは確かに迷惑でしょう。
石油製品全てが製造販売されなくなるというわけではありませんが、気候変動やプラスティック汚染など、石油産業は今後どんどん「迷惑な」政策の槍玉にあげられて行くのは時代の流れ。
過去には石炭とか、馬車やオイルランプなどが近代的なものにとって変わられて廃れて行きました。
同じことが将来どんどんと起こるのでしょうけれど、石油はエネルギー源としてもものすごく影響力がありますが、それ以外にもあらゆる分野に使われてきた資源ですから、シフトする動きに対する反発のエネルギーも大きいですね。
ほんの一部に過ぎない
エンバイロメンタリスト、環境保護運動家たちに言わせると、今回の連邦政府の決定はまだまだ不足です。
このニュースを目にして、夫に「今度は連邦政府がプラスティック禁止するらしいよ」と言ったところ、夫「ウォーターボトルを禁止にしないなんておかしな話だね」と。
私もそう感じたのですが、多分使い捨てウォーターボトルを禁止にしてしまうと、災害時に食料や水を被害者に届ける際などに弊害が出るなど、水は一番禁止しにくいのではないかなと。
我が職場でも、以前は水道水に氷を入れたピッチャーをカウンターに設置し、横にカップを並べて水を提供していたのですが、パンデミックの現状下、ジャグやカップを不特定多数が触ることは避けたいので、一人ずつボトルごと持っていけるように500ml入りの使い捨てボトル入りの水を提供し始めました。
ものすごーく抵抗ありますけれどね、ジャグの取手を1日に何人が触ることになるだろうかと思うとやはり必要悪かなと判断しました。
水はさておき、私は今回の連邦政府の取り決めに、パッケージのプラスティックが一切触れられていないのは残念だと感じました。
無駄なプラスティックパッケージを減らす、と言っても、パッケージの形状は多岐に渡りすぎて規制をかけにくいのかとも思いますが、なくて良いプラスティックをかぶせるのをやめてくれたらどんなに良いか、、、と思います。