食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

Jean Michel Basquiat展に行ってきました

The Montreal Museum of Fine Arts 正面入り口

 

Jean Michel Basquiat

若い頃、バスキア大好きだったんですよ。

というか、バスキアがすごく有名になった頃私も若かったってことですが。

 

キース・ヘリングも流行ってましたが、彼のグラフィティはあんまりピンとこなくて、スッキリまっすぐなマーカーのラインで描かれたモチーフの繰り返しよりも、バスキアのラフでギザギザで原色な感じの方が勢いというか、訴えてくるものを感じたというか。

私が好きだったジャズ・ミュージシャンの名前が作品のあちこちに登場するし。

 

アンディー・ウォーホルと親しくなり、瞬く間に知名度が上がり、作品にものすごい高値が付くようになり、ヨーローッパなんかにも招待されて展覧会が行われるようになったりして、急激に知名度と手持ちの現金が増え、そして27歳の若さで亡くなってしまいます。

ヘロインのODだったかな。

 

今の私の年齢からするとうんと若いかれ、(亡くなった当時はうんと年上の彼でしたけど)「有名」アーティストとして消費の対象になって精神がすり減ってしまったんではないかと思います。

 

当時の私は消費者の一人でしたけれども。

 

www.theguardian.com

モントリオールの美術館、The Montreal Museum of Fine Artsで開催中のバスキア展、彼の作品と音楽とのつながりをフィーチャーしつつ、彼の思考メモ?というべきノートのページの数々やパーティーのチラシや彼が所有していたジャズのレコードなどまで、幅広く深くバスキアという青年を掘り下げるものでした。

 

壁一面に展示された彼のノートのページ一枚一枚を読みながら、こんなにプライベートなものまでジロジロ見せ物にされてしまうのは彼としては嫌じゃないのか、とか、大体アーティストだからって個人のことをこうも根掘り葉掘り探り出して持ち物や人間関係や手紙や下書きみたいなものまで全て見てやるぜ!というような姿勢っていうのは、アートを楽しむ人たちの特権なのだろうか、余計なお世話なんじゃないのか、なんて疑問が頭をよぎりました。

展示を全て見終わって出てくるとすぐに繰り広げられる、アーティスト消費現場=お土産ショップ

彼のノートから興味深いページを選りすぐって編集されたと思われる、ノートの様相を模した本が販売されていて(20ドルちょっとだったかな)ちょっと心が動きましたが、彼自身が販売を想定して書いたものでもないし、なんかなー、と思ってこれは思いとどまり、昔持っていたバスキアTシャツは穴が空いて捨ててしまったので、何か新しく買おうかな、と見てみたら一着85ドルという値段で(パーカとかはもっとすごい値段なのかな)これも、この収益はどこに行くのか?なぜそんなに吹っかけてるのか?とスッキリしないので買わず、ポストカードも大判とはいえ一枚3ドル、キーチェーンとかお皿とか、もろに「アーティストの過去の作品で儲けたるで」という消費アイテムは見るだけで胸いっぱい。

 

彼の作品はものすごい金額がついてて庶民の手が届くものではありませんが、ちょっと前にどこかの美術館が偽物を掴まされていたことが判明した、とかそういう話もありましたね。

 

アートって、その作家の作品を好きになるという次元を超えて、その作品が投資対象になったり偽物が出回ったり、土産商品化されるようになったら、そこでもう何か大事なものが失われてしまって、別のものに変化しているという気がします。

と、Tシャツ欲しいなと思ってた自分がいうのもあれですが。

いや、あのノート本も実はやっぱり気になってます。うーん。

 

夫に話したら「才能のあるアーティストのプライベートな思考が書き込まれたノートは全人類のために公開されると考えるのは不思議じゃない、それが彼の運命だったんだ、という考え方もある」と。

確かに、アーティストや作家、政治家、活動家、あらゆる名の知れた人たちの生前の記録や手紙や人生は多くの人が手に取って読んだり研究する対象になっています。

 

でも、そんなの27歳の若者には重すぎないか、人類が一人の才能のある人間のプライベートな思考から何を得るってんだい?と食い下がってみたら、まあこれは議論の分かれるところかもねえ、と。

 

 

展示された作品の一部に日本語発見 

何箇所かありましたが、交流のあった日本人アーティストにもらったのでしょうか、トーヨーの折り紙のパッケージをスケッチしたみたいな。↓

他にも、乾という漢字に似たような文字が隅っこにちょこんと書かれているものもあったり、中国語の漢字が書かれているものもあったり、彼に取っては外国語で意味もよくわかならい象形文字ですが、興味をそそったんでしょうね。

 

 

ガーディアンの記事に紹介されているバスキアの妹さんたちがシェアしているバスキアがよく聞いていた音楽を繋げたファイルを聴いてみていますが、あらゆるジャズと80年代、70年代のポップミュージックも入り混じり、子供時代〜高校生くらいまでの時期を一気に思い出しました。

 

 

ひっそりとアーバス展

別の建物ではダイアン・アーバスの写真展もあったので観てきましたが、正面玄関上のバナー(冒頭の写真)にも出てる割には地味な、バスキアの展示に比べるとうんとひっそりとした展示会場

でした。

ゆっくり観られて良かったですが。

ダイアン・アーバス展、写真撮影禁止だったとは気がつきませんでした(でも撮影してませんけど)


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