やはりせっかく日本に来ているので、家の中ばかりではもったいないと、また一日お暇をもらってちょっくら墨田区の北斎美術館まででかけてきました。
別に北斎ファンってわけじゃないんですけどね。
あんまり大きな美術館だと見るものが多すぎて帰れなくなるし、浮世絵、北斎関連、に絞り込んでくれている美術館だからちょうどよいでしょう。
今回の企画展はかなり楽しめました。
常設展も、前に見たものではあるけれどやっぱりきちんと見ましたよ。
平日の午前中だからすいてるだろうと思ったらわりと大勢見に来ていましたけれど、それでもちょっと待てばちゃんと目の前のモノを目の前で見ることができました。
北斎漫画をはじめ、当時の出版物のレプリカを「立ち読み」できるコーナーがあったんですが、そこも結構みんな釘付けでしたけど、ちゃんと手に取ってみることができました。
あー、楽しかった。
たまに息抜きするのはやはり大事ですね。
そして空調のきちんと効いたところでしばらく楽しめたのもすごくよかった。
この後、お昼を食べにささやカフェに行ってきました。
北斎美術館からささやカフェまではスカイツリー方面へいく途中の中間地点、、よりはスカイツリー寄りか。
暑いので新しい店を開拓しにフラフラする気分にもなれず、とにかく暑くならないように日陰が続いてる側を歩いて、信号待ちの時も何かの影に隠れて。
やっとたどり着いたころにはお昼のお客さんがどっとやってきて去って行ったあとだったか、日替わりランチメニューの選択肢の一つは売り切れ(そっちのほうが惹かれるメニューでした)だったので、まだ残ってる「カレー」のコンボみたいなのを。
いやね、日本の「カフェ」って言われるところで「カレー」って若干抵抗があって、なんとなくいつも避けているんですが、なんと、とても美味しくいただきました。
ご飯は玄米だったしサラダもいかにもヴィーガン・カフェって感じ(インド系の店のサラダより美味しい、、)でしたけれど、サブジもダールもおいしかったです。
見くびっていてすみませんでした。
テンペをカツみたいに揚げたものがついてて「カツカレー」なんですが、前に来た時にも揚げ物(あのときはたしか車麩)があったんですが、衣ががっちりくっついてて食べ応えあるなあ、って思ったんでした。
どうやったらこんなにがっちり衣がくっつくんだろう。
素人にはわからないなにかがあるのか。
店内はのんびりできます。
先に注文して支払いをする際にお店の方に「ご滞在は2時間まで」と言われたんですが、居心地いいから長いする人がいるんでしょうかね。
のんびりご飯をいただいて、携帯で新聞記事を一つ読んで、ゆっくり休んで出ましたけど、1時間でした。
友達と一緒だったりしたら2時間くらいは軽くいっちゃいそうですけどね。
芸術作品を楽しみたい気持ちと芸術作品と金持ちの気持ちと
北斎美術館へ行く途中の電車の中では、NYTのアプリである記事を読んでいました。
The Inheritance Case That Could Unravel an Art Dynasty というタイトルのこの記事は、高価な美術品(記事の中に登場する人々が扱うのは絵画)の売買でものすごい超大富豪になった人々(とその一族)がどんな汚いやり方で富を独占しつつさらに拡大してきたか、、の話。
英語ではものすごい富豪が貪欲に汚いやりかたで富を独占している様子をFilthy wealth とかfilthy richとか、とにかく金持ってる人たちってのは汚いんだよ、ということを表現しますが、日本語にはあんまりそういう言い方はないでしょうか。
せいぜい「成金」程度でしょうか。
この記事に書かれているような話はまあなんとなく大雑把には世間の知る(ささやかれている、聞いたような話)ところではあるんですが、でもここまで延々と詳細に描かれるとちょっとね、やるせない気分になります。
生前は全く自分の作品で潤うことのなかった芸術家の作品が何億という金額で売買される話とかね、狂ってるとしか思えないですよね。(汚い金持ちでない庶民の気持ち。)
ギフト記事ですのでクリックすれば読めます。ちょっと長いですけど音声でも聞けるようなので面倒な方はそちらで。
これを読んだ後で北斎美術館の展示をみていたら、やたらと同じ人の名前のコレクション所蔵(もしくは、そこから墨田区が購入した)とあって「なになに?私たちの北斎(急に)の作品もああいう汚い金持ちの富を増幅する手段になってたの?」と。
開国後、日本の美術品や貴重品が二束三文で欧米のコレクターのもとに売られたり持ってかれたりした歴史は知られてますけど、エジプトとかインドとかメソポタミアとか、泥棒が持ってった(ナポレオンとかナチスドイツとか)そういう話もありますしね。
それにしても、誰かが一生懸命作り上げたものを右から左に動かして何億って金額を得るひとたちってやっぱり汚いなー。
合法的にやってる場合は汚いなんて言ったら怒られますけれど、それでもやっぱりなんだかなー。
そういうアートディーラーとうまいことやって自分もちゃんと潤った芸術家だっているわけですけれど。
なんて思いながら食べたヴィーガン会食は美味しかった