食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

Happy St Patrick's day、春はそこまで来ています

冬中地面を覆っていた雪が溶け始め、植物が顔を出し始めます
モントリオールのSt Patrick's day

多くの北米の都市と同様、この日はモントリオールでも割と盛り上がります。

 

例年3月17日付近の週末にパレードが企画され、沿道にはギネスやキルケニーやアイリッシュウィスキーで上機嫌になった人々が押し寄せ、近辺のアイリッシュパブは東京のラッシュアワーの電車を思い起こす程(若干大袈裟)の混雑ぶり。

 

日本のお祭りと違い、パレードは特に目玉というかこれが見どころというイベントがあるわけではなくて、延々と参加している団体や企業の山車ならぬステージ付きの大型車にそろいのセーターやらパーカーやらを着て笑顔で手を振ってる雇われてるモデルの集団かもしくはその企業で働いている人々を乗せて進んでいき、その合間に徒歩で楽器を演奏しながら進むマーチングバンドがあったり、アイリッシュ・ラインダンスみたいなステップを披露しながら踊ってるグループが通ったり。

 

全く面白くないわけではないのですが、10分も観たら、じゃあパブ行きましょう、っていう感じのもの。

 

でもパブは大混雑。

 

寒いところにずっと立ってると、トイレを使いたくなります。

 

ダウンタウンにあちこち点在するアイリッシュパブはどこも混んでるから、まるで関係なさそうなスポーツバーに入ってみるものの、どこもやっぱり混雑していて、すぐに飲み物をオーダーできそうなところはあまりなく、いやそれよりも、トイレまでまっすぐ進んでいけないほど混んでる店の方が多い、、、というのが例年の現状(パンデミック前)

 

日本の都市部と違って北米では基本的に公衆便所があちこちに設置されていません。

 

だからこういう日にトイレを借りるのは、飲み屋のトイレが一番面倒がなくて良いのですが、大混雑の日はやっぱり無理。

 

数年前にマリワナ利用が合法化されて以来、道を歩いてたら匂ってくる頻度もやはり増えましたし(前から匂ってくるところでは匂ってきてましたが)人が集まって盛り上がる場面では自然と使う人も増えるんでしょう、アイリッシュ系の知人曰く、最近は若い人たち(これは彼女の偏見)がポットスモーキングパーティーに変えてしまったからパレードには行かなくなった、と。

 

パンデミックが始まった2020年はそういえばパレードがキャンセルされたんでしたっけ。

それを思うと、こうやって人々が再びパレードできるようになったのは平常に戻れたようで嬉しいことなんでしょうね。

 

何が楽しくてまだ雪が残ってる時期に(毎年天気はあんまりパッとしません)野外で冷えながら過ごすんだよ、と思うんですが、この日を祝うアイリッシュ系の人々の気持ちというか、なぜ本国ではなんてことないのによその地域でこんなに盛り上がるのか、、と言えば、やはり故郷を思う人々の郷愁や、特に北米ではアイルランドからの移民が多くやってきた当時、アイルランド系住民への差別などもあったというし、貧しく大変な時期を過ごした人々にとって、アイリッシュとしての誇りや自信を確認するイベント、みたいな意味合いがあればこそ、、、ということなんでしょう。

 

近年では本国アイルランドでもセント・パトリックスデーをお祝いするイベントが盛り上がってきたと聞きます。

 

www.cbc.ca

パレードには行かないけど、友達と集まって祝うとか、家族と集まってアイルランドの伝統的な食べ物を作って祝うとかももちろんあります。

コーンド・ビーフを食べるんだ、と聞くとつい缶詰のコーンビーフを連想してしまう日本人の私ですが、缶詰じゃなくて、塩で下処理した牛肉のことで、これがアイリッシュのご馳走なんだとか。

 

 

アイルランド系も北米東北地方の一部

アイルランドからの移民が大変な思いをしていた時代の記憶はそれほど遠い話ではなくて、フランク・マコートのAngela's Ashes や 'Tis などを読むと、現代に繋がっている感覚です。

 

Angela's Ashesは映画化もされましたね。

フランク・マコートの作品に出てくる弟のマラキーは実在の人物(実名)で、作品中に描かれているよりもうんとカラフルな人柄らしくて、Angela's Ashesが出版されて知られるようになる前はマラキーの方がフランクよりもニューヨークではよく知られていたキャラクターだったらしいです。

 

マラキー・マコート氏のことが先日のNYTに載っていました。

ギフト記事ですのでリンクをクリックすれば読めます。

www.nytimes.com

ニューヨークにも多く住むアイルランド系住民ですが、ケベック州にもたくさんいますよ。

ケベック州はカソリック系の住民が多いため、カソリック系のアイルランド出身者が馴染みやすかったようです。

日本から来たアジア人としてはピンと来ずらいものがあるんですが、北米へ移民してきたアイルランド人、ユダヤ人、イタリア人などなど、アジア人から見たらみんな白人じゃ?と思いますが、入植してきた当初はやはり差別対象だったんですよね。

 

宗教が違う(カソリックとかユダヤ教とか)生活習慣が若干違う、言葉が違う、というのはやはり目立つんでしょうかね。

 

今ではそんなの関係なくみんなモントリオーラーですけれど。

あ、でもケベック州ではアングロ(英語話者)っていう括りになってて、ガチガチの分離独立派やちょっと閉鎖的なフランコフォンからはやはり部外者扱いされる可能性はあるかな。

 

今朝は雪がちらつきましたけど今はポカポカ陽気(−5℃)で、先週よりももっともっと新芽が顔を出してます。

 

 

春はそこまできています。


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