ケベック州北部の森林火災
この時期になると、北米では森林火災が話題になります。
北米だけじゃなくて南米でもロシアでも森林火災は時期が違うだけでやっぱり巻き起こっていますが、距離が近ければ話題に上がる頻度も高いし、知り合いの知り合いが、森林火災地帯の近くに家があって、、とか、そういう話も聞きます。
とはいえ親戚に消防隊員がいるわけでもないし、そこまで身近ではなかったシティ在住者なのですが、最近急に私たちの日常にも影響が出てきました。
炎は全く見えない遠いところですが、煙が風に乗って南下してきたのです。
気がついたのは今週の初め。
最初は「きな臭い匂いがする、どこかで火事?」
なんてキョロキョロ見回して、いや、煙は上がってないなあ、誰かが庭で焚き火でもやってるのかなあ(冬場なら暖炉に火を入れたのかなあ)と思うような、木が燃える匂いでした。
バーベキューの匂いかと思ったよ、と冗談を言う人もいましたが、全然バーベキューじゃなくて、木が燃える匂い。
炭や肉が燃える匂いとは全く別の、ちょっとゾッとする匂いです。
なぜゾッとするかといえば、住宅火災を想像してしまうからかもしれません。
モントリオールは30年くらい前、プラトー地区の価値が上がり始め、ジェントリフィケーションと言って貧しくてちょっとやばい地域だったのがオシャレで高級な地域に作り替えられていく時期が始まったのですが、その当時、保険金目当てや建て替え目当ての放火がちょこちょこあったんです。
安っぽい映画の筋みたいですけど本当に。
全ての火災が放火だったわけではなかったでしょうけど、本当にあちこちで火事がありましたよ。
私の友人が住んでいたアパートの隣のアパートが火事で半焼したこともありました。
そんなわけで、木が燃える匂いがすると今でもちょっとゾワっとするのです。
森林火災の煙が漂ってきているせいだと言われても、俄には信じがたく。
天気予報をチェックしようとネットで検索したら、普段は花粉情報や紫外線情報を載せているところに「スモッグ警報」とあり、森林火災の煙に含まれる微細な有害物質が空気に含まれているので、喘息や心臓に問題のある人は野外で過ごすのはなるべく避けるように、野外での激しい運動は避けるように、家の中に外の空気を入れないように、などと注意がありました。
連日ネットのニュースメディアでも大きく取り上げられてます。
空気の流れの影響で、現在はモントリオールの空気の状態は向上していて、煙害はトロントや国境の南に集中している様子です。
NYTはアメリカのことばっかりでしたけど、The Atlanticはノヴァスコシア、モントリオール、トロントなどの写真も掲載して様子を伝えてます。↓
6月6日は昼過ぎに職場の建物の外に一歩出たら本当に煙くて、休憩に出る時に皆よく「フレッシュエアーのためにちょっと出てくる」と言うのですが、全然フレッシュじゃないよね、と。
みんな私が自転車で通ってるのを知っているので「帰りはマスクをつけたほうが良いよ」「自転車で運動するのは危険だから気をつけて」などと。
えー、マスク一枚でそんなに変わる?
と言うと、今職場にいるインターンの大学生が「PM2.5もフィルターすることができる(と言う触れ込みのマスク)んだから、煙の中の物質もフィルターできるはず。つけたほうがよいですよ。」と。
ものすごく久しぶりにマスクを着用しましたよ。
気温が15度以上くらいの場合は自転車でマスクしてても口や鼻の周りが蒸れないと言うことも発見しました(0度前後の場合は外気とマスクの下の呼気であったまった部分の差が大きいせいか、蒸れてしまって気持ち悪いのです。)
雨が予報されていた日だったので、この雨で火災も鎮火してほしいなと思ったんですが、たいして雨は降りませんでした。
森林火災の鎮火作業には、南米とか別の大陸の消防隊員の皆さんがカナダ各地に応援にやってきてくださっていると聞きました。
別の地域でも別の時期に森林火災があるので、その時はカナダからも応援に行くそうです。
危険で重労働な仕事ですから、彼らが安全で無事に鎮火できることを願います。
それにしても、誰かが書いてましたけど、黄色い空気はまるで火星のよう。
気候変動はこんな形でもやってくるんですね。
庭の花々
夏日が去り、庭に出たいと思うような気温ではなかったこともあり、不用意に外に出るなという警報が出ていたせいもあり、ここ2〜3日は庭に目をやらないで過ごしましたが、ふと気がついたら庭の様子が変わっていました。
バジルの葉っぱは花が付いてしまうと硬くなる、と言いますが、セージはそういえば毎年花がついても気にせずそのまんまで、花が終わった後の葉っぱを平気でちぎって使ってますけれど、植物が違うからそれはそれで良いのかな?
1日も早く鎮火して、空気が綺麗になってほしいもの。