食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

大慌てな夕飯とGPのいない場合のケベックの医療の流れ

残り物ありがたや。盛り付けが雑なのはいつものこと。

なんだかあれやこれやと慌ただしくしているうちに、あ、もうこんな時間!

で夕食の支度が手抜きになる、、というのはいつものこと。

せっかくの食欲の秋ですが残り物プラス一品だけ作って盛り合わせ、というパターンが続いております。

 

この日新たに追加したものは6時にある黄色いこれ、チックピー・オムレツ。

チックピー粉と水、塩胡椒や好みのスパイス、オリーブオイル少々などを混ぜてフライパンで焼きます。

この日はほうれん草など入れましたが、具もいろいろ変えて楽しめます。

 

その前の日に新たに追加した一品は2時にあるトマト色をした穀物。

米じゃなくて大麦で作ったパエヤでございます。

 

そのまた前の日に作ったのはサラダ、そしてビートルートとかぼちゃのロースト。

サラダはドレッシングを混ぜずにおいたので後日使い回しができたというめでたいお話。

 

 

大麦のパエヤの上に乗っけてるのはラオガンマのクリスピーチリですが、これは見かけほど辛くはなく、スプーンですくってドッカンドッカントッピングしても涼しい顔して楽しめます。(辛味より塩分の方が気になるかも)

ラオガンマブランドのじゃなくても全く平気というか、手作りしたらもっと美味しいに違いない。

最近こういう商品が昔に比べてうんと値上がりしていて、「え?これがそんな値段?」と手が引っ込みます。

 

 

カナダの医療制度

先日どのブロガーさんだったか失念しましたが、その方が暮らしている国の医療制度について説明なさっていて、最後に「移住しようと思う方は行き先を決める前にその国の制度を調べてから」というようなことをおっしゃっていて、おお、それは本当にそうだわ、と。

私も真似してちょっと書いてみようと思います。

 

 

カナダは基本的には歯医者やオルターナティブ医療以外は州別の健康保険制度があって、住民が病院で手術をしても入院をしてもお金はかかりません。

 

とはいえ保険証を持っていない旅行者は無料じゃありませんので、旅行で訪れる時は旅行保険に入っておきましょう。

 

また、州政府の管轄なので、ケベック州の事情はお隣のオンタリオはじめ他の州とは異なります。

似ている点は多いと思いますが、詳細によって全く違うこともあり得ますので、ここにあることが「カナダの医療」だと思わないでください。

 

ケベック州の健康保険制度は、ケベック州民全員が無料で医療を受けられる公的制度で、この制度は、Régie de l'assurance maladie du Québec(健康保険委員会)、通称 「RAMQ 」によって運営されています。

日本の保険証的なもので、RAMQカード(Carte Soleil )というのがあり、医療機関へ行く際には必ずこれを持参します。

811その他の医療機関に電話をかけるときも、RAMQの番号を聞かれるので常に手元に持っておきましょう。

 

 

家庭医って何?

GPという言い方もしますが、Family Doctor、いわゆる我が家のかかりつけのお医者さん、という感じですね。

 

欧米の多くの国では、日本みたいに自分で選んだ病院とか医院に直接出向くのではなくて、まず家庭医に電話して診察してもらいます。

 

そこで家庭医が「この人のこの症状はこうすれば良い」と診断して薬を出したり治療してお終いな場合もあれば、「これは専門医に診てもらうべき」と判断したり「さらなる検査が必要」と判断して、患者に「ここへこの紙を持ってこの日に行きなさい」(もしくは電話番号を与えてここへ電話して予約入れていけ、という場合も)などと指示されたりもします。

 

レントゲンや心電図、血液検査が必要な場合に指定される機関が自分の家や職場と離れていて不便な場所だったりすると、結構面倒くさいですし、指定される時間が仕事中のとても迷惑な時間になったりすることもあるし、日本のように自分で選んで病院に行って、その病院で全て済ませてもらえる方がかなり便利ではありますね。

 

 

私は家庭医以外にも産婦人科医のところに毎年チェックアップ(健康診断みたいな感じ)に通っていて、そこでは*才以上の女性は行うべし、と言われるマモグラフィーとかパップテストとかそういったチェックをしていただいていました。

 

毎年同じことなんですが、胸部の細胞の性質というのでしょうか、マモグラフィーだけではきちんと把握しきれないタイプだそうで、マモグラフィーを受けにいった数日後に「ウルトラサウンドも受けてください」という電話が来て、さらに指定された日時に同じ場所へ出直す、という二度手間になるので、「去年もそうだったんですけど、一度にマモグラフィーとウルトラサウンドとやってもらうわけにはいかないんですか」と聞いたこともありますが、それは無理なんだと却下されました。

 

話がそれましたが、とにかく、ケベック州では専門家や検査機関へ行くのは家庭医や産婦人科医というかかりつけの医者が判断してからになり、検査結果や治療の流れなども主治医が全体を把握してくれているという形になります。

 

信頼できる家庭医がいると、急に体に不調を感じた時にも電話で相談したり、話の内容から「それは一度オフィスに来てもらって診察した方が良いですね、いつ来れますか?」と急遽診察してもらえたりと、大変ありがたいんです。

 

うちの家庭医は本当にそういう点でありがたい存在だったんですが、彼は引退してしまった。

しかも同じ頃に私の産婦人科医も引退してしまったんですよ。

 

 

その時点で別の家庭医を見つけるなんてことは無理な状況でしたが、州政府のサイトで家庭医を探しているという登録をすると、そのうち(何年後?)見つけてくれて連絡が来るよ、というのを聞いて、とりあえず登録しました。

www.quebec.ca

登録すると後日「あなたのための医療へのアクセスポイント」へのアクセスの仕方とクリニックの名前が書かれた封書が届きます。

 

なんじゃそりゃ、と思いますが、家庭医に電話、の代わりにPrimary Care Access Point (GAP)にコンタクトをとってくださいという話。

 

医師に診察してもらいたい状況になった場合

GAP(Guichet d’accès à la première ligne)にアクセスします

流れとしてはこんな感じ↓

 

  1. オンラインか電話(811、オプション3)をする。
  2. オペレーターの質問に答え、こちらのリクエストを伝える 。 
  3. オペレーターが(手紙で通知されたGAPの)クリニックへ予約の申し込みを入れるなど、次へのアクションを起こしてくれる(がここで終わりではない)
  4. 811の通話を終えた後で申し込みをしたクリニックから電話が来るから、それに答えて予約の日時を決める(どれくらいになるのかは不明)
  5. 予約したクリニックに予約日に出向く(遅刻やドタキャンは許されないらしく、その場合料金が発生する可能性があるという警告文が、、、)

 

オンラインでも申し込みもできるのはわかっていましたが、なんとなくそれだと放置されそうな気がして(それはないだろうと思いますが、いまいち信頼できない、、、)電話する道を選びました。

 

オペレーターの対応はとても爽やかで説明もわかりやすく、質問にもきちんと答え(もしくはこの時点では答えられないことはその旨きちんと伝え)てくれ、初めて利用した私にちゃんとわかりやすく重要な点を説明してくれました。

 

今後また何か別の理由で医師に診てもらいたいと思った場合も、直接そのクリニックに電話をするのではなく、811に電話して、音声ガイドが流れたらオプション3を選ぶ、という手順を踏むのだと言われました。

 

私は医師に診てもらいたい、というリクエストでしたけれど、なぜ診てもらいたいのか、という症状の説明もしなければならず、この後811を切って、クリニックからかかってきた電話でも説明しなければならず(しかも最初はレセプションだったので、詳細を言い始めたら遮られ、看護師にかわってもらってさらに説明し、、と面倒だったんですけど)自分の家庭医がいたら健康に関わるプライベートな話を複数の人に説明しなくてもよかったのになあと、若干ネガティブな気分ですけれども。

 

予約を取り付けた後は、こちらのメール(アドレスを聞かれる)か携帯(番号を聞かれる)か両方に書面で予約の確認が届きます。

 

予約の日の前日にはリマインダーのメールが届きました(2度も!)

 

 

予約したクリニックに出向いたら、そこの受付で予約の時間と担当医(予約メールに書いてあった)の名前を言って待合室で待って、後は呼ばれるまで待つのみ。

 

診察後、担当医にまた来週*曜日にフォローアップしに来てくださいと言われ、再訪の予約を取りましたが、これは直接医師とやりとりし、じゃあ*曜日の朝*時に、と決めたら「予約確認メールが届くから」と。

 

811に電話とかオンラインで申し込み、とかは最初だけであとは全て直接進めていける模様です。

 

 

811と911

811にかけると真っ先に言われますが、緊急を要する場合は911に電話もしくは病院の救急医療室に直行してください。

 

私の場合、たまたま811で申し込みをして切った後二時間くらいしたらクリニックから電話がきて予約をすぐに取れましたが、その地域や時間帯などによっては混雑していて申し込みの同じ日に電話がかかってくるとは限らず、その待ち時間が何時間か何日かかるのかは811のオペレーターにもわからないらしいです。

 

811自体、ダイヤルしてオプション番号を押して、すぐに通じる場合は稀で、保留音を延々と聞かされることは大いにあります。

スピーカーフォンにしておいて、別の作業などしてのんびり待ってないと時間が無駄。

 

 

なお、ケベックの一般的な医療は無料ですが、911で救急車を呼んだ場合、路上で起こった交通事故のような場合、あなたがホームレスやウェルフェア受給者であったりファーストネイションズの方であったりしない場合は、救急対応にかかる費用の請求が後日きます。

 

結構な金額になるので、これは濫用予防のためなのかな?

GAPで取り付けた予約は二十四時間以内のキャンセルは受け付けておらず、遅刻やドタキャンなどすると料金を請求されるから注意してくださいとメールに書いてありましたけど、これも無料で医療を使うことに慣れすぎた人々への警告なのかも。

 

 

風邪とか救急とか

コロナで医者に行った話などを日本のSNSなどで見かけますが、こちらでは持病があったり幼児や老人だったりする場合でなければインフルエンザ、風邪、コロナ、こういった「ゆっくり休んで水分補給して時間かければ治る」と思われている症状では病院にはいきません。

日本では風邪で医者行って、、、って医者は風邪の人に何するんでしょうかね?

風邪に効く薬なんかないって言われてるのに?

と、こういう態度になったのは医者にアクセスするのが困難なケベックに来てからなんですけどね。

 

何しろフラッと町医者に入って問診票に記入して座って待ってれば診てもらえるような世界ではないので。

 

すぐに医者に診てもらいたい場合、以前はウォークイン・クリニックというものがあったんですが、最近あちこちのウォークインが全て「予約してください」に変わっていて、本当に飛び込みで診てもらえるのは病院の救急(ERとかEmergencyと呼ばれる)だけになったようです。

そのため、実際は救急じゃないような症状の人でも家庭医がいないのでとりあえず、という人たちまで救急に来てしまうので、待ち時間が本当にひどく長いのです。

一日待たされるくらい短い方では?

骨折して救急に行った友人のお母さんは7日間くらい待たされたとか。

そんなに待たされてる間、食事とかどうするんだろう。

 

救急に行くと、まず最初にトリアージュ・ナースという、患者の緊急具合を見極める係の看護師に症状や状況を説明します。

そこで救急具合のレベル分けをされ、本当に生死を分けるほどの救急だと判断された場合は結構すぐに対応してもらえますが、この人は待たせても平気と判断されたら本当にしばらくそこで寝起きするくらい待たされる模様。

 

そんな状況を改善すべく、GAPのシステムができたんでしょうけれど、それはいいけどやはり医者の数増やしてくれないと困りますね。

 

 


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