食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

バナナの葉っぱでテンペを作った話

成形に失敗した中華チマキではなく、成功したテンペです。

 

テンペに振り回される

健康食品屋さんに買いに行く特殊アイテムだったのは今は昔、現在は一般スーパーのヴェジ食品コーナーで小さな割高なものが普通に売られています。

 

でもパッケージが小さくて、プラスティックの包装も分厚くて、購買意欲を損なう要素たっぷり。

 

近所のアジア食材店にはもうちょっとお得なのがあったんですが、オーナーが変わってから取扱されてるテンペも変わり、しかも新しいオーナーはテンペをなんだと思ってるのか、売り場があちこち変えられるんです。

 

最初は台湾素食系の食品の隣、次は冷凍枝豆などの隣、その次は冷凍讃岐うどんや餃子の隣、その次は冷凍ココナッツの刻んだ果肉コーナーの脇。

 

移動されるたびに探し回ります。

探しながら店の人に聞くけど、大概誰も知らない。

 

オーナーが変わって店名が変わった当初は店のみんなが愛想良くて、まあなんて素敵、と思ったんですけど、感じの良い店員さんは次々に消えて、今は質問しても何も知らない、英語もフラ語も話さない、もしくは「私はここの従業員じゃなくてメーカーの者なんです」とか。

 

そんな話はどうでもよくて、とにかく、テンペを見つけるのが至難の技になってます。

見つけた時は5個くらい掴んで買い込みます。

そして、先日またテンペが店から消えてしまいましたよ。

来週入るって言われましたが、本当かどうかは不明。

 

またか〜。

 

いっそ自分で作った方が良いかな。

 

でもね、市販のテンペのプラスティックゴミも気になりますが、以前作った時に強く感じたのは、自分で作ったってジップロックバッグで作ればプラゴミを出すじゃない、ということ。

 

インドネシアではバナナの葉っぱで包んで発酵させるんだ、と言いますが、この辺でそれは無理だしなあ、、と。

 

穴あきのジップロックバッグを使い回す人もいるようですが、ジップロックの袋、穴の空いてないのは洗って干して使い回しますけど、菌を扱う発酵食品ですから、再利用の使い捨てプラ袋に雑菌がついてて失敗、という可能性は避けたい。

 

そんなこんなで手作りに踏み出さないでいたんですけど、テンペを探して冷凍コーナーをくまなく探していた時に見つけましたよ、バナナの葉っぱ。

 

冷凍コーナーにありました。

 

なーんだ、あるのか。

これ買う人は何に使うんだろう?(テンペ作る人ばかりじゃあるまい)

 

 

という次第で、バナナの葉っぱを買ってきて久々にテンペ作りに挑戦してみました。

 

手作りテンペ・チュートリアル

昔作ってた時のレシピを探してみようかな、とも思いましたが、ネットで検索する方が早いや、ということで見つけたのがこのレシピ↓

www.alphafoodie.com

以前はなかなか情報が見つからなかったんですが、今やユーチューブビデオもあるし、一本見ている間にアルゴリズムが取り揃えた別のユーチューバーのテンペビデオが右側にゾロゾロと並んでお勧めされてるし、すごいですね。

 

一定の温度をキープするのにみなさん工夫してます。

オーブンに入れてパイロットランプだけつけておく、というのがよくあるんですが、我が家のオーブンのパイロットランプはとうの昔に切れちゃってて、電球を変えたら使えるのか回線がダメなのか不明なので、パイロットランプ案は却下。

 

ヨーグルトメーカーはいつも納豆を作っていると納豆菌に邪魔されてうまくいかないと聞いたことがあるので試したことはありません(もったいなくてできない。)

 

昔作った時は発泡スチロールの箱とか毛布やタオルをぐるぐるに巻いたりしてそこに温度計を差し込んでチェックしていたんですが、夜寝てる間に冷めてしまったり、焦ってお湯を入れた湯たんぽを入れて今度は暑くしすぎてしまったりと、結構面倒な上失敗しやすい環境です。

 

そしたら、インスタントポットで作ってるyoutuberを発見!

 

しかもこの方、タオルで大豆の水分を拭き取ったり蓋についてる水分がボトボト落ちそうなのに気が付いてなかったり、素手で触りまくったり、結構大雑把にやってる感じです。

まあ手もタオルも綺麗なんだとは思うのですが、普通のタオルってどんなに清潔でも毛羽が豆についちゃうんでは?とびっくりだったんですけども、ちゃんとできているので、神経質にならなくて良いってことかな。

youtu.be

「茹で上がった大豆をタオルで拭く」はやってる人とやってない人がいるようですが、私は必要を感じませんでした(茹で上がりをすぐにザルにあげてゆすっておくと、熱で水分が蒸発する)

 

ちなみに↑のユーチューバーさん、まだ慣れてないのかちょっとおどおどっとしてて素人くさいんですけど、そのうち慣れてプロっぽくなって行くんでしょうね。

こんなこと書くと年寄りくさいですけど、最近の若い人たちは本当にみなさんレコーディングに慣れてるというか、職場でインターンの学生さんとビデオ撮ったりオーディオ撮ったりするときもみんな一発ですごく上手に簡潔にお話しなさいます。

YouTube世代ってことなのか?(TikTok世代かな?)

 

youtu.beこの方↑は発泡スチロールの箱の中にヨーグルトメーカーをヒーター代わりに入れて発酵中の温度調整に使っていらっしゃいます。

それ良いアイデアですね!

 

日本語でも。

youtu.be

菌を販売している会社のビデオも発見。

youtu.be

youtu.be

この方はマレーシアにお住まいらしく「菌を均一に混ぜて容器に入れたらカウンターに置いて室温で発酵させます」って。↓

youtu.be

実際の仕込みの流れ

茹でた大豆1キロを仕込みました。

薄皮を剥く作業はせず、浸水前に大豆を水洗いしてる時、ワシワシ洗って薄皮が浮いてくるのを除去したのと、浸水後茹でる前に水を換えるためにすすいでる時点で浮いてきてるのを除去したのみです。

 

浸水時に酢を入れるのをうっかり忘れていたのですが、今回は平気でした。

酢は雑菌予防のためらしいですね。

茹でる時には入れましたが、茹でる時に入れる必要はあんまりないのでは?

 

インスタントポットのヨーグルト機能は初めて使ったんですが、夜の11時半に仕込んで翌朝見たらカウント・アップしてて、あれ?カウント・ダウンじゃないの?とちょっと不安になりましたが(圧力調理の場合は調理中はカウントダウンし、調理が終わって余熱状態になるとカウントアップされる)急いでググったらカウントアップ中は発酵中、みたいなことが書いてありました。

 

インスタントポットの底に水を1センチくらい入れ、ステンレスの鍋敷きを置いて蒸し器の底みたいな状態を作り、その上に容器を設置。

 

大豆はガラス製の容器に入れたもの(蓋はせず、バナナの葉っぱのハギレがあったのでそれをちょっと乗せてみたりしたが、全く不要)二つをタガイチガイに重ね、バナナの葉っぱのパッケージはその脇の隙間に押し込むように入れ、一番上の容器の上には歯切れのバナナの葉っぱの大きめのを被せて蒸気の水滴が落ちるのを予防。(これも多分不要)

 

インスタントポットの蓋は使わず、大きめのボウルを逆さに置いて代用。

ボウルを置く前に蒸し器の蓋に布をかますのと同じ要領で布をかませて水滴落下予防。

蒸し器ほどの水蒸気は発生しないかもしれませんが、このサラシをかませていたおかげで、蓋を外すたびにドボドボっと大量に滴る水滴が大豆に触れることなく済みました。これ結構大事だと思います。

 

温暖で湿度の高いインドネシアの環境を再現すれば良いので、熱々にはせず(菌が死ぬから)冷え冷えにはせず(菌が眠ってしまうから)乾燥させず(菌が、、)ビチョビチョにはせず(他の雑菌が参加してしまうから)を心がけました。

 

あと、インスタントポットの成功話をいくつもみたので、発酵中の温度をチェックするという大事なことをうっかりすっかり忘れておりましたが、今までで一番の美しく真っ白でふわふわなカビが蔓延っていました。

 

カビが蔓延ってて喜ぶのも変な話ですけども。

 

 

作業の流れはこんな感じ

  1. 水曜の夜11時頃浸水開始、翌日夕食後に調理
  2. 木曜の夜11時半ヨーグルト機能で仕込み開始(二十四時間設定で)
  3. 金曜の朝カウントアップされてるのを見てググり、安心してそのまま放置。
  4. 金曜の夜10時頃除く(白い菌を目にして安心)バナナの葉っぱの方は開けてみないとわからない(けど開けるのは面倒くさいし)インスタントポットの設定を延長して寝る。
  5. 土曜の朝9時頃、バナナの葉っぱを開いて完成を確認し、全て取り出す。(完成)

金曜の夜の時点でも出来上がっていたのかもしれませんが、夜11時から色々始めたくなくて寝てしまいました。

今後は仕込みを11時にするのはやめておこう。

 

包を開けてみたら、あら大変、大成功!

ガラス容器でもしっかりカビが蔓延するので、バナナの葉っぱは不要とも言えます。むしろガラス容器入りので白黴の進行具合をモニターできるので、次回からもこれ使おう。
 

最後に、今からテンペを手作りしたいとお思いの貴方様に伝えたいこと:

ジップロックバッグとガラス容器と両方所有なさってるのであれば、ガラス容器をお使いあれ!

ジップロックは使い捨て(洗うの面倒だし完璧に洗えているのかどうか、確信持てますか?)だし爪楊枝で穴を開ける作業というのも加わりますが、ガラス容器はただ入れるだけで簡単だし、洗い物も簡単だし、再利用もバッチリです。

 

ぶっちゃけた話、ガラス容器である必要はそこまでなくて、陶器や磁器でも良いかも。

蓋をしないので上からカビの様子を確認できます。

底面を確認したい場合は、側面と大豆の間に包丁を差し込んで下に空気を入れるようにすればスポッと出てくるのでそれで確認できます。

 

インスタントポットではなく箱型の発酵機みたいなのを使う場合は、湿度を保つためにサラシを容器の上にふんわりかけてやれば良いと思います。

 

サランラップに穴をあけたりするのは要するに通気性をある程度確保したいわけなので、布ならそんな面倒もなく水滴予防シールドになってくれます。

 

次はテンペ菌作り

昔日本で譲ってもらって持って帰ってきてたテンペ菌はまだ残ってはいましたが10年くらい、いや下手するともっと時間が経ってるので流石にもう生きてはおるまい、と、新しいのを入手したのですが、これを使い切るたびに買うのも悔しい。

 

と思ったら、自作のテンペからテンペ菌を保存して次に使う粉末を作るYouTubeビデオもありました。

youtu.be

 

納豆よりも臭わないので冬でも作りやすいです


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