食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

台所無し室内キャンプの食事記録・ベイクト・ビーンズ

乾物から作ったベイクト・ビーンズ

先日買った缶詰のものが

大変美味しくなくて、口の周りがベトつくような甘みを感じるというか、買った分は食べるけどもう次はないなあという味わいだった缶詰のベイクト・ビーンズ。

 

そういえば大昔、北米に来て初めて缶詰のこれ買って食べてみて、まずさにのけぞった覚えがありました。

 

その時はその缶詰が不味いんだ、ではなくて「北米人ってこんな不味いものを食べてるのか!味音痴なのか!」とよその文化圏から来た人が新しい環境の事象を少なすぎるサンプルから大雑把にバッサリ決めつけるパターンで切り捨ててましたっけ。

 

だんだん北米の食べ物を色々経験して味の幅が広がっていって、その後朝食を出すグリーシー・スプーンと呼ばれるいわゆるダイナーみたいなところで出てくるものを色々と食べてみたり、ケベック州では春先の、メープルシロップの収穫時期に行われるカバナスーク(Cabane à sucre 英語ではSugar shack)という季節行事(メープルシロップをドバドバかけてご馳走をみんなで食べる)で出てきたのを食べてみたり、だんだんとベイクト・ビーンズというものが美味しいものとして受け入れられるようになりました。

 

ヴィーガンになってからは自分で作るようになり、自分で作るということは、「甘さもしょっぱさもある豆料理」という基本は抑えつつも、甘みを調節して自分好みにすることができるということ。

 

だから自分が美味しいと思える味でずっと安定していました。

 

久々に食べた缶詰の豆はやっぱりコーンシロップの甘さでしょうか、クソ甘くてダメでしたね。

 

コーンシロップは甘味のある調味料全般、炭酸飲料、お菓子、甘さが前面に押し出されているわけでもないけど甘味料が入っている加工食品など、市販の食品の多くに使われています。

砂糖がたくさん入ってるから甘いのよ〜、と多くの人が思ってる加工品は実は砂糖なんていう高級品じゃなくて、安価なコーンシロップで経費が抑えられているのですよ。

 

そして、コーンシロップは白砂糖よりももっと速攻で血流に直行しますし、350ml入りの炭酸飲料などを飲んだ場合にそれに含まれるコーンシロップを肝臓が処理して受けるダメージは同量のビールを飲んで受けるダメージと同じくらいだとかなんとか。

休肝日にビールの代わりに炭酸飲料なんか飲んでる場合ではないんですよ。

 

話はそれましたが、ベイクト・ビーンズ。

休みの日に食品を買いに行こう、と夫と「今日はどんな加工品を買う?」と話し合った折、ヴィーガンの私(チーズやハムで簡単なランチができない)のために再びベイクト・ビーンズ買おう、という夫に「え〜でもあれ、甘すぎてちょっと不味かった」と言いましたら、「台所難民で室内キャンプ状態なんだからそういう贅沢言ってる場合ではない」というようなことを夫が。

 

そうかなあ、贅沢?

 

でもひょっとしてちゃんと料理したいかもしれないと思って調理器具は色々あるし、ちょっと待て、ベイクト・ビーンズを作るのに必要なものは、、

 

乾燥豆(ネイビー・ビーンズを使うことが多いです)

調味料

トマトピュレかパッサータ(かトマトでも良い)

玉ねぎ

ニンニク

 

野菜は玉ねぎとニンニクだから、洗うものはほぼなし。

 

いつもはオーブンで長時間かけて調理してましたけど、インスタント・ポットでもできます。

 

 

という次第で、台所難民でも鍋と熱源さえあればできるベイクト・ビーンズ作りました。(いや、普通のレシピですけど。)

 

 

インスタント・ポットで作るベイクト・ビーンズ

 

材料

  • 乾燥ネイヴィー・ビーンズ(900グラム入りを全部使いました)
  • 水(豆を鍋に入れたら豆の表面から水面まで3センチくらい被るくらい)
  • トマト(パッサータ200ml弱くらいを使いました)
  • マスタード(大さじ3杯強くらい、瓶入りのを使いましたが粉でも良い)
  • モラセス(大さじ3杯くらい、なければ入れなくて良い)*
  • メープルシロップ(大さじ3杯くらい、なければ入れなくて良い)*
  • 酢(大さじ1くらい、見つけたのがバルサミコ酢でしたが、好みの酢を使えば良い)
  • スモークト・パプリカ(なければ使わなくて良い)
  • 塩、胡椒、好みでチリペッパー(ピリリが好きな方)
  • ベイリーフ

 

*モラセスとメープルシロップは甘味プラス風味ですが、日本では高かったり見つけにくかったりするので、ない場合は黒砂糖とか砂糖とかで代用すれば良いです。

モラセスはサトウキビから砂糖を作る際の副産物ですが、鉄分が豊富。

鉄分は豆の調理をした場合に煮崩れてしまうのを防ぐというか、程よい硬さを保つ作用?があるようです。

 

手順

豆は流水ですすいで表面の汚れや割れた皮などを洗う

 

作り方1

浸水して一晩待ってからたっぷりの水で茹で、柔らかくなった豆と調味料を合わせ、ヒタヒタになるまで水を入れて弱火でじっくり煮込む。

 

作り方2

豆を先に茹でておくのではなくて、調味料と一緒にまとめて調理するやり方。

どちらにせよ厚手の鍋で弱火でコトコトと煮るべし(そうでないと焦げ付く)

 

作り方3

作り方1か2、どちらのやり方でもインスタント・ポットを利用することで調理時間を短縮することができます。

 

ネットでレシピを検索すると、インスタント・ポットで圧力の設定で30分とか色々ありますが、豆が小さいので豆の調理自体は事前に長時間浸水してあれば10分で、浸水してない場合なら25分もすれば柔らかくなります。

調味料を足して2度目の調理をする場合は5分もすれば上等ですが、最初から味付けをして加熱する場合は、豆が柔らかくなるのに必要な時間が若干長引く傾向にあると思う(個人的な経験なので思い過ごしかもしれませんが、私の経験ではそんな感じです)ので、調理時間を長めに設定したほうが良いかもしれません。

 

出来上がりは缶詰の何倍も美味しくできます。

 

調味料の分量はあくまでも目安で、加熱まえにちょっとスプーンで舐めたり、出来上がりを味見して調整してください。

 

缶詰は最近一つ3ドルくらいするんですけど、その十倍くらいの量が4ドルくらいで作れてしまうのですよ。

作らない手はないですよね。

 

台所進展具合

台所リノは現在私がやるべきことは全部終えてしまっていて、肉体労働はしなくて済むし、現場が埃っぽくなることがない(作業後に拭き掃除、その後現場を通りぬけて冷蔵庫に行く場合も直前にもう一度拭き掃除しておりました)のでかなり楽になりました。

 

とはいえ冷蔵庫(現場の向こう)と流し(地下)と調理場(私のオフィスの片隅)を行き来し、仕舞い込んだ鍋とか容器とかがあったら便利なんだけど、どこに入れたか忘れた(もしくは深くしまいすぎて出すのはちょっと無理とか)など、相変わらず不便は不便です。

 

肉体労働は終えましたけど、必要なものを買うとか、キャビネットを発注するとか、キャビネットの取っ手を選ぶ、シンクを選ぶ、蛇口を選ぶ、そういう一番苦手な課題はまだまだ残っています。

 

キャビネットの取手なんてなんでも良いでしょ、と夫は言いますが、そりゃそうなんですが、IKEAのショールームで見たものたちはどれも好みではなくて、こだわりがあるという程ではないんですけど、あれはちょっと嫌だなあと。

 

あと2、3ドル足したらもっと良いものがあるし、あと5ドルくらい足したらものすごく選択肢が広がるんです。

 

ああでもあと5ドル足すとやっぱり予算がね。(30個くらい必要なので)

これってカーデガン編んで、さあ最後にボタンを選ぼう、え?ボタンってこんなに高いの?っていう、そんな感じですね。

 

 

取って無し(押すと開くやつ)という選択肢は、汚れた手で扉を触りまくることになりそうなので却下。


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