新しい台所に導入したい(と思っていたけど)
日本で育った私、調理器具はずっとガスでしたので、北米に来てコイル式の電気調理器を使うようになった時はかなり不満でした。
熱するまでに時間がかかるし、「火」を止めてもしばらくは熱いままだし。
パスタを茹でてたらお湯が吹きこぼれそうになり、慌てて「火力」を絞ったって、そんなこと関係なくお湯は吹きこぼれます。
そんな時は鍋を持ち上げて熱源から離すと速攻でお湯は落ち着きます。
友人は泡立ってきた吹きこぼれ寸前のお湯にふ〜ふ〜と息を吹きかけると言います。
もう何十年も使い続けてますので、電気調理器の扱いも慣れてしまいましたけど、それでもやっぱり日本に帰省した時などガス調理台で料理をすると「ガス良いなあああ!」と感じます。
そしてこの家に引っ越してきて、ガスが通っていない通りだからガスの調理台を入れたいならプロパンガスしかないので、ガス会社のウェブサイトで色々と読んで検討。
でもねえ、ガスを入れると基本料金、使用料、メンテナンス、色々とかかります。
もう電気に慣れちゃってるから、ガスに切り替えるのは贅沢という感覚になっていました。
で、IHというのはガス並みにパワフルらしいよ、という噂を聞くように。
IHを購入した友人
お湯が早く沸く、電気調理器よりも熱のオンオフが素早くてすごい、ガラストップの調理部分が熱くならない(鍋底から伝わる熱の予熱で調理後は少し熱いけれど電気調理台のコイルの熱のこもり方とは断然違う)火事にならない、などなど大絶賛。
彼は料理するのが好きですし、彼のお兄さんもすごいグルメなので、二人で使って大満足だというIH、やっぱり良さそうだと思っていました。
が、彼から借りたポータブルの一口IHコンロを使ってみて、ちょっと苦戦しています。
一番衝撃だったのは、ポータブルの一口IHの調理パネルというのか磁石になる部分が直径6インチ(1インチは2.5センチ)なのですが、IHは熱が伝わっていくことで加熱するのではなく、電磁場が発生するそのエリアの直上のエリアに置いてある食品のみが調理されるということ。
だから6インチのエリアの外に置いてある餃子はカリッと焼けることはなくそのまんまだし、その部分が焼けてないからまだか〜と放置してると6インチ範囲内の餃子は黒焦げになってしまうという展開に。
それを知ってれば対策できるのだから、絶対に餃子が焼けない、という話ではないですが、6インチって小さいな。
IH友にその話をすると「じゃあきゃすぴえ、リノベーションが落ち着いたらうちに来てうちのIHでテスト調理してみる?ポータブルのそれ(彼から借りてる一口IH)は安物だったし、家庭でいつも使ってるやつも使って様子を掴んでみるといいよ」と。
という次第で、行ってきました金曜の夕方。
彼がメインのバーベキュー、私がアペタイザーでオニオン・バジを揚げるという計画。
仕事を終えてから駆けつけたので、調理開始が遅くなって焦ったのと、私が到着するのを待つ間に友人に玉ねぎをスライスしておいてもらったんですが、スライスの仕方が雑で(北米人標準で普通)分厚いし、半分に切ってからスライス(半円)とお願いしたのに丸ごとスライス(というかぶつ切り?)だったのでちょっとごっつくて玉ねぎの輪っかをバラすのに手間取った(薄切りだったら塩してトスすれば自然にばらけるんですけど)上、分厚いので塩してもあんまりしんなりしない、、、とか、いつも自分が作る時と違う条件が重なってて、若干危険なスタートではありました。
彼はIHがいかにパワフルか、と毎回熱く語るし「ハイパワーはものすごくハイだから気をつけて、ちょっと弱めで良いかも」とかアドバイスするので、油を熱するところからかなり慎重に加熱開始。
調理台の上に描いてある大きめの円はまるで「この円の上が調理できる磁場ね」と言ってるようですが、まずフライパンに水を張って加熱してみたら、その円はただのまやかしで、実際の電磁場はやはり6インチ。
それを承知した上ですが、油を熱するわけだから、熱された油がパンの中で循環して全体に熱されるであろうから、揚げ物はできるはず。
ただやっぱり、パワーをあげて急に熱くなっちゃったら油だけに怖い、という気持ちもあって、なかなか油の温度調節の調子が掴めず、揚げ色がどんどん濃くなってはいくものの箸で触ってみるとシナっとした感じで、なんだかいつものようにカリッと揚げることができない状態。
なんでなんだー、カリッとして〜、としばらく油の中に入れておいても、分厚く切ってあったせいでしょうかね、なんだかよくわからないけどあんまりカリッと揚がらない。
ハイパワーにして油をかき混ぜながら進めたら全体に温度が上がったのでしょうか。
調子が掴めないままイマイチなオニオンバジが出来上がりました。
揚げる端からみんなが摘んでいくので写真はありませんが、オニオンバジの作り方はこんな感じです
材料
玉ねぎ(3〜4個)半分に切ったのを薄くスライス
塩小さじ1〜2程度 スライスした玉ねぎをボウルに入れて塩して軽くあえておく
スパイス(好みですが、クミン、コリアンダー、ターメリックなど小さじ半分から一杯程度)
チックピー・フラワー カップ1杯前後くらい
手順
刻んで塩した玉ねぎにスパイスとチックピーフラワーを加えて全体にあえてちょっと時間をおいておく(玉ねぎから出た水分でチックピーフラワーが衣っぽくなる)
水分が少なくて衣っぽくなってないなあと思ったら水分を加えても良いが、あまり衣を厚くすると衣を食べるみたいになるのでそこら辺は好みで。
油を熱して揚げる。
揚げ色が濃いめの狐色っぽくなる感じでカリッとさせる
衣が厚いと中まできちんと揚げるのに時間がかかるので調整が必要ですが、玉ねぎの体積がメインの場合は揚がるのも割と早くて見た目でわかりやすい(IHに慣れてない場合を除く。)
失敗から学ぼう
新しい調理器具をIHにするのなら、揚げ物だけでなく焼き物、炒め物なども美味しく作れるようでなきゃ困ります。
鍋の中の水が熱をきちんと伝えるので、茹でるのと煮るのは大丈夫ですが、それ以外は6インチの輪っかの上でもちゃんとできるようでないと。
調理器具の高価なものだと8インチ以上のものとか、鍋を置いたところが電磁場になるとか、かなりすごいのもあるらしいんですが、そういうのは6〜80万円台とか、結構なお値段がするらしいのでね。
実際に料理好きの友人は不満なく使えているということなので、慣れも大きいんだと思うし、諦める前にもうちょっと調べてみました。
youtu.be鍋の側面が熱くなりにくいので、やはり焼き物系炒め物系はその性質を理解した上で対策を立てるべきなんですね。
炒め物はついついフライパンや中華鍋を持ち上げてあおりたくなります。
私はコイル式の電気調理器でもガンガン煽って揺すぶって、炒め物をしてしまいます。
表面がガラスな調理器になったらこの癖はやばいかも(割ってしまうかも。)
友人に借りたポータブルのIH調理台の上でもついフライパンを持ち上げてしまいがち。
借りてる調理台の機種は、鍋を浮かすとすかさずピーピーと警告音が鳴り、調理台の温度設定の画面のところにPotという単語が点滅します。
鍋が台に接してないと磁気が通らないので加熱ができませんよ、という警告です。
冷たいフライパンをコンロにかけて火をつけると普通はフライパン全体が温まりますが、そうはいかないのがIHの調理台。
底面だけでなく全体に温めるためにフライパンでお湯を沸かす方法を紹介してくれてます。
なるほど。
油を入れて余熱を入れても良いけれど、油より水の方が確かに失敗は少ないかも。
フライパンや中華鍋を煽らずに全体を混ぜるのは難しいですけど、このビデオではスパチュラを2本使って混ぜてますね。
他にもIHの特性について解説してるユーチューブが盛りだくさん。
慣れてる方、アドバイスなどありましたらぜひご伝授を