こんな記事を見かけましたよ。
Saveurという雑誌のウェブ版、去年の10月の記事です。
ニューヨーク市ブルックリンの公立の学校が、給食を完全にヴェジタリアンに切り替えました。
これは市内の公立の学校で三校目になるんだそうです。
生徒側(親でしょうけれど)からの要望がきっかけだったとか。
アメリカの公立の学校給食は酷い、っていうのは結構知られてますけれど。
最近は、問題意識がちょっと広まって来て、あちこちで改善しつつあるようですけれど、でも全般的に北米の、学校とか病院とか老人ホームとか、、、、そういうところの食事は酷いことが多いと思います。
この記事の写真に出てるリンゴの山、その隣のブロッコリ、人参、プチトマトの小皿、その手前のトマトのスライスにほうれん草の葉っぱの小皿、、、、これを見ていても、やっぱり正直言って、新鮮じゃない、と思ってしまうのは私だけでしょうか。
まあ、これよりはるかにひどい例もたくさんあることを思えば、こんなもんよ、てなもんですけれど。
北米の高等教育レベルで、若いとはいえある程度判断力も栄養の知識もあっておかしくない学生たちが食べに来るカフェテリアで、野菜や、ちゃんとした食べ物を食べようとすると仮に10ドルかかるのに対して、ポゴとフレンチフライとペプシのコンボ、などと言ったジャンクなものだと5ドルでお腹いっぱいになれちゃうという、メニューの不思議。
ポゴとフレンチフライ。こんなもの与えられて育った子供たちは気の毒です。
大学生くらいの年頃だと、わかっていてもそれでもジャンクに流れちゃう、というのはありがちだと思うし、栄養の授業を受けたことがあったとて、すっかり忘れてる人たちだっていると思うし、そう考えると、教育機関のカフェテリアなのに、ジャンクフードがあんなに幅を利かせているっておぞましい。
人参、セロリ、ブロッコリなどのスティックがプラスティックのカップに入って、マヨネーズベースのディップが入ったのが7ドルくらいして。
こんなのにあなたならいくら支払いますか。
それなら家で野菜を切ってそれを持って来ればいいじゃないか、と思いますが、そういう準備に気持ちが回らないのが若い頃。
小さな頃から野菜を食べて、おいしさを知っていれば、その子達は自然に野菜もバランスよく取り入れるようになると思いますので、学校給食がジャンクじゃ無くなることはいいことですよね。(もちろん母親の美味しい手料理で育ったのに野菜嫌いな子も存在しますけど。)
ただ、ちょっと疑問なのは、ヴェジタリアン給食だけです、というの、そのせいで「ヴェジタリアンのものばっかり食べさせられて嫌だった」という反動を呼ぶことはないかなあと。
ヴィーガンの私が「学校では肉食のチョイスも与えるべきだ」というのは変な話ですけれど、でも肉が好きで、たまには肉を食べたいな〜、って感じる人は結構いるじゃないですか。 人口の9割くらい?
そういう人に、肉を選ぶ選択肢を与えないのは、ストレスを与えるんではないのかなと思うのですけど。(肉が食べたい人は家から弁当を持参すればいいだけなんですけど。)
ただ、良い肉を与えてやってほしいと思います。
私がここでいう良い肉というのは、ファクトリー・ファーミングで劣悪な生育環境で、成長ホルモンや抗生物質を与えられて育った病気な肉ではなくて、本来のその動物の食べ物を食べて、健康に育てられた家畜を、非人道的なスローターハウスではなくて、比較的マシな殺し方をされて処理された肉という意味です。
実際そんな肉を見つけることはかなり難しいのが現代の食肉の現実ですけれども。
給食でそういう肉を提供するとなると、経費が嵩みすぎますから、公立の学校ではちょっと無理、ということかもしれませんけれど。
この学校始め、ブルックリンのベジタリアン給食の学校に通う子供達がその後食べ物についてどう思うように育っていくのか、興味深いです。
ちなみにかのマイケル・ムーア氏もドキュメンタリー ”Where to Invade Next?” の中で北米の学校給食と外国の学校給食の比較をしていらっしゃいます。
彼のドキュメンタリーはアメリカの現実の酷さを強調したいあまりに比較対象を完善として大げさかつ単純に描きがちで、そこが弱点だと思うのですが、この映画で描かれるフランスの小学校の給食の様子も、フランス出身の知人たちによって「そういう学校もあるかもしれないけど、私が行った学校はこんなじゃなかったよ、もちろん、北米の学校よかマシだったけどさ」と証言されております。笑
でも面白いのでこちらにご紹介。笑
だいたい食事時にぺ*シやらコ*クを一緒に飲むなどという習慣は、あれは誰がどこで始めたのか、清涼飲料会社の陰謀としか思えません。