今週のお題「わたしのプレイリスト」
大真面目に自分の好みのバンドとかアーティストをご紹介するのは照れるので、ちょっと外して、モントリオールといえば、カナダといえば、というのをご紹介してみようと思います。
まずはカナダの、いえモントリオールのヒーロー
といえばレナード・コーエン。
パンデミックの前の年に記念切手が発売になって、郵便局が各家庭のメイルボックスにそのお知らせのチラシを入れてくれてたんですよ。
たまたま発売日にダウンタウンを通る予定があったから、「じゃあついでにちょっと並ぶかもしれないけど、買っとく?」なんて思ったら、郵便局のあるブロックに差し掛かるところで「ええ?あれ全部行列??」
行列は1時間もしないで中に入れる程度ですよと局員の方に言われましたけど、並ぶのは嫌いだし、また別の時に買えば良いか、、と。
もちろんすぐに売り切れたらしくて、後日郵便局で「レナード・コーエンの切手を」と言い終わらないうちに「もうとっくに売り切れましたよ」と。
モントリオールの人たちの間では本当に根強い人気なのです。
私たちのヒーロー、て感じで。
実際にすれ違ったことのある人とか、同じブロックに住んでたことがある人とか、レストランで隣のテーブルになったことがあってお話ししたのを今でも覚えてる人とか、そういう人たちが一生自慢し続けるのです。
ただの有名人ではないんですよね。
有名な曲はたくさんありますが、多くのアーティストがカバーしているのはHallelujah。
本人のバージョンでもYouTubeだけでもいくつかあり、どれが一番しっくりくるかなーと迷ったのですが、ビデオ見ていてもしっくりこなかったんですよね。
私の脳内ですでにレナード・コーエンのこれ、という空間が出来上がっているから、変に映像がついてくるのが邪魔なのか、ライブ版などはその場にいればわー、とのめり込むけどこうやってYouTubeで見てるとそうもいかないのか。
で、見つけたのがご本人がインタビューでHallelujahについて話しているビデオ。
インタビュアーがジアン・ゴメシなのがちょっとアレですが、まあ彼も活躍してた頃はカナダで音楽番組といえば、という感じでしたからね。
レナードご本人も言及していたカバーをしたアーティストの中の一人がこちら↓
カバーしてる若い方達はみんな結構盛り込んでるというか、大仰な感じになるので私個人はレナードのオリジナルが一番やっぱり好きです。
他にはRufus Wainwright もカバーしてますが、彼はモントリオールのジャズフェスティバルのオープニングに来たことがあって、野外のフリー・ステージだったので友人たちと頑張って観にいったのでした。
彼はお母さんとお姉さんがケベコワの有名アーティストで、家族総出で一、二曲演奏して楽しいステージでした。
これは当時、テレビのコマーシャルでも使われてかなりポップだったので、ステージで演奏した時も群衆がウワーッと盛り上がった曲、Cigarettes And Chocolatemilk。(このビデオは私がみた時のものではありません。)
カナダ出身の有名アーティストは結構多く存在しますが、カナダという僻地では不足だったからアメリカに進出して成功した人たちが多くいる一方で、カナダの地元で地元の人たちに人気で、多分アメリカや日本などにはあまり知られていない人気者といえば、この方。
Stompin' Tom Connorsの、このベストアルバムは実はお友達のお母さんに「カナダ入門に必要」とクリスマスにプレゼントされたので私も持っています。
自分では絶対買わないですけども。笑
このTilsonburgというのは南オンタリオにある街で、以前はタバコ栽培でかなり儲けた土地なのです。
喫煙の害が知られるようになり、タバコ農家の多くがタバコ栽培をやめてオーガニックでトマトだとか別の野菜の栽培に切り替えて生き残りを図るようになり、以前のような大規模なタバコ農家に出稼ぎしに季節労働者が集まる、ということもあまり見られなくなったかもしれませんけれど、この曲を聞くと、中学から高校にかけて、夏休みのバイトでタバコ農家で仕事をしたことがある我が夫は懐かしそうに昔話を始めるんですよね。
夫の時代はかなり機械化が進んでいたから、この歌ほど「この地名を聞くと腰が痛くなる」というのはなかったらしいですけれども。
Stompin' Tomは他にもご当地ソング的な、Bud the Spud (PEIといえばジャガイモ)とか、ホッキー・ソングとか、カナダの庶民の心を鷲掴みにする曲が色々。
モントリオールの南西地区St-Henriや Little Burgundyなどは、昨今ジェントリフィケーションが進んで昔の面影が徐々に薄れていっていますけれども、モントリオールでオリンピックが開催された当時は外国からの訪問者に見られないようにと塀が建てられたほどに貧しく、治安もあまりよろしくない地域でした。
そのLittle Burgundy出身のジャズ・ピアニストのオスカー・ピーターソンもモントリオールの誇りです。
彼の記念切手も随分前に販売になって、あの時は無事に購入できたので、レナード・コーエンほどのものすごい盛り上がりはなかったのかな。
それでもやっぱり音楽ホールに名前がついてたりとか、地味ですが誰もが敬意を示しています。
個人的には私はこちらが好み↓ですが、どちらにせよ、ピアノを無理矢理習わされていた幼少の頃、こういう演奏を聴くチャンスがあったら「格好いい!こんなのが弾けるようになるのなら頑張ろう」と思って続けていたかもしれない、、、かな?
番外編
カナダってどんな国?と聞かれたら、まずはこれ大事です。
カナダの都市はちょっと車を走らせればすぐに田舎になるようなサイズですし、自然はやっぱりカナダのアイデンティティの大きな部分を占めると思います。
分離独立騒ぎでアングロ住民がこぞってケベックを離れてしまう前は、カナダ随一の大都市だったモントリオール。
その地位はトロントに奪われて久しいですけれど、ホッキーでもなんでも、トロントと聞くとライバル意識がムラムラと、、まあ人それぞれですが。
大阪と東京みたいな感じなのかな、、どうでしょうか。
で、この歌はそういう二都市の関係と、でもやっぱりクールだからトロントにも行くし、友達もいるし、従兄弟も住んでるし、、というそういうのを前提で聞いてくださいね。
本気で貶されてると思って怒らないように、、、冗談ですから、、、、。
現在ホッキーのプレイオフで、思いのほかHabsが健闘してます。音楽じゃないけど。