食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

環境負荷とプラント・ベースのミルク

ブロッコリポタージュ。豆乳ちょこっと入ってます。



環境に与える負荷が少ないのはどれ?

 

環境にやさしい、、という表現をたまに目にしますが、私はこの表現、ちょっと気持ち悪いと感じます。

 

人間が行う消費活動や生産活動は、多かれ少なかれ環境に負荷を与えますから、やさしいなんてことはあり得ない。

 

いや、野生動物だってそうでしょうけれど、彼らは野生の仕組みの範囲内で行動するので、活動そのものが生態系の中でうまく野生に還元されていくわけです。

でも現代人は生まれてから死ぬまで、地球環境に負担しかかけてないような、、。

 

 

 

 

それはさておき、酪農の産物である牛の母乳、牛乳。

カルシウムたっぷり、栄養たっぷり、子供の生育には欠かせない、大人にも大切な栄養素がたっぷり、、、と、戦後の日本人の食生活にも入ってきまして、現在では日本でもかなりな量が消費されているのではないでしょうか。

 

でもやっぱり欧米に比べたら、クリームやバターを使わない食品だけでも美味しいものがたくさんある和食。

なのでヴィーガン食生活にも支障ありません。

 

牛乳は牛を殺すわけじゃないのに、なぜ乳製品を食べないのか、とたまに聞かれますが、酪農による地球環境への負荷を考えると、牛を殺すわけじゃなかろうとも、私は乳製品を消費するのはやめておこう、と思うに至ったわけです。

 

 

牛乳の代わりに消費される植物性のミルクには色々ありますが、原材料ごとに地球環境への負荷のかかり方、栄養、味、調理の使い勝手など、色々と異なります。

 

Our World In Data*のサイトでは、生産に必要とされる環境負荷の中でも土地利用、水、過剰な栄養分による生態系の汚染、などを基準にさまざまな植物性ミルクと牛乳を比較しています。

 

左上から時計回りに、土地利用、温室ガス排出、富栄養化、水利用のグラフ

 

1キログラムのミルクを生産するために必要な土地は、

  • 牛乳 8.95㎡
  • オートミルク 0.76㎡
  • 豆乳 0.66㎡
  • アーモンドミルク 0.5㎡
  • ライスミルク 0.34㎡

 

1リットルのミルクあたりの温室ガス排出量は、

  • 牛乳 3.15 kg 
  • ライスミルク  1.18kg 
  • 豆乳  0.98kg
  • オートミルク  0.9kg
  • アーモンドミルク  0.7kg

 

生産量1リットルあたりの引き起こす富栄養化*は

  • 牛乳 10.65 kg
  • ライスミルク 4.69 kg
  • オートミルク 1.62 kg
  • アーモンドミルク 1.5 kg
  • 豆乳  1.06 kg

*(富栄養化とは、作物や畜産などの生産過程で放出される廃棄物に含まれる栄養素が湖や川などに蓄積され、環境中の生態系を汚染する現象。詳しくはこちらをどうぞ。)

 

 

1キログラムのミルクを生産するために必要な水分量は、

  • 牛乳 628.2 L
  • アーモンドミルク 371.46 L
  • ライスミルク 269.81 L
  • オートミルク 48.24 L
  • 豆乳 27.8 L

 

栄養の点で言えば、豆乳以外は植物性ミルク全てがタンパク質量はさほど含まれておらず、だから牛乳の代わりにタンパク源として使う、と言うのは豆乳以外では意味がありません。

もちろんカルシウムやその他の栄養が入っているし、味の好み、コーヒーに入れた時のミルクの反応やお菓子や料理に入れた時の使いやすさなど、使い勝手は色々ですけれども、元々ミルクという白い液体を好まない私、タンパク質以外の理由で植物性ミルクを使うことはまずないのですが、環境への負荷を見比べてみると、豆乳って結構えらいですよ。

土地利用と温室ガス排出では5つのミルクの中で第3位ですが、富栄養化と水分量では最下位です。

逆に牛乳は全てのカテゴリーを通して輝ける第一位です(負担かけてる第一位ですから褒められたもんじゃないんですが。)

 

豆乳は大豆製品ということで、欧米では80年代以降女性の乳がんの原因扱いされたり、アレルゲンと認識されてたりで、割と避けられてるんですが、添加物として大豆の加工品がてんこ盛りなものなどは避けたいですけれど、アレルギー反応もないし、豆乳、私は毎回これです。

味は好きじゃないですけどね。

でも調理すれば気にならない程度ですし、どのプラントミルクも、牛乳も、白い液体はどうもあんまり好きじゃないので。

 

このサイトに載っている記事にもありますが、牛乳はやっぱりどのカテゴリーでも最悪ですが、それに比べて植物性のミルクは、たとえば温室ガスの排出量を一番抑えられるアーモンドミルクを選べば、それは水分の利用料が牛乳の次に多いわけで、どのミルクが一番だ、というのは決め難いものがあります。

 

端的に言えば牛乳は地球環境を考えると、最悪、ということで、それでもなお牛乳を選ぶべき決め手があるとするならば、やっぱり以前から広範囲に利用されてきている食材なだけに、伝統的な乳製品が幅広く存在していて味も利用するレシピも広く受け入れられている、、、という点でしょうね。

 

 

環境負荷を減らしたいと思っているけど乳製品が好きな人へ

味とか、伝統的なレシピとか、そういうのが好きな場合、環境負荷の軽減のためだけに乳製品を全てやめよう、なあんてのは無理な話です。

 

植物性ミルクでも気に入るものがあるかどうかちょっと試してみて、全滅なのだったら、乳製品を味わう頻度や分量を少し減らしてみる、というのも有効な手だと思います。

 

もし消費量を半分に減らせたら、乳製品の次に負荷の多い植物性ミルクをそれまでの消費量分消費してるのと同じくらいに減らせます。

もし三分の一に減らせたら、結構すごく減らせてることになると思います。

 

 

ourworldindata.org

*Our World In Data は英国のノンプロフィット、Global Change Data Labのプロジェクトで、政府の資金援助と読者の寄付によって運営されています。

 

 

 


ヴィーガンランキング