食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

MSGから差別を差し引いても

f:id:casse-pied:20211115024116j:plain

写真は本文と関係ありません。

 

最近、欧米、いや多分特に北米の食べ物界や食べ物レビュー界隈において、MSGの汚名挽回の動きが広がってきていますが、みなさまお気づきでしょうか。

 

食べ物界?

グルメとかフーディーっていう言葉に抵抗あるので自分の中でこう呼んでいます。

あとは健康関連で食をテーマにするジャンルもね。

 

化学調味料とかアミノ酸など、日本語でははっきりなんのことなのか指摘されずに成分表に記載されていますが、欧米ではMSG、Monosodium Glutamate いわゆる味の素の創始者、池田菊苗さんが発明した旨味成分はきちんと加工食品の成分表にそれと記載されています。

それが法律ですから。

 

www.ajinomoto.co.jp

 

で、MSGは体に有害な添加物であるという定説がずっと落ち着いています。

 

私個人としましては、大学生くらいの頃からなるべくなら化学調味料が添加された食品は食べない方が良いのだ、という認識で生きていました。

子供の頃はカップ麺類が食べられなかったんですよ。

兄が食べてるのをみて、大きな子は食べられるんだから、大きくなったらぜひ食べたいと思っていましたが、湯気に当たるというのか、食べ始めて少しすると気持ち悪くなっておりました。

塩分が強すぎるとか、化学調味料の味が変なんだとか、色々と推測しましたが、無理して食べなくても良い食品だけに、原因は不明なままですが、やっぱりこの記憶があるので、なるべく避けるべきよね〜という感覚的なものは常にありました。

 

出来合いのソースやドレッシング、加工食品のほとんどにこのMSGが入っていることに気がついたのは、モントリオールに住んでから。

 

MSGは避けているという友人がくれたスープのレシピに、Maggiをちょっと垂らして入れると味が良くなるとあって、「Maggiは塩分とMSGとカラメル色素と砂糖が主成分だと思うけど」と指摘したらすごく驚かれ、そのあとついでにありとあらゆるソース類をチェックしてみたら、やっぱりどれもほぼ全滅で。

 

そういうものを料理に使う人たちが「チャイニーズやアジア系のレストランではMSG要注意よね」というのを聞いて「いやいや、アジア系だけに限らないでしょ」と。

 

だから、CRS(Chinese Restaurant Syndrome)と言われる、中華料理のレストランで食べると、MSGが使われているから頭痛、吐き気、などなど体調に不調を感じるのだ、という主張も若干信憑性に欠けるような気がしますよね。

 

そして最近再び、「MSGへの差別的な扱いは人種差別に根ざしている」という論調を見かけて、もう一度考えてみようかなと。

 

www.menshealth.com

 

だってね、MSGが多用されている食べ物って中華の出前だけじゃないのに、批判されるのも「MSG不使用ですよ!」と大々的に宣伝しなきゃいけない状況なのも、アジア系のお店ばかりというのは、確かに差別です。

 

という点は私も同意見。

コストを抑えて万人に喜ばれる料理を素早く調理して提供するファーストフード系のお店などでは、MSGをはじめとする化学調味料を一切使わないで、きっちり素材を整えて本来の旨味を追求して丁寧に調理、、、なんて手間かけてられないでしょうし、それは中華であれメキシカンであれ同じこと。

 

そういう制限のない時間も手間もたっぷりかけた美味しいものをゆったりいただけたら良いですけれど、出来合いやファーストフード、ジャンクフードに慣れた舌には化学調味料抜きの料理は味気なく感じるようになってしまうのも現実です。

 

だから、レストラン業界や出来合い食品業界にMSG(それ以外もあり)などの添加物が便利に普及するのも自然な流れといえばそうですよね。

 

 

 

でもね、MSG、私はやはり避けてますね〜。

避けてるのはMSGだけではありません。

MSG不使用!と高々と謳っている製品でも、よくみてみると別の化学調味料が入っていて、やはり不自然な風味がしますから。

その不自然な風味だって慣れてしまえば慣れてしまえるのだと思いますが、なくても良いならなくても良い。

 

化学調味料の添加物の何が嫌なのか、と考えてみると、やはり「なくても済むものなのに慣れてしまうとそれなしだと物足りなく感じるようになる」という概念そのものが嫌なのかもしれません。

 

慣れてないから感じるこのちょっと嫌な風味、慣れてしまったら旨味と感じるのでしょうか。

それもまたちょっと抵抗があります。

 

 

casse-pied.hatenablog.com

 

MSGに限らず、世間で出回る食べ物は、昆布ですら化学調味料がまぶしてないものは入手し難いという現実。

casse-pied.hatenablog.com

 

ベトナムのphoのヴィーガン版を作った折接した、MSGじゃない化学調味料。

casse-pied.hatenablog.com

 

健康のために使うものではないけれど、健康のために避けなければやばいものというわけでもないらしい。

ただ、化学調味料を気軽に使っている食品ってやっぱり塩分も糖分も気楽に使ってある系統のものが多いように感じます。

手っ取り早く旨〜い!と万人受けを狙わなければならない事情があれば、そうなりますよね。

 

外食や中食産業でその流れが見られるのはしょうがないけど、自宅で自分の好みの食べ物を作るなら、やっぱり安易に頼りたくないなあと私は思います。

強烈な味付けに慣れてしまうと、ほんのりと香る上げ底上塗りなしの素材の風味に気がつけなくなってしまうでしょうし。

 

 

日本で発明されて日本の企業がかなり幅広く商売してて、しかも日本でもかなり普及してるのに中華料理に悪者代表になってもらってる日本食、役得?


ヴィーガン ブログランキングへ