食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

食べたいものと食べるものの選択

 

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成形後冷蔵庫で発酵させ、焼く寸前に取り出してみました。焼く30分前に取り出した時よりかなり小ぶりでした。次回はやっぱり30分室温においておこう。メモメモ
 
なぜヴィーガンなの?

知人友人同僚などはもう皆知ってますから、直接この質問を受けることはありませんが、Twitterなどでフォローしているヴィーガンのみなさんが、色々と書いていらっしゃるのを見かけます。

日本では最近かなり認知度も上がってきているようですから、以前に比べてヴィーガンではない方からの「何それ?なんで?」という質問が増えているのかもしれません。

 

自分がヴィーガンになる前に、ヴィーガンになった友人やヴィーガンについて熱く語っている人をみて今ひとつ理解できなかった気持ちは覚えていますから、やっぱりこういうブログの場でたまになぜヴィーガンなのか、と書いてコミュニケーションするのは大事かな、と。

 

以前にも同じようなことは書いていますから、繰り返しにならないで、なおかつヴィーガンではない方々にも想像しやすいような内容を、と思いますが、いざいざ。

 

 

経緯

人それぞれに理由はありますが、私の場合は環境問題が一番の理由。

 

現在肉や動物性加工食品を毎日3食普通に食べる人の数は世界的にみても過去最多。

消費に追いつくために生産加工のプロセスはかなり効率化が進んで日々ものすごい量の食肉が「生産」されています。

 

効率化のために犠牲になるのはやはり動物、その処理に直接関わる労働者の労働環境、そして飼育や屠殺、加工の際の環境への影響は見過ごせないボリュームです。

 

伝統的な、昔ながらの方法で動物を育て、昔ながらの手作業で屠殺し加工した肉を食べるのなら良いのでしょうけれど、そう行った丁寧なプロセスを経て流通する肉はコストを考えるだけでもかなり高価ですし、大量には流通しませんから、誰もがそちらに切り替えるわけにはいきません。

 

私の場合は、買わない、食べない、という選択でこの問題から一抜けた、という単純な経緯です。

 

楽でいいですよ。

それに動物性食品を調理しないと、脂汚れがものすごく減るので、皿洗いも楽です。

 

 

ファクトリーファーミングの問題に関する読み物は沢山ありますが、私が気に入った本について書いたのがこちら↓です。

casse-pied.hatenablog.com

 

 

動物性食品を食べなければ問題がないわけではない

ヴィーガンは動物のことばかり気にしているけど、植物を食べることにも問題はある、とおっしゃる方もいらっしゃいます。

 

その通りだと思います。

 

例えば世界中で流行って消費量がぐんと急上昇した野菜や果物などは、その生産が可能な地域でそれまでは普通に生産、消費されていたのが、輸出量が増え、森林伐採して生産量をあげようとしたり、地元での流通価格が上がってしまったり、もしくはその栽培にかかる環境負荷が増えてしまったり、と色々な問題を含みます。

 

そういう理由で私はアボカド、アーモンド、カシューナッツ、キヌワ、などの植物性食品もできる限り避けています。

ヴィーガンの料理家さんやブロガーさんが「お洒落で美味しい!」とこういった食品を使ったレシピを公開してガンガン販促するのは、ちょっと複雑な気持ちで眺めています。

 

 

casse-pied.hatenablog.com

 

 

casse-pied.hatenablog.com

 

 

問題の多くは、何かが人気が出たら、世界中の人々がそれを欲しくなり、買いに行ったら手に入るような、そういう消費の仕組みにあると感じます。

 

そして、何かを食べたい、手に入れたい、と人々が感じるように仕向けるマーケティングの手法がものすごく巧妙で、地球上の人々全てがうまいこと操られているように感じられます。

 

流行るものは大体美味しいし、長く愛されるものは扱いやすくて美味しくて健康に良くて、と良いことが多いんですけど、栽培の過程での土壌や農地のある地域へのダメージとか、労働者がどう扱われているのかとか、栽培に至る前にその農産物をより多く栽培するために森林伐採がされていないものかとか、気が付きにくい部分に「人気商品」にまつわる罪が潜んでいることがあります。

 

 

地産地消で小規模に全てが賄われたらそれに越したことはないですし、地元で昔から生産されてきたものを大切に味わうことにももっとマーケティングの焦点が当てられたらと思います。

 

地元の産物だけ食べているわけには行かない北国に住む身としては、なるべく地産地消、なるべくカーボンフットプリントの少なめなもの、とはいえできることは結構限られていますが、全く無視して好き放題に南国のフルーツや季節外れのものや人気のスーパーフードを買いに走るのは、それが植物性食品でも控えたいと考えます。 

 

 

農業の事情は国や地域によって異なるので、北米の北の片隅に住む私が躊躇する食品も、別の地域で、自分で栽培できる方とか、地元で旬には捨てるほど収穫できるのよ、なんていうラッキーな人たちが美味しく食べるのはそれは自然の理にかなっていると思います。

 

 

 

大豆やコーンの生産のための害悪はプラントベース食品だけの問題ではない

大豆やコーンは食品生産の話題では悪名高いですよね。

大豆やコーンの栽培のために森林伐採が行われることも問題の一つです。

 

 

casse-pied.hatenablog.com

 

 

だから、ヴェジタリアンやヴィーガンは大豆製品を多く食べるからダメだとか、ヴェジやヴィーガンでも大豆製品は避けるという方も割と存在するようです。

 

でも大豆やコーンの生産の7、8割は人間が直接食べる食品ではなくて、畜産業界が飼料として消費するために消費されます。

あとは食用オイルとか、化粧品とか、エネルギー源になったりも。

 

それは、栽培するのが簡単で、広大な土地に大豆だけを栽培してガンガン収穫してガンガン加工してガンガン儲けをあげやすいから。

 

 

 

何が大事かは人それぞれ

私はヴィーガンで、アボカドやアーモンドを食べませんが、赤身の肉を控えることにしている、地産地消を基本にしている、など人それぞれで良いと思います。

 

人類全体の消費する肉の量は減らすべきだとは思いますけれども、それをどう実現するかは社会全体で対策を決めてゆく問題だと思います。

伝統的な畜産や漁業や農業のやり方に戻って、環境にも、そこに生きる人間の暮らしにも長期的に良い形で生産消費のサイクルが営まれるようになれば良いと思いますが、そのためには現在の大量生産大量消費のやり方を継続していては、地球環境が人類を生かせておいてくれる場所ではなくなると思います。

 

そう考えると地球環境のことを何も考えない食料政策は続けていけないはずです。

日常生活で「環境のために5割高いけどこっちの野菜と肉を買おう」なんてことができる人は多分ヴィーガンの人口より少ないように思いますから、一般市民だけが食生活を変えてどうにかなる話だとは思いません。

 

 

イギリスの生産者や専門家の話や一般消費者の受け止め方などについての話題です↓

www.bbc.co.uk

 

 

 

加工度合いの高いもどき肉に関しては、手放しで肉じゃないから良い、とは思えないのも現実ですが。 

 

 

制限はあっても、食べることは喜び


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